[GA4] コホートデータ探索でユーザーの再訪問のきっかけを見つける
2022年10月14日
ライター:高田 和資
サイト運用をしていく中で、新規ユーザー獲得を目的としたキャンペーンや広告施策を行うことが多くあります。施策実施後の効果測定では「施策から獲得した新規ユーザーの数」や「施策からコンバージョンした新規ユーザーの割合」が主に利用されます。これらは標準レポートの「集客>ユーザー獲得」「集客>トラフィック獲得」レポートで確認できます。 「コホートデータ探索」では、獲得した新規ユーザーが日、週、月単位で再訪問(定着)しているかを確認することができます。再訪問が多かった施策や、再訪問が減少するタイミングを見つけて、再訪問を促す施策を検討しましょう。

コホートとは?

「コホートデータ探索」で利用する「コホート」は同じ属性を持つユーザーグループを意味します。レポートでは初回接触や発生させたイベントをコホート条件として利用し、「日、週、月」単位で再訪問しているかを確認できます。 コホート(ユーザーグループ)

コホートデータ探索の見かた

コホートデータ探索の見かたを解説します。まずは同じ属性を持つユーザーグループの条件を「コホートへの登録条件」で定義します。デフォルトでは初回接触(ユーザー獲得日)が設定されています。すべてのイベント、トランザクション、コンバージョンや各イベントを設定することができます。次に再訪問の定義を「リピートの条件」で設定し、レポートの粒度を「コホートの粒度」から毎日、毎週、毎月から選択します。「計算」では各セルの計算でどのような集計をするかを定義します。
選択項目 条件
コホートへの登録条件 初回接触(ユーザー獲得日)
すべてのイベント
すべてのトランザクション
すべてのコンバージョン
各イベント
リピートの条件 すべてのイベント
すべてのトランザクション
すべてのコンバージョン
各イベント
コホートの粒度 毎月
毎週
毎日
計算 標準:リピート条件に一致した「コホートの粒度」のセルでカウントする
連続:該当期間(0の粒度)以降、連続した「コホートの粒度」に一致したセルまでカウントする
累計:集計期間中にリピート条件に一致した「コホートの粒度」があれば、他のセルでもカウントする。
指標のタイプ 合計:実数
コホートユーザーあたり:割合
期間:7/1~9/30でコホートデータ探索レポートを作成した場合
選択項目 条件
コホートへの登録条件 初回接触(ユーザー獲得日)
リピートの条件 すべてのイベント
コホートの粒度 毎月
計算 標準:リピート条件に一致した「コホートの粒度」のセルでカウントする
指標のタイプ 合計:実数
7/1~9/30でコホートデータ探索レポートを作成した場合
  • ①7/1~7/31に新規獲得したユーザー数:30,552(月0)
  • ②①のユーザーで翌月(月1)に訪問したユーザー数:2,616
  • ③①のユーザーで翌々月(月2)訪問したユーザー数:896
「指標のタイプ」で「コホートユーザーあたり」を選択すると、獲得したコホートの推移を割合(定着率)として見ることができるため、比較をするときはわかりやすくなります。 作成したレポートから、サイト全体では7/1~7/31に獲得した新規ユーザー:30,552のうち、9/1~9/30も訪問したユーザー数は894ユーザーで2.93%のユーザーが再訪問していることがわかりました。

レポート作成例

アユダンテのサイトに訪問するユーザーで、「GoogleとTwitterで初回訪問したユーザーはどちらが再訪問に貢献している割合が高いか?」という想定でレポートを作成します。媒体の比較にはセグメントからディメンション「ユーザーの最初の参照元」を利用します。
選択項目 条件
セグメント ①ユーザーの最初の参照元:google を含む ②ユーザーの最初の参照元:t.co を含む
コホートへの登録条件 初回接触(ユーザー獲得日)
リピートの条件 すべてのイベント
コホートの粒度 毎月
計算 標準:リピート条件に一致した「コホートの粒度」のセルでカウントする
指標のタイプ コホートユーザーあたり
作成したセグメント 作成したセグメント 作成したレポート 作成したレポートから、7/1~7/30に獲得した新規ユーザーのうち、ユーザー数、翌々月の再訪問割合もGoogleが多いことがわかります。「ユーザーの最初の参照元」を条件に利用しましたが、「キャンペーン」や「広告のコンテンツ」などを組み合わせて、再訪問するきっかけとなる媒体やキャンペーン施策の効果を調べてみましょう。

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この記事を書いた人
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高田 和資
シニアカスタマーサクセスコンサルタント
Google アナリティクス 360専任コンサルタント。WEB制作会社を経て、人材系サイトやECサイトのマーケティングを担当、Google アナリティクス導入支援の他、サイト分析、改善提案を得意とする。幼少期からサッカーに親しみ、現在もサッカーをこよなく愛する。
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