昨今、会話型AIに広告が組み込まれる動きが各社で加速しています。
各社の対応はそれぞれ大きく異なっており、広告業界にとっても無視できない動向となっています。本コラムではGoogle・OpenAI・Microsoft・Anthropicの4社を中心に、2026年現在の最新動向を整理します。
各社比較早見表

Google(AI Overviews、AIモード、Gemini)
現状のスタンスは、Geminiへの広告導入は未定ですが、AI検索面(AI OverviewsとAIモード)での広告展開は積極的に推進しています。
GoogleはGeminiへの広告導入について、当面のあいだ予定されていないとしており、代わりにAIによる概要(AI Overviews)とAIモードにおける広告表示を優先的に進めています。
AIによる概要(AI Overviews)には、2024年10月から広告を組み込み始め、2025年からはAIモードにも広告表示のテストを進めています。
=AIによる概要(AI Overviews)への広告導入のタイムライン=
2024年5月:試験運用中だったSGE(Search Generative Experience)が「AI Overviews」として米国で順次展開されることを発表。
2024年8月:「AI Overviews」を日本を含む英国、インド、インドネシア、メキシコ、ブラジルの 6 か国へと拡大することを発表
2024年10月: 米国のモバイル検索において、「AI Overviews」の中に広告を表示する機能が正式にロールアウト。
2025年5月: 米国におけるデスクトップ検索への広告展開を発表。
2025年12月:米国以外の11か国に拡大。
米国に加えて、新たにオーストラリア、カナダ、インド、インドネシア、ケニア、マレーシア、ニュージーランド、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、シンガポールの11カ国が追加されました。モバイルとデスクトップの両方で英語で配信されています。
参考:
https://blog.google/products-and-platforms/products/search/generative-ai-google-search-may-2024/
https://blog.google/intl/ja-jp/products/explore-get-answers/ai-overviews/
https://blog.google/products/ads-commerce/google-lens-ai-overviews-ads-marketers/
https://blog.google/products/ads-commerce/google-search-ai-brand-discovery/
https://support.google.com/google-ads/answer/16297775
https://ppcnewsfeed.com/ppc-news/2025-12/ads-in-ai-overviews-now-live-in-12-countries/
=AIモード(AI Mode)への広告テスト導入のタイムライン=
2025年5月:米国のAIモードにおいて、広告を表示するテスト開始を発表
2025年11月:米国のAIモードにおいて、実際にローカル広告などで広告掲載が確認されたことが複数の有識者やメディアにより報じられる。
また、2026年1月にはAIモード内で購買意欲の高いユーザーに対して、広告主が割引などを提示できる「ダイレクトオファー」のパイロットテストも開始しています。
今後の展望として、価格だけでなく価値にも基づく特別なオファー、例えばロイヤルティ特典や商品バンドルなども含め、この機能を拡張していく予定とのことです。
2026年4月のQ1決算説明会では、チーフ・ビジネス・オフィサーのPhilipp Schindler氏が「AIモードでうまく機能しているフォーマットは、Geminiアプリにも問題なく適用できると確信しています。」と述べ、これまでの「計画なし」から、導入の可能性を示唆しました。 しかし、「急ぐつもりはなく、適切な時期が来たら改めて共有する」とも述べており、時期やフォーマットは現時点で未定なのは変わりがありません。
参考:
https://blog.google/products/ads-commerce/google-search-ai-brand-discovery/
https://searchengineland.com/google-ads-inside-ai-mode-tests-expand-464979
https://abc.xyz/investor/events/event-details/2026/2026-Q1-Earnings-Call-2026-nW8kCrBAKS/default.aspx
https://x.com/adsliaison/status/2010367714297070054
https://blog.google/products/ads-commerce/agentic-commerce-ai-tools-protocol-retailers-platforms/
OpenAI(ChatGPT)
OpenAIは2026年1月16日、米国においてChatGPTの無料プランおよび低価格プラン「ChatGPT Go」向けに広告テストを実施すると予告し、同年2月9日よりテストを開始しました。なお、有料のPlus・Pro・Business・Enterprise・Eduの各プランには広告は表示されない方針です。
3月末に米国外へのテストエリアの拡大が発表され、4月以降はカナダ・オーストラリア・ニュージーランドでも試験導入が始まっています。試験導入の拡大は、消費者の信頼指標への影響は見られず、広告の非表示率も低いという前向きな初期結果を受けての判断としています。
5月7日には、今後数週間以内に、ChatGPTにおける広告パイロットプログラムを英国、メキシコ、ブラジル、日本、韓国に拡大する予定であると発表しました。
広告の仕組みについては、ユーザーの現在のチャットで議論されている内容を基に、広告主から提供された関連性の高い広告をマッチングさせる設計で、ChatGPTの回答とは視覚的に区別するために「Sponsored」と明示されます。なお、ユーザーの会話内容が広告主に共有されることはないとされています。
参考:
https://openai.com/ja-JP/index/our-approach-to-advertising-and-expanding-access/
https://help.openai.com/en/articles/6825453-chatgpt-release-notes
https://openai.com/ja-JP/index/testing-ads-in-chatgpt/
https://help.openai.com/en/articles/20001047-ads-in-chatgpt
Microsoft(Copilot)
Microsoftは、Copilot内の広告への取り組みを積極的に進めています。2023年2月には、Bing Chat(現Copilot)内で広告フォーマットのテストを開始しました。
Copilot 広告に対応する主なプロダクトには、テキスト広告(DSA、RSAなど)、Performance Max(Pmax)、ショッピング広告、マルチメディア広告などがあります。
MicrosoftのNavah (Fuchs) Hopkins氏によると、PmaxはCopilotに表示されるオークションに参加する可能性が高いとのことですので、Copilot面に出したい場合は、Pmaxを活用することがよさそうです。
また、以下のCopilot 広告における新たなフォーマットについても、一部ユーザーでテスト中です。
■ダイナミックフィルター
2025年3月から英語圏市場で試験運用を開始。ユーザーの検索意図に応じて自動生成されるフィルターにより、検索結果を絞り込むことができるため、関連性の高い商品を提示することができます。
■ショールーム広告
2025年4月から一部のクライアントにて試験運用開始。ブランド名がトリガーとなってCopilot内に広告が表示され、クリックするとチャット画面の横にランディングページが開く仕組みになっています。
参考:
https://siliconangle.com/2023/03/30/microsoft-confirms-testing-ads-bing-chat/
https://www.silicon.co.uk/e-innovation/artificial-intelligence/bing-ai-search-chat-ads-498060
https://www.linkedin.com/posts/navahhopkins_ads-have-been-serving-in-microsoft-advertisings-share-7350895734268866560-XJVZ/
https://about.ads.microsoft.com/en/blog/post/september-2023/transforming-search-and-advertising-with-generative-ai
https://about.ads.microsoft.com/en/blog/post/march-2025/transforming-the-future-of-audience-engagement
Anthropic(Claude)
AnthropicはClaudeに広告を表示しない方針を明言しています。
2026年2月にAnthropicがスーパーボウル(Super Bowl)に合わせて放映したCM内で、「Ads are coming to AI. But not to Claude.」(AIに広告がやって来る。しかし、Claudeには来ない)という、広告を導入したAIを皮肉る強いメッセージを発信し、他社とは異なるスタンスを明確にしました。
Anthropicは広告を導入しない理由として、「私たちがClaudeに期待する姿、つまり仕事や深い思考のための真に役立つアシスタントという役割とは相容れないでしょう。私たちは、Claudeがユーザーの利益を最優先に考えて行動することを望んでいます。」と説明しています。ユーザーが考え続けるための信頼できるツールとして、Claudeは存在するべきだという強い姿勢を示しています。
参考:
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2602/05/news062.html
https://www.anthropic.com/news/claude-is-a-space-to-think
まとめ
Google・OpenAI・Microsoft・Anthropicの4社について、会話型AI内に広告を組み込む動きをまとめました。会話型AIへの広告導入は「するかしないか」の段階から「どう設計するか」の段階に移ってきているように思います。各社の動向は今後も目まぐるしく変化することが予想され、引き続き注視が必要です。
※本コラムは2026年5月時点の公開情報をもとに執筆しています。会話型AIをめぐる各社の動向は変化が速く、掲載後に状況が変わる可能性があります。各社の最新方針については公式サイトをご参照ください。







