
日本発のグローバルスポーツブランド「アシックス(ASICS)」。国内事業を担うアシックスジャパンでは「お客様にとってアシックスの商品やサービスをより見つけやすくする」という目標のもと、オンライン通販サイトのSEO施策を2021年から約4年間にわたり実施しました。
アシックスジャパン様では毎年KPIを精緻に設定し、その目標達成に向けて数々の施策を実行されました。例えばノンブランドキーワード(アシックスを含まない一般名称)での流入増、一覧ページの流入増、サイト内重複ページの精査、重要なランニング関連のキーワード強化などです。一部の施策はアメリカのグローバルチームが実装を担当するため、英語での専門的なコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進められました。
一連の施策によって、重要なノンブランドキーワードの流入が3年間で226%、一覧ページの流入が411%まで増加しました。
これにより、お客様がアシックスの商品をより見つけやすくなり、ブランドとの接点が大きく拡大しました。
ご依頼された経緯とお客様の要望
アシックスジャパン様では、2021年ごろからオーガニック流入が減少傾向にあることを課題として認識されていました。記事コンテンツなどのコンテンツマーケティングではなく、EC本体の内部施策を強化することで、より多くのお客様に商品を届けたいとのご要望でした。
実際、当時はサイトへの流入の大半がアシックスを含むブランド関連や商品名で、ノンブランドのアイテムキーワード(例:ランニングシューズ、テニスウェアなど)からの流入が不十分な状況でした。これは、アシックスのことをまだ知らない潜在顧客との接点が限られていることを意味していました。
また、アメリカのデジタルチームがCMSを管理しているため、サイト改修にはグローバルチームとの連携が必要であり、英語での専門的なやり取りが求められました。
お客様の課題
・オーガニック流入が減少傾向にあり、新規顧客との接点が限られていた
・流入の大半がブランド関連か記事関連で、商品を探しているお客様にリーチできていなかった
・お客様が商品を見つけやすい一覧ページへの流入を強化したい
・アメリカのグローバルチームと英語で円滑にコミュニケーションを取る必要があった
施策のポイントと内容
ポイント1
サイト全体の課題を抽出、やるべきことをリスト化
まず、お客様がアシックスの商品を見つける際にどのような障壁があるかを把握するため、サイト診断を実施しました。サイトの課題を洗い出し、最初に課題とやるべき施策をリスト化して、英語版をアメリカのチームにも共有しました(下図)。
どの施策から実行するのか、お客様への影響度と実現可能性から優先度を決定し、スケジュールを立ててタスクを実施しました。
ポイント2
アイテムカテゴリの拡充と重複精査
お客様が「ランニングシューズ」「テニスウェア」などのキーワードで検索した際に、適切な商品一覧ページにたどり着けるようにすることが重要でした。
ECサイトのキーとなるアイテムカテゴリには当初、構造と名称の観点で課題がありました。また、カテゴリ内で多数の重複URLができていて検索順位が安定しない課題もありました。
数回に分けてスポーツカテゴリを再設計し、お客様が検索するキーワードに合わせた名称に変更したり、下層カテゴリを作成してより細かいニーズに対応できるようにしました(下図)。
アイテムカテゴリ精査リスト
重複URLの洗い出し例

重複URL精査のリダイレクト対応表
その結果、お客様が商品を探す際のランディングページとなる重要なカテゴリ一覧ページが最適化されました。
ポイント3
サイト内部のリンクを徹底的に見直し、一覧ページを強化
アシックスサイトでは、スポーツに関連するページが2タイプあります。1つは商品一覧形式のカテゴリページ、もう1つは特集ページです。
お客様が「テニスシューズ」などのアイテムキーワードで検索した際、特集ページと一覧ページのどちらが表示されるか安定しないという課題がありました。商品を購入したいお客様にとっては、商品一覧ページに直接たどり着ける方が便利です。
そのため、データから検証を行い、商品一覧ページを優先的に表示させる方針としました。下図のような構造図を作成し、ページの構成と共に内部リンクを最適化しました。
内部リンク設計図
設計にあたってはヒートマップデータも確認し、お客様の使いやすさも考慮しながら最善の案をご提示しました。
お客様利用ツールによるヒートマップ分析
内部リンクを強化するご提案のワイヤーフレーム例

結果、お客様がアイテムキーワードで検索した際に、商品一覧ページに安定してたどり着けるようになりました。
例:テニスシューズ
2022年:特集ページにランディング 35位
2025年:商品一覧ページにランディング 4位
ポイント4
データポータル(旧Lookerスタジオ)でKPIデータを管理、達成度をご報告
お客様との接点がどれだけ増えたかを可視化するため、毎月一回の定例会を実施しました。その中で作業の進捗や施策の効果をお伝えしました。
KPIは毎年ページ群ごとの流入増加率を目標として設定し、年に一度年次レポートを作成して、前年度のKPI達成度もご提示しました。2024年度も5つのKPIのうち4つを達成しました。
ページ群やキーワードの種別、また流入や順位、CVなどのデータ分析環境を整え、サイトへの深い理解を持つことで、お客様との接点拡大につながるリアリティのある目標値を算出しました。
実施した施策一覧
- サイト診断
- SEOアドバイザリサービス
施策後の成果

・ノンブランドキーワードの流入 226%(2022年/2025年比)
→アシックスをまだ知らないお客様との接点が大幅に拡大
・カテゴリ一覧ページの流入 411%(2022年/2025年比)
→商品を探しているお客様が見つけやすい環境を実現
お客様の声
- 弊社にお声掛け頂いた経緯と、ご発注いただいた決め手をお聞かせください。
- SEO対策は元々グローバルチーム内でSEOチームがおり、そのガイダンスに従って対応していました。グローバルチームの体制変更によりSEOチームが解散となり、各地域をサポートしなくなるため、Googleアナリティクスの運用支援をお願いしていたアユダンテ様にお声がけいたしました。
他社様にもお声がけさせていただいていましたが、他社様での実績が豊富であること、日々のSEO関連ニュースや記事でアユダンテ様の記事を参考にさせていただいていたことから、アユダンテ様にお任せすることとなりました。 - 施策内容やプロジェクト中のサポートの感想や評価をお聞かせください。
- 日々のレポーティングや的確なアドバイスをいただき大変助かりました。定期的なグローバルチームからの情報共有やコミュニケーションにおいてもアユダンテ様のご助力で円滑に進めることができ、様々なキーワードの強化、ページ構成の改善検討などに注力することができました。
意図しないページ構成でグローバルチームによって機能が実装されてしまった場合にもすぐにグローバルチームへ懸念をお伝えいただくなど、細かい配慮もいただき、自然検索エンジンからの流入は安定して順調に伸びました。「お客様にとってアシックスの商品やサービスを見つけやすいこと」にも大きく寄与いただきました。 - 施策の効果についての感想や評価をお聞かせください。
- 「お客様にとっていかにアシックスのサイトや商品を見つけやすくしていくか」がアシックスジャパンにとってはSEO対策の最も大きな目的の一つです。
SEO対策はファンダメンタル改善を常に行うものであり、施策の効果がすぐに表れるものではありませんが、アユダンテ様と継続的に取り組んできた施策の成果が、ノンブランドキーワードや一覧ページの流入増加という形で着実に表れていると感じています。
これにより、アシックスのことをまだ知らないお客様にも商品を届けられるようになり、ブランドとの新たな接点を創出することができました。ありがとうございました。
ご依頼いただいたサイトURL:https://www.asics.com/jp/ja-jp/
アシックスジャパン株式会社様を支える担当スタッフ
担当スタッフからのコメント
サイト診断を通じて、サイトにはまだ大きな成長のポテンシャルがあることが分かりました。さまざまな制約がある中でも、担当者の方と何度もコミュニケーションを重ねながら、現状で実行可能な最適な方法を一緒に模索してきました。グローバルチームとの連携や社内での調整など、双方でできることを一つひとつ進めていくことで、施策を着実に実行することができました。
その結果、ブランドキーワードだけでなく、ノンブランドキーワードからの自然検索流入も安定して伸びており、ユーザーが商品やサービスを見つけやすいサイトづくりにつながっていると感じています。今回の成果は、お客様とアユダンテ双方の取り組みがあってこそ実現できたものであり、両者が協力して進めてきた結果だと感じています。

