【Ayudante News 2026年9月号から抜粋】サーバーログで見るAI時代のサイト
2026年10月23日
ライター:小林 奈穂

本コラムはAYUDANTE NEWS 2026年9月号から一部抜粋してお送りしております。全文に関しては毎月月末に配信しているニュースレターのバックナンバーからご覧ください。

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皆さん、こんにちは!「Ayudante News」9月号をお届けします。
皆さんは、自社サイトに「誰が、どのように訪問しているか」を、普段どうやって確認していますか?

Google アナリティクス 4(GA4)などで、流入元やよく見られているページを確認している方は多いと思います。最近では、ChatGPTなどの生成AIから、どれくらいユーザーが訪れているかを気にする機会もあるのではないでしょうか。

一方で、検索エンジンや生成AIのクローラーなど、GA4だけでは動きを捉えにくいアクセスもあります。

2月号では、アユダンテで取り組んでいる「生成AIクローラーの生ログ分析」をご紹介しました。今回はその続きとして、AIの動きを知るうえでサーバーログが役立つ理由と、サーバーログを見る際に気をつけたいことをお伝えします。

サーバーログには何が記録される?

2月号の内容を少しおさらいすると、今回取り上げるサーバーログは、加工されていないサーバーへのアクセス記録です。記録されている項目にもよりますが、「いつ・どこから・どのURLにアクセスがあったか」「サーバーがどう応答したか」などを確認できます。

Google アナリティクスのような解析ツールが普及する前は、サーバーログを使ってアクセス状況を調べるのが一般的でした。アユダンテでも、かつて「wlog」という生ログ分析システムを使って、お客様のアクセス解析を行っていました。

解析ツールが普及した今、マーケティングの担当者が直接サーバーログを見る機会は少ないかもしれません。しかし、AIクローラーの動きを調べる際には、GA4のデータだけでは分からないことがあります。

GA4では、既知のBotによるアクセスが自動的に除外されます。一方、サーバーログには、GA4で計測されないアクセスも記録されます。そのため、AIクローラーがいつ、どのURLにアクセスし、サーバーがどのように応答したのかを調べる際には、サーバーログの分析が役立ちます。

AIの動きを、実際のアクセスから確かめる

「ChatGPTから自社サイトにユーザーが来た」という情報と、「AIクローラーが自社サイトの情報を取得しに来た」という情報は、それぞれ見る対象が異なります。

前者はユーザーの訪問、後者はAI側による情報取得です。サーバーログは、後者の動きを知る手がかりになります。

2月号では、クローラーごとにアクセス先や頻度の傾向が異なることをご紹介しました。その動きを継続して見ていくと、サイトを変更した後のクローラーのアクセス状況も確認できます。

たとえば、次のような観点です。

  • 内部リンクを整備した後、対象ページへのアクセス状況に変化はあったか
  • 新しく公開したページや、更新したページへのアクセスは発生しているか
  • 以前からアクセスされていた古いページに、その後もアクセスが続いているか
  • 存在しないURLへのリクエストが発生していないか

施策の実施後にクローラーの動きが変わったか、想定したページにアクセスしているかを確かめる材料になります。

たとえば、ayudante.jpのサーバーログでは、OpenAIのGPTBotがサイトマップインデックスファイルに定期的にアクセスしていました。一方で、個々のサイトマップファイルへのアクセスはほとんど見られませんでした。

こうした動きは、ChatGPT対策としてどの施策をどの程度優先するかを考える材料になります。ただし、サーバーログから分かる範囲には限りがあり、アクセスの状況だけで施策の効果まで判断できないことも多いです。

AIクローラーからのアクセスがあったというだけでは、AIの回答に引用されたとまでは判断できません。また、サイト変更後にアクセスが増えていても、その変更だけが原因とは限りません。

サーバーログから確認できた事実と、そこから考えられることを分けて捉え、施策の検討に活用していくことが大切です。

そのアクセス、自分たちで増やしているかもしれません

もう一つ、サーバーログを見るときに気をつけたいのが、「何をきっかけに発生したアクセスなのか」という点です。

たとえば、AIツールに自社サイトを調べてもらったとします。ツールがAIに質問を送り、回答の生成に伴ってサイトの情報を取得すると、AIクローラーからのアクセスが発生することがあります。

つまり、AIの調査や検証をすること自体が、観測しているアクセスを増やしている可能性もあるのです。

「AIクローラーからのアクセス数が増えたので、自社サイトへの関心が高まっているのでは」と思っても、実は自分たちが調査のために動かしたツールや、プロンプトの影響が含まれているかもしれません。

これは、「Observer Effect(観察者効果)」などと呼ばれている事象で、AI分析ツールが持つ問題として知られています。

出典:Your AI Visibility Tracker Is Quietly Breaking Your Analytics And Your Strategy

アクセス数の増減だけを見るのではなく、自社で行っている調査やツールの利用状況と照らし合わせることも必要になります。

Botへの対応を考えるためにも、まず状況を知る

Botによるアクセスは、サイト運用の面でも気になるところです。

アユダンテのお客様からも、Botと思われるアクセスがノイズになり、アクセス状況を把握しづらいという相談が寄せられています。

前述の通り、GA4では、既知のBotによるアクセスは自動的に除外されます。ただし、AI関連のBotやAIブラウザによる自動操作が除外されずに計測されると、人によるアクセスとの区別が難しい場合があります。セッション数や特定のページのPV数が急増しても、その数値だけでユーザーの関心が高まったとは判断できません。

こうしたアクセスが分析に含まれると、どのコンテンツが実際にユーザーに読まれているのかを把握しづらくなります。また、計測されたアクセスがオーディエンスの登録条件を満たす場合、広告に利用するリストに含まれる可能性も考えられます。

海外から一時的に大量のアクセスが発生した場合も、生成AIによるものとは限りません。コンテンツの複製を目的としたクローラーや、悪意のあるBotなども考えられますが、アクセス元の地域や件数だけでは原因を特定できません。

こうした状況を確認する際は、アクセス解析の数値への影響と、サーバー側で実際に発生しているアクセスを分けて考える必要があります。サーバーに届いたBotのアクセスが、すべてGA4に記録されるわけではないためです。

どのURLにアクセスが集中しているのか、いつから増えているのか、特定のBotと思われる動きなのか。サーバーログも確認しながら、実際に起きていることを把握する必要があります。

情報取得を目的としたアクセスでも、頻度や量によっては運用上の負担になることがあります。サーバーログは、アクセスの傾向を把握し、必要な対応を判断する手がかりになります。

アユダンテでは、継続してログ分析に取り組んでいます

アユダンテでは、SEOエンジニアの西村が構築した分析の仕組みを活用し、AIクローラーのアクセスを継続的に確認しています。

2月号では、サーバーログをBigQueryに取り込み、データポータル(旧Looker Studio)で可視化する仕組みをご紹介しました。この仕組みで、クローラーごとの動きやアクセス先を確認しました。

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