株式会社 主婦と生活社様
Looker Studioでダッシュボード化したGA4データの社内活用事例

女性週刊誌のさきがけである『週刊女性』、男性誌『LEON』、芸能雑誌『JUNON』、ヘアメイク誌「ar(アール)」などの雑誌やニュースサイト「週刊女性PRIME」などのWEBメディアを展開しています。

Google アナリティクス4(以下GA4)にて計測しているWEBメディアのデータをLooker Studio(旧データポータル)でダッシュボード化し社内展開を実施いたしました。

ご依頼された経緯とお客様の要望

ユニバーサルアナリティクス(以下UA)で計測はしていたもののあまりデータを見ていなかった、あるいはレポート画面の操作がわからず見られなかったという課題がありました。

GA4への切替を機にLooker Studioでダッシュボード化して社内展開することで、よりわかりやすく誰でもデータを見られるようにしWEBメディアの各編集者が記事の評価ができることで、これまで以上にコンテンツの質を高めていきたいと考えていました。

お客様の課題

主婦と生活社様では大きく以下3つの課題がありました。

  • GA4のナレッジがまだ少なくレポート作成において不透明なところがあり、独自に進めるには時間と学習コストがかかる
  • Looker StudioでGA4のコネクタを利用する場合、トークン利用数に制限がかかる社内展開した際に制限オーバーしダッシュボードが表示されない可能性がある
  • 同様にLooker StudioでGA4のデータを直接参照するとセグメントが使えない

これらの課題についてアユダンテから解決方法をご提案させていただきLooker Studioにてダッシュボード作成を行ないました。

施策のポイントと内容

実施した施策のポイントを紹介します。

ポイント1
BigQueryの活用と柔軟な集計

Looker StudioでGA4のコネクタを利用する場合、トークンの利用数に制限がありそれを超えてしまうとデータが表示されなくなります。

そこで、GA4のデータをBigQueryにエクスポートし、そのデータをLooker Studioで表示することでトークンの制限にとらわれず表示することが可能になります。

セグメントもSQLを使って集計することでGA4のレポートで作成するセグメントと同等のことが行えます。
さらにはGA4で再現が不可能または困難なセグメントや集計方法も対応可能です。

以下は集計の一例です。
WEBメディアという性質上、1記事が複数ページで構成されています。
記事が平均してどこまで読まれているか?という「完読率」という独自の指標を打ち立て評価する必要がありました。

これは、GA4だけではセグメントを使っても集計できない指標です。
BigQueryを使うことで、このようなサービスの方針に沿った評価も行っています。

他にも記事を1ページ目から順番に何ページ目まで見ているか?というのも重要なポイントとなります。

GA4だけでも表現することは可能ですが、その記事の著者や編集者が各々画面を操作して確認するということはリテラシーのバラつきやGA4の操作に対する慣れなど様々な要因から難しいものがあります。

こういった課題も、Looker StudioとBigQueryを組合せ活用することで、誰でも簡単にデータを確認することができるようになっています。

ポイント2
具体的かつ詳細なレポートイメージ

主婦と生活社様のGA4主担当である平野様が編集部と綿密な打ち合わせを行い、その上で見るべきデータを取り決めました。

また、グラフの形式やフィルタ条件など具体的なレポート画面のイメージ図も作成いただくことでデータから判断できることや考えらえるケーススタディなど検討することができました。
合わせて、社内におけるKPIなどもご説明いただき、弊社も提案やアドバイスも行いダッシュボードをブラッシュアップしていくことができました。

ポイント3
GA4 / BigQueryのレクチャー・データ構成の説明

主婦と生活社様はWEBメディアだけでも多数のサービスを展開しています。

WEBメディアだけではなくECサイトなど幅広く展開、運用されています。
今回は一部のサービスをダッシュボード化しましたが、今後は他サービスも同様にダッシュボード化していきます。

その上で重要になるのがBigQueryの存在です。
いずれは自社で運用していく意向があるため今回作成したダッシュボードをもとにBigQueryの使い方や集計テーブルのデータ構成など説明、レクチャーさせていただきました。

データの元となるGA4も非常に重要です。GA4の概念や特徴、レポート画面の使い方までレクチャーも開催いたしました。

これにより、GA4で何ができるかがわかるようになり、ダッシュボードをよりよくできるのではないかと考えています。
また、ダッシュボードにはない角度の分析もGA4のレポート画面を各自でできるようになることでデータ活用促進に繋がると思います。

施策後の成果

GA4のLooker Studioレポートを作成して

これまでデータを見るにはレポート画面の操作が必要不可欠でした。
その操作というハードルをダッシュボード化することで下げ、誰でもデータを手軽に確認できるようになったことでこれまで気が付かなったことや、新たな判断とアクションに繋がっていきコンテンツの質が向上していくと感じています。

また、ダッシュボード化することで編集者や記者が同じ視点で評価をすることができ、足並みをそろえた戦略や施策ができるようになります。
もちろん、ダッシュボード化しなくとも足並みをそろえることは可能ですが、そのためには学習が必要となりコストがかかります。
コストを抑えていち早くデータを活用いただくことがこのダッシュボード化で可能になりました。
長い目かもしれませんが、各自でデータが見られるようになったことで「データ」に興味を持ち、新しい視点が生まれることでダッシュボードならびにGA4の計測もよりいいものになっていくのではないかと思います。

お客様の声

藤田様には技術面のみならず、ニュースメディアの特性や編集部側の業務内容など社内事情も考慮いただきました。
これにより「どのようなデータを示せば、正しい判断ができるか」について当社と藤田様で議論を深められ、当社が観測すべき数値を定義できたことがダッシュボードの完成につながったと考えています。

また事前にエンジニアの片岡さまによるBigQueryやSQLに関するレクチャー、ダッシュボード完成後には技術的なご説明と資料も提供いただきました。
これにより設計状況が明文化され部内における共有の簡略化も達成でき、非常に助かりました。
高い技術力のみならず、「どのようにデータを扱い管理していくか」といった組織作りの面でも豊富な知識を惜しみなく提供いただいており、当社のデータ活用を進めていくにあたって必要不可欠なパートナーであると感じています。
引き続き、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

主婦と生活社様を支える担当スタッフ

担当スタッフからのコメント

ご担当の所様、平野様と密なコミュニケーションの中でサービスのビジョンやKPIなど丁寧にご説明いただきました。

弊社からの提案や検討内容についても耳を傾けていただき、時には視点が違うものなどご指摘もいただきながら、疑問や方向性などクリアにすることができ実現できたと思っています。
技術面においては、Looker Studioではセグメントが使えなかったり、APIのトークン制限があったりと割と制限に追われる印象がありましたが、実際にはBigQueryを活用することで解決ができ、GA4だけではできない集計が可能なため表現の幅は広い印象があります。

SQLを書くという開発はありつつも弊社エンジニアの片岡による軽快なフットワークと柔軟な対応があったことで滞りなくレポート作成ができました。

シニアデータソリューションコンサルタント:藤田 佳浩

ご利用いただいたサービスとプラン

「主婦と生活社」さまでご利用いただいたサービスは以下の通りです。

Google アナリティクス 導入・設定支援/データ活用支援

ご利用いただいたプラン名

  1. Google アナリティクス 導入・設定支援/データ活用支援

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