6月28日(月)より日経クロストレンドに掲載されている編集タイアップで、Google アナリティクス4プロパティの主な特徴と、今導入を考えるべき理由について述べています。
本記事ではその内容詳細について、より詳しく解説します。
- 消費者行動の変化によって、大きく変わったマーケティングの前提。
- Google アナリティクス4プロパティを理解するための4つの特徴。
- 今、導入を考えるべき理由。
1.消費者行動の変化によって、大きく変わったマーケティングの前提。
Google アナリティクスが誕生してから15年余が経過しています。15年前といえば、スマホはまだ普及しておらず当然モバイルアプリもありません。現在のように動画視聴も盛んではありませんでした。生活者のネット利用の中心は、PCブラウザからのウェブ閲覧という状況であったと思います。所謂“デジタルマーケティング”の対象領域はウェブ中心であり、ウェブの改善はデジタルマーケティング全体の効率改善に大きく貢献していました。
従来のGoogle アナリティクスは、そのような状況を前提に開発が開始された所謂ウェブの「アクセス解析ツール」として誕生したと考えられます。
しかし、今や生活者のネット利用は大きく変わりました。スマホ中心、モバイルアプリの普及、動画コンテンツ視聴時間増と、ウェブ以外のデバイス、プラットフォーム、コンテンツに多くの時間が割かれています。マーケティング視点で言えば、これによって消費者の購買行動もより複雑化し、デジタルマーケティング領域で必用不可欠なユーザーの「(オウンドメディアの)行動データ+購買データ」における「(オウンドメディアの)行動データ」に対するニーズも高まっています。
その中で、従来のGoogle アナリティクスは、度重なる機能拡張やアップデートによって対応してきましたが、上記のようなマーケティングサイドのデータニーズには応えられておらず、いよいよ限界を迎えたのではないかと考えられます。
2.Google アナリティクス4プロパティを理解するための4つの特徴。
そのような状況の中で、これまでの計測基盤とは異なる全く新しいツールとして一から開発されたのが「Google アナリティクス4プロパティ」であると考えられます。私は、これは現在から未来に向けたマーケティングのデータニーズに対応するための、Googleの1つの回答であると考えています。
細かな機能面の紹介は別記事に譲るとして、ここではGoogle アナリティクス4プロパティを理解するための4つの特徴について紹介しています。
特徴1:モバイルアプリとウェブとの統合集計
スマホ中心となったユーザーのネット行動は、意識せずとも自然とウェブとモバイルアプリにまたがっているのは疑いの余地はないと思います。Google アナリティクス4では、キーとなる「ユーザーID(いくつかの選択肢がある)」によって、このクロスプラットフォームの統合集計を可能にしています。
特徴2:盛り込まれた動画コンテンツの計測項目
Google アナリティクス4では、YouTube動画に関する計測項目が追加されています。ウェブサイトに埋め込まれたYouTubeの操作アクション計測であったり、YouTube広告からの流入計測(ビュースルー)です。YouTube中心とはいえ、動画視聴に対する計測が強化されたのは、非常に大きな進歩であると思います。
特徴3:機械学習機能への対応強化
従来のGoogle アナリティクスでも機械学習が使われた機能はかなり多く搭載されていましたが、機械学習が機能する上で最も重要なコンバージョンデータが十分に供給される仕組みにはなっていませんでした。Google アナリティクス4では、より多様なコンバージョン計測に対応しており、機械学習を利用した様々な予測分析機能が、よりその力を発揮できるように計測の仕組みが強化されています。
特徴4:クラウド(BiqQuery)へのローデータエクスポート
そして、最後はクラウドへのデータエクスポートです。従来のGoogle アナリティクスでは有料版(GA360)でのみ提供されていた機能ですが、Google アナリティクス4においては無料版でも標準装備されるようになりました。これによって、デジタルマーケティング領域で最も重要な「行動データ+購買データ」による分析がしやすくなり、マーケターの分析ニーズに対して寄り添う大きな進歩となるでしょう。
3.今、導入を考えるべき理由。
現在のGoogle アナリティクスからGoogle アナリティクス4プロパティへの移行については、また「とまどいの中」にある企業や担当者の方も多いと思います。従来のGoogle アナリティクスはまだまだ十分機能しており、当然、新しいGA4への移行には多大な工数がかかるからです。しかし、GA4への移行が「マスト」な状況の中では「今」が導入を考える最もよいタイミングであると考えています。
その理由としては、
理由1:デュアルタギングが可能
GA4は、全く新しい計測タグによって計測されるため、新しいタグの実装が必用になりますが、これは従来のGAとは干渉しませんので同時並行利用が可能です。現在のサイトデータ計測運用に支障をきたすこと無く新しいGA4の利用環境を構築することができます。
理由2:移行には習熟期間が必用
GA4は、従来のGAとは全くことなる新しいツールとして向き合う必用があります。ディメンションやメトリクス(指標)も様変わりしており、計測の概念から新しく学ぶ必用があります。従来の知見や経験はほぼ役に立たないと考えていいでしょう。それであれば、上記のディアルタギングのよって早期に利用環境を整え、移行に向けた準備を進めていくのが得策かと考えられます。
理由3:データの蓄積が必用
新しい仕組みであるGA4へ最終的に移行をするには、ある程度のデータの蓄積も必用になります。過去データとの比較などを行うためにも、理想的には1年程度の蓄積はあった方がよいと考えらえます、いずれにしても、早期にデュアルタギングによってGA4へのデータ蓄積を行っていく必要があります。
以上、Google アナリティクス4プロパティの大きな特徴と、今導入を検討すべき理由を解説しました。
弊社では、すでに多くの企業様のGoogle アナリティクス4プロパティの実装、活用実績があり、移行の支援とデータ活用を進めています。