ストリームの設定「データの削除」とは?
2026年06月29日
ライター:太田 正幸

以前に弊社コラムでGA4の「データ削除リクエスト」の紹介をしておりますが、これとは別にデータストリームの設定にも「データの削除」と呼ばれる機能が存在します。

この「データの削除」はGA4への個人情報の誤送信を未然に防ぐための重要な機能であり、多くの担当者様に使っていただきたい機能になります。

本稿では、この「データの削除」の使い方、及び、「データ削除リクエスト」との違いについて説明します。

  1. 「データの削除」とは
  2. 「データの削除」の設定
    1. メールの削除
    2. URLクエリパラメータの削除
    3. データ除去のテスト
  3. データ削除リクエストとの違い
  4. おわりに

「データの削除」とは

GA4では、個人情報に相当するデータをGoogleに送信することは利用規約で禁止されています。

しかし、担当者が細心の注意を払っていても、新たなページの追加、計測設定の変更、システムの改修といったタイミングで、URLやパラメータの一部に個人情報が含まれてしまう事故が現在でも散見されています。

この問題を軽減するため、GA4には「データの削除」と呼ばれる機能が用意されています。

「データの削除」を設定すると、ブラウザ側からGA4にデータを送信する前に、イベントパラメータに含まれるメールアドレスや、指定したURLクエリの値が (redacted) という文字列で自動的に上書きされるため、間違って個人情報を送信してしまうリスクを大幅に軽減できます。

この上書きはブラウザ側で実行されるため、Measurement Protocolやデータインポートによって直接GA4に送信されるデータには適用されません。

「データの削除」の設定

「データの削除」はデータストリームの設定に存在し、現在ではウェブストリームだけで提供されている機能になります。

削除できる対象は以下の2種類です。

  • メール:あらゆるイベントパラメータからメールアドレスを削除
  • URLクエリパラメータ:特定のイベントパラメータからURLクエリパラメータを削除

メールの削除

「メール」のスイッチをオンにすると、GA4の全てのイベントパラメータからメールアドレスが自動的に (redacted) で上書き(削除)されるようになります。

例えば、この設定がオフの状態で次のデータが送信される場合、

・page_location:https://a.com/?text=Contact+test%40a.com+later.
・パラメータinquiry:Contact test@a.com later.

設定をオンにすると、GA4に送信されるデータはこのようになります。

・page_location:https://a.com/?text=Contact+(redacted)+later.
・パラメータinquiry:Contact (redacted) later.

※弊社で確認した限りでは、URLエンコードされていないURLでも同様に置換されました。

この設定では、メールアドレスに相当する部分だけが削除され、それ以外の部分は元のまま残りますが、メールアドレスとみなすことが可能な範囲は全て削除されてしまうため、注意が必要です。

また、削除の対象はメールアドレス限定であり、氏名や電話番号といった他の個人情報には対応していません。

URLクエリパラメータの削除

「URLクエリパラメータ」のスイッチをオンにすると、以下のイベントパラメータから、指定したURLクエリパラメータの値が (redacted) で上書き(削除)されるようになります。

  • page_location
  • page_referrer
  • page_path
  • link_url
  • video_url
  • form_destination

例えば、この設定がオフの状態で次のデータが送信される場合、

・page_location:https://a.com/?id=u01&tel=00-0000-0000&auth=true

設定をオンにして削除対象に「tel」を指定すると、GA4に送信されるデータはこのようになります。

・page_location:https://a.com/?id=u01&tel=(redacted)&auth=true

「URLクエリパラメータの削除」では、削除の対象はパラメータ全体であり、メールアドレスが含まれるかどうかも関係がないため、氏名や電話番号がセットされる可能性がある場合にはこちらを使用する必要があります。

この機能は前述のイベントパラメータ以外には適用されないため、例えば上記のpage_locationと同じ値を独自のパラメータにセットして送信した場合には削除は実施されませんのでご注意ください。

データ除去のテスト

前述の2つの機能を適用した結果は、同ページの下部にある「データ除去のテスト」で確認することが可能です。

入力欄に対象のパラメータの値をセットし、「除去されたデータをプレビュー」をクリックすると、削除後の値が表示されます。

2026年6月現在、この機能はURL形式の入力値に対してのみ対応しています。

データ削除リクエストとの違い

GA4には、送信済みのデータを後から削除する「データ削除リクエスト」の機能があります。

この機能は、本稿で紹介した「データの削除」と名称は似ているのですが、以下の点で異なります。

  • 「データの削除」:データをGA4に送信する前に、ユーザーのブラウザ上で削除する。
  • 「データ削除リクエスト」:GA4に送信済みのデータを、GA4のデータベースから削除する。
データの削除データ削除リクエスト
いつデータ送信前データ送信後
どこでブラウザ側GA4側
何を今後の送信を防ぐ既存のデータを削除

従って、もし個人情報をGA4に送信してしまっている事に気付いた際には、まずは「データの削除」を使用して更なる個人情報の送信を止め、その上で「データ削除リクエスト」でGA4から問題の送信済みデータを削除するといった手順が必要になります。

おわりに

本稿では、GA4のデータストリームの設定にある「データの削除」の機能を紹介しました。

「データの削除」の「メール」の設定は、比較的新しいプロパティではデフォルトでオンになっているのですが、以前から使用されているGA4プロパティではオフになっているケースも少なくありません。

この設定は、多くの場合、計測への影響は少ないにも関わらず意に反した個人情報の収集を未然に防ぐことに繋がりますので、是非、普段使用されているプロパティの設定状況を確認しておくことをお勧めします。

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この記事を書いた人
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太田 正幸
シニアカスタマーサクセスコンサルタント
AIの博士号を持つ、元研究者。マーケティング統括、データサイエンティスト等の経験も豊富。特にデジタルマーケティングに関しては、事業側、コンサルの両方の経験を持ち、GA, GTM, BigQueryだけでなく、MA, BI, DX, DMP, SEO, 広告運用まで全てを網羅。それでも本人はデジタルではないマーケティングの方が得意だと思っている。最新技術と戦略と甘い物が好き。
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