Googleサイト×GA4: 標準計測の仕様と限界の解説 - 企業のポータル構築前に知っておくべき「計測の壁」
2026年05月12日
ライター:中村 晃

GoogleサイトでのGA計測ガイド:標準仕様で「できること」「できないこと」

企業の情報共有において、手軽に構築できる「Googleサイト」は非常に強力なツールです。しかし、サイトの活用状況をGoogleアナリティクス (以下、GA)で詳細に分析しようとすると、一般的な自社サイトの計測とは異なる特有の制限に直面します。

本コラムでは、GoogleサイトにGA4を導入する際の設定ポイントと、技術的な仕様に基づく「できること」「できないこと」を詳しく解説します。

  1. 計測設定の基本:必要なのは「プロパティID」ではなく「測定ID」
  2. GoogleサイトのGA計測で「できること」
  3. 実務上の注意点:仕様上「できないこと」とその理由
  4. 専門的な落とし穴:なぜインデックス拒否したサイトで 参照元メディアにgoogle / organic が出るのか?
  5. まとめ

1. 計測設定の基本:必要なのは「プロパティID」ではなく「測定ID」

まず、GoogleサイトとGAを連携させるための設定です。 GAには、プロパティ全体を指す「プロパティID」と、各データソースを識別する「測定ID」が存在しますが、Googleサイトの設定画面に入力するのは「測定ID(G-XXXXXXXXX)」です。これは、Googleサイト側がGA4の「ウェブデータストリーム」と直接通信する内部的な仕様(gtag.jsの自動呼び出し)になっているためです 。

【測定IDの確認手順】

  1. GA管理画面 > 「データの収集と修正」 > 「データストリーム」を選択
  2. 該当する「ウェブ」ストリームをクリック
  3. 画面右上に表示される「測定ID」をコピーし、Googleサイトの「設定 > アナリティクス」に貼り付けます
図1:GA管理画面での測定ID確認箇所

図2:Googleサイト側の設定

2. GoogleサイトのGA計測で「できること」

Googleサイトに測定IDを設定すると、GAの「拡張計測機能」の一部が自動的に動作します。しかし、Googleサイトの構造上の制約により、計測できるイベントは以下の標準的なものに限定されます。

カテゴリ取得できる主な情報
トラフィック情報セッションの参照元/メディア(どこから来たか) 
ユーザー環境情報デバイス(PC/モバイル)、ブラウザ、OS 
ページ情報閲覧されたページパス、タイトル、ランディングページ 
地域情報国、都道府県 
表1:GoogleサイトのGAで取得可能な主なデータ
図3:GAレポート画面イメージ(ユーザーの環境の概要)

図4:GAレポート画面イメージ(ページとスクリーン)

※ユーザー属性情報の取得に関する注意点
サイトにアクセスしたユーザーの性別、年齢区分、市区町村などのより詳細な地域情報をレポートで有効にするには、対象のプロパティにおいて「Googleシグナル」や「地域とデバイスに関する詳細の収集」を有効にする必要があります。

3. 実務上の注意点:仕様上「できないこと」とその理由

ここが最も重要なポイントです。Googleサイトは、セキュリティと簡便性の観点から「iframe(アイフレーム)」を用いた構造や制限されたスクリプト環境を採用しています。そのため、Google タグ マネージャー(GTM)の設置ができず、GA4の高度なカスタマイズも制限されます。

以下の「拡張計測機能」は、Googleサイト側でトリガーが発火しない、あるいはIDが渡らないため、標準仕様では計測できません(2026年5月時点)。

制限されるイベント計測でいない理由と具体例
video_start / progress / complete埋め込んだYouTube動画の再生状況。動画が別ドメインのiframe内で動作するため、親サイトのGAが干渉できません。 
file_downloadGoogleサイトはファイルを直接ホストせず、リンク先がGoogleドライブのプレビュー画面等になる場合、GA4の計測ロジックが反応しません。 
view_search_resultsサイト内検索。Googleサイトの検索結果URLには、GA4が認識可能なクエリパラメータ(?q=等)が付与されません。 
form_start / submit埋め込んだGoogleフォームの操作。埋め込んだGoogleフォームは独立したiframe内で完結しており、外部からは一切見えません。  
表2:Googleサイトで計測制限される主なイベント

もし、特定のボタンクリック(例:社内規定PDFへのリンク等)を詳細に計測したい場合は、Googleサイトの標準機能だけでは不十分です。その場合は、リンクをクリックさせるのではなく、「詳細ページ」を別途作り、そのページの page_view イベントを代替計測するなどの工夫が必要になります。

4. 専門的な落とし穴:なぜインデックス拒否したサイトで 参照元メディアにgoogle / organic が出るのか?

社内ポータルなど「検索エンジンにインデックスさせない」設定にしているサイトでも、トラフィック獲得レポートに google / organic が表示されることがあります。

「外部に公開されてしまっているのでは?」と驚かれるかもしれませんが、多くの場合、以下の理由によるものです。

  • Googleサービスの参照元判定:Gmail(Web版)やGoogleドライブなどのリンクから遷移した際、ブラウザのリファラー情報に基づいて、GA4が「Googleからの流入 = organic」と自動判定してしまうケースがあります。
  • ブラウザの挙動:特定の条件下でリファラーが補完され、検索エンジン経由として処理されることがあります。

これは計測上の「仕様」によるものであり、必ずしも検索結果に露出していることを意味するわけではありませんので、ご安心ください。

図5:Googleサイトで計測された セッションの参照元 / メディア ディメンション

5. まとめ

Googleサイトは手軽にサイトを構築できる反面、GA4での計測は「全体的なトラフィックの流れ」を把握するレベルに留まります。

  • 詳細なクリック計測や、動画視聴・読了率の分析が必要な場合は、GoogleサイトではなくGTMが利用可能なカスタムサイトやCMSへの移行を検討しましょう。
  • 逆に、社内ポータルとして「どの部署がどの程度アクセスしているか」という大まかな傾向を追うだけであれば、Googleサイトの標準設定でも十分機能します。

これからGoogleサイトを立ち上げる際は、これらの「計測の壁」を事前に理解し、無理なカスタマイズに工数を割くのではなく、仕様の範囲内でいかに価値あるデータを抽出するかを計画することをおすすめします。

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この記事を書いた人
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中村 晃
シニアソリューションコンサルタント
SIer、ISP事業者のダイレクトマーケティング担当を経て、その後はデジタルマーケティング領域を渡りあるく。ソーシャルゲームや、動画配信サービスのPdMやデータアナリストのマネージメントを行いながら、Googleアナリティクスの導入、活用支援に取り組む。
Google マーケティングプラットフォームの導入、現状分析からKPI設計、マーケティング、施策の効果検証を強みとする。
ロードバイク、山登り、サウナ、コーヒーが好きなアウトドアマンです。
@jp_nakamura_jp
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