[GA4]botやスパムで怪しいアクセス数が急上昇したときの考え方
2026年06月22日
ライター:高田 和資

最近、GA4のサポートを行う中で、「(direct / none) からのセッションが急上昇した理由を知りたい」「特定のアクセスから異常なイベント数が発生している」というご相談を受ける機会が増えています。

調査を進めると、その多くは海外からのBot(ボット)やスパム(Spam)による機械的なアクセスです。これらを放置すると、レポート上のコンバージョン率が低下したり、正確なユーザー行動を把握できなくなったりするリスクがあります。

GA4は既知のBot(ボット)を自動的にフィルタリングして除外する機能が備わっていますが、GA4で計測されているBot(ボット)アクセスはこれらのリストを回避してアクセスする仕組みを利用しています。

弊社のコラムでは、昨年もBot(ボット)対策をご紹介しましたが、今回は最新の対処方法を追加して詳しく解説します。

参考:GA4でBot(ボット)(スパム(Spam))や海外からのアクセスは除外できる?対策をご紹介

Botやスパムによるアクセスの見つけかた

Botやスパムによるアクセスは、(direct / none)として計測されるケースが非常に多いです。意図しない(direct/none)からのアクセスが急上昇したときはまず、Botやスパムによるアクセスを疑いましょう。

  • (direct/none)からのアクセスが数日間だけ急上昇している
  • サービス展開をしていない国からのアクセスが短期間に増加している
  • 不明な古いOS、ブラウザ、バージョンからの一定数のアクセスが増加している
  • エンゲージメントが発生していないアクセス
  • 同じユーザーが異常なアクセス数、イベント数を発生させている

これらのアクセスで「平均セッション継続時間」「エンゲージのあったセッション数」が少なかったり、発生させるイベント数が少ないとスパム(Spam)、Bot(ボット)の可能性が高いアクセスです。GA4の「異常値検知」機能やAsk Advisorでも見つけることができます。

これらのアクセスを探索レポートを使い、「国」「市区町村」「OS」「OSのバージョン」「画面の解像度」などのディメンションでスパムからのアクセスか通常のアクセスかを特定していきます。

対策1:Bot(ボット)、スパム(Spam)アクセスを除外してレポートを閲覧する方法

数日間の一時的なスパム(Spam)の場合、先の方法で特定したスパム(Spam)を「除外セグメント」を作成してレポートを閲覧する方法をおすすめします。この方法はデータ自体を削除しないため、GA4で計測しているデータを残したままスパム(Spam)をレポートから除外することができます。

地域やOS、ブラウザの異常
特定した特徴に基づいて、除外条件を設定します。下記は一例ですが、「国」「オペレーティングシステム(バージョンあり)「画面解像度」で設定したセグメント条件です。

複数回の初回訪問があるアクセス
first_visitイベントは通常、ユーザーごとに1回しか発生しません。ユーザーの履歴で複数回発生した場合はBot(ボット)、スパム(Spam)の可能性が高いです。

セグメント条件
event_name = first_visit のイベント数が1より大きいセッションを除外

対策2:継続しているBot(ボット)、スパム(Spam)アクセスを収集データから除外する方法

同一ユーザーの異常なアクセスをユーザーエクスプローラーで削除
機械的なアクセスなどにより、同一ユーザーがレポート全体に影響を及ぼすほど異常なイベント数を発生させている場合があります。そのような時はセグメントを利用するのではなく、ユーザーエクスプローラで特定し、ユーザーエクスプローラーからユーザーデータを削除することができます。

ユーザーエージェントから特定して、設定後からのアクセスを削除する

<注意>
・データフィルタを適用する以前の過去のデータは削除されません。適用後の期間からデータは削除されます。

同じ条件のトラフィックデータを永続的に削除する方法になるため、条件によっては通常のアクセスまで削除する可能性があります。十分なテストを行ってから実施してください。

特定の条件(不明な古いOS、ブラウザ、バージョンなど)に該当するBot(ボット)やスパム(Spam)からのアクセスが一時的ではなく継続している場合、ユーザーエージェントでスパム(Spam)の条件を特定できれば、GA4の「データフィルタ」を利用して、設定後のアクセスを永続的に除外できます。

STEP1:
GA4の各イベントでユーザーエージェントをパラメータに計測する設定を行います。GTMで設定することをおすすめします。

STEP2:
「イベントの修正」機能を利用し、ユーザーエージェントから特定条件にマッチするアクセスのイベントパラメータ traffic_type に【spam】という値を付与します。

下記の図は例として、「custom_user_agent」というカスタムディメンションで計測している値の中からxxxxの文字列を含むイベントにtraffic_typeにspamを付与した例です。

STEP3:
データフィルタの「内部トラフィックの定義」から「フィルタの状態」を【有効】にすることで、traffic_type が「spam」であるイベントをレポートから除外することができます。

いきなり有効にはせず、まずは【テスト】にして意図通りのアクセスが対象になっているかを確認してから実行します。

まとめ

Bot(ボット)やスパム(Spam)のアクセスが増加している状況で、レポートに異常値があったときの考え方と対策をまとめました。セグメントで除外条件を作成したり、ユーザーエクスプローラーレポートなど、暫定的な対処方法はありますが、2026年6月時点では収集したBot(ボット)やスパム(Spam)データを過去データを含めて削除することができないことに注意しましょう。