
本コラムはAYUDANTE NEWS 2026年7月号から一部抜粋してお送りしております。全文に関しては毎月月末に配信しているニュースレターのバックナンバーからご覧ください。
皆さま、こんにちは!
「Ayudante News」7月号をお届けします。
6月25日に、アユダンテは、自社の新サービスとして「MATSUBA(松葉)」という製品を発表しました。
そして、7月16日、アユダンテは「MATSUBA」の初セミナーをオンラインで開催しました。短い告知期間にもかかわらず多くの方にご参加いただきました。ありがとうございました。
生まれたてほやほやの「MATSUBA」をご存知の方は少ないと思いますが、ぜひ、この機会に少しでも興味を持っていただければ幸いです。
今回の特集では、セミナーに登壇した杓谷匠(デジタルストラテジーディレクター/『いちばんやさしいGoogle広告の教本』著者)に、セミナーに参加できなかった方でも3分で核心をつかめるよう、エッセンスを聞きました。聞き手はPR担当の小林が務めます。
そもそも「MATSUBA(松葉)」とは?- まずは名前の由来から

製品説明の前に、私も読者のみなさんも、「MATSUBA(松葉)」という和風の名前が気になっていると思います。計測ツールらしからぬ名前ですが、由来はありますか?

実は、「Urchin」というアクセス解析ツールへの尊敬の念を込めて命名しました。「Urchin」は2005年にGoogleが買収し、「Google Analytics」に改称されました。現在我々が使用している「Google Analytics」は元々「Urchin」という名前だったんですね。この「Urchin」は日本語で「ウニ」という意味なんです。

ウニ? お寿司で最初に頼むと怒られる「ウニ」ですか?

そうです、あのお寿司で食べる「ウニ」なんです。お寿司になる前の話ですが、ウニといえばトゲトゲですよね。おそらく「Urchin」の創業者達は、ページビューの推移などを表す折れ線グラフがトゲトゲしているところから着想を得たのではないかと想像しているのですが、我々も何かトゲトゲしていて、なおかつ海外の方にも受け入れてもらえそうな日本らしい名前をつけたいということで「MATSUBA(松葉)」に辿り着きました。いつか「Google Analytics」を超えるツールに育てたい、という願掛けでもあります。

そのトゲトゲのMATSUBAは、簡単に言うと何ができるんでしょう?

MATSUBAの特徴を一言で表すとすると、「Data Ownership Engine」です。「自社ドメイン」と「自社サーバー」を用いて、「自社主体」の広告の効果計測を実現するためのエンジンです。
MATSUBAでは次の3つを実現します。
①広告主が主体の計測(ITPの影響を受けにくい、サーバー発行の1st Party Cookie)
②プライバシー法規の遵守(個人データが第三者を介さない設計)
③正確なデータでAIに最適化(各種広告APIへの対応・レポート連携)
です。
広告主自身のサーバー(GCP/BigQuery)にアクセスログを蓄積して計測したコンバージョンを、Google広告・Yahoo!広告・Meta広告・Microsoft広告・X広告などの各種広告プラットフォームへ送信することができます。対応媒体は順次拡大していく予定です。


エッセンス① 欠損は、実は管理画面からはわからない

セミナーのタイトルは「Cookie規制で失われた広告コンバージョン」でした。素人質問で恐縮ですが、コンバージョンが消えているなら、管理画面の数字を見ればわかるのではないですか?

それが、わからないんです。欠損は「計測される前」に起きるので、管理画面にはそもそも記録が残りません。「前年比で数字が減った”気がする”のに、原因がわからない」そんな感覚的な形でしか現れないんですね。
3カ月かけて弊社がMATSUBAを通じてITP等の影響を弊社で調査した実測値では、管理画面に表示されるコンバージョン数は15%~32%が欠損していることが判明しました。これだけのコンバージョン数が減ると、広告のCPAやROASの正確な可視化が難しくなりますし、自動入札やP-MAXに代表されるAI型広告の学習データも不足して、配信パフォーマンス自体が落ちてしまいます。逆に、正しく計測ができれば広告のパフォーマンスが向上する可能性がまだまだあるわけです。

15%から32%とは想像以上に大きいですね。それだけ大きな欠損が、 「減った気がするけれど証拠がない」というのは厄介ですね。まして「AIが補完してくれているなら、まあいいか」と思ってしまいそうです。

そこが落とし穴です。AIも、記録に残らなかったデータまでは学習できません。推計はあくまで推計で、実測が欠けるほど土台は弱くなります。そして、これは広告だけに起こっていることではありません。ブラウザのCookieなどの規制の状況で参照元情報が消えてしまうので、GA4の「ユニークユーザー」数や「キーイベント」数などにも大きく影響しているんです。
エッセンス② 原因は3つ- 欠損の原因はCookieの保存期間短縮だけではない

欠損の原因というとAppleのSafariブラウザの「ITP」という言葉をよく聞きます。たしか、Cookieの保有期間が短くなってしまうんですよね?

はい、その通りです。ただ、コンバージョンの欠損の原因はCookieの保有期間だけではないんです。原因は大きく3つに整理できます。
(1) Cookie保有期間の短縮
- ITPがコンバージョン計測に使われる1st Party Cookieの保有期間を24時間に制限
(2) 計測サーバーとの通信の制限
- ITPやアドブロッカーが、計測用と判定した外部ドメインとの通信を遮断
(3) 計測スクリプトの実行制限
- アドブロッカーやブラウザのプライバシー機能が、計測用スクリプトの実行そのものを強制停止。
もちろん、「Cookie保有期間の短縮」が与える影響は大きいのですが、「計測サーバーとの通信の制限」や、「計測スクリプトの実行制限」などもけして無視できない規模になってきているんです。
日本はiOSシェアが約60%(出典:Statcounter)と世界的に見てもとても高い水準なので、ほぼすべての広告主の皆様が管理画面で毎日見ているコンバージョン数は、すでに欠損している状態です。
ここまでお聞きになった皆様の中で、「でも、iPhoneでSafariのアプリなんて使ったことがないけどな」という方もいらっしゃるかと思うのですが、実はiPhoneのアプリ内ブラウザではSafariを使用することが義務付けられています。したがって、Google検索、LINE、InstagramでURLをクリックすると、Safariのブラウザが開くことになります。そう考えると、日本はITPの影響を特に受けやすい市場あるということがおわかりいただけるのではないかと思います。
また、近年ではアドブロッカーの使用率が日本でも増えてきており、Androidでも計測目的の通信の制限とスクリプトの遮断が増えて来ています。
3つに共通する構造は、「第三者のドメイン・サーバー・スクリプトに依存した計測が、制限されていく」ということです。だから基本の対策は、冒頭でお話しした「計測を自社主体に寄せる」ことになります。
エッセンス③ 影響度は「コンバージョンまでの日数」レポートで当たりがつく

管理画面で計上されているコンバージョン数がすでに欠損している状態というのは嫌ですね。自社のアカウントが、どれくらい影響を受けているのか手がかりはありませんか?

完璧ではありませんが、手軽な第一歩としておすすめなのが、Google広告の分類機能から見られる「コンバージョンまでの日数」レポートをチェックすることです。
ITPの影響下では、広告のクリックから2日目以降に計上されているコンバージョンは計測できませんので、管理画面で計上されているコンバージョン数はほぼAndroid経由になります。仮に広告のトラフィックのほとんどがスマートフォン経由だった場合、日本のiOSのシェア率は約60%なので、管理画面に見えているコンバージョン数のほぼ倍の数が欠損していると考えて良いと思います。目安として、2日目以降のコンバージョンとほぼ同数のコンバージョンが欠損している可能性がある、これがセミナーでお伝えした見方です。

なるほど。読者のみなさんも、この号を読み終わったら、一度ご自身のアカウントで見てみてください。私も早速弊社のアカウントをチェックしてみます。
エッセンス④ 影響度は「コンバージョンまでの日数」レポートで当たりがつく

理屈はわかりました。では実際にMATSUBAを導入すると、どのくらい変わるものなんですか?セミナーでは先行導入の事例を紹介されていましたね。

冒頭でも申し上げましたが、先行導入のお客様の実測では、媒体計測と比べて3ヶ月間安定的に +15~32% のコンバージョンが回復しました。この比較はGoogle広告の媒体計測タグと比較した数値で、両者を正しく比較できるようにラストクリックモデルで比較した数字です。
ここで強調したい点として…

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