【実例】ディスプレイ広告のプレースメントの設定、アプリは除外する? しない? ~Google AdWordsで、アプリ除外をしなかったアカウントの成果はいかに!?

2018年05月29日
ライター:河野 芽久美

前回のコラムでは、検索連動型広告のアカウントを機会学習しやすい構造に改修したことについて書かせていただきましたが、機械学習の進歩については、ディスプレイ広告も同様、目覚しいスピードで進化していることは言うまでもありません。

弊社・SEMコンサルタントの渡辺が先日書いたコラム「コツをつかめば意外と簡単!? スマートディスプレイキャンペーンのアセット作成方法」の中にもあるように、ディスプレイ広告においても全自動で配信されるプロダクトも出てきており、GoogleのAIへのシフトは加速度を増して突き進んでいることを感じます。

そんな中、ディスプレイ広告を実施する際、機械任せにできないと考える設定の一つに、
プレースメント除外:サイトカテゴリオプションの設定
が上げられるのではないでしょうか。

特に、アプリ面に対して広告を表示させるか否かについては、常に運用者の悩みどころであると感じています。

そこで今回は、以前に実施していたアプリ除外を実施しなかったアカウントの成果について分析を行いました。結果は↓↓↓の方にありますので、今後の検討材料の一つにしていただければ幸いです。

  1. ディスプレイ広告のプレースメント設定について
  2. プレースメントの除外設定とは?
  3. アプリ除外を行わなかったアカウントの前提
  4. アプリ除外をせずに運用した結果
  5. この結果をどう考えるべき?

ディスプレイ広告のプレースメント設定について

検索連動型の広告は、主要検索エンジンのサーチページが掲載箇所となりますが、ディスプレイ広告は、ハッキリ言って、どこに掲載されるかわかりません。どんなに達者な広告運用者であっても、全てのディスプレイ広告の掲載箇所を把握することは不可能ではないでしょうか? それ故、ディスプレイ広告については、掲載したいサイトのカテゴリ(コンテンツ)やサイトURL(一部)を指定することが可能です。そして、掲載したくないサイトのカテゴリ(コンテンツ)やサイトURLを除外することも可能です。

では、なぜそのような設定をするのか。
それは、現存するインターネット・コンテンツの中には、多くの人を不快にしたり、理解しがたい内容だったりするものも少なくはなく、そのようなページに広告を出すことでブランド価値に影響があると考えられるから、といえます。

同時に、効果・効率を高めるために、ターゲット・ユーザー層に関連があるページにだけ出稿することができるので、狭いターゲットに有効なアプローチをすることも可能になります。

もちろん、費用ばかりがかさんでしまうページを停止したり、そのようなページ群を分析し、アプローチしきれないユーザーのペルソナを逆算して新たなプレースメントを設定したりすることもできるので、プレースメントの設定は非常に重要だと考えています。

プレースメントの除外設定とは?

旧管理画面では、カテゴリ(コンテンツ)の除外は、ディスプレイタブからプレースメントタブに行き、設定を行っていましたが、新しい管理画面では、アカウント・キャンペーンの単位で、設定タブから行えます。

アカウント設定から行うコンテンツ除外設定画面
※アカウント設定から行うコンテンツ除外設定画面
キャンペーンの設定から行うコンテンツ除外設定画面
※キャンペーンの設定から行うコンテンツ除外設定画面

新しい管理画面のスクリーンショットを掲載しておりますが、「デジタルコンテンツのラベル」「デリケートなコンテンツ」「コンテンツのタイプ」と3種類が用意されていて、以前よりも簡素になっています。

旧管理画面でのサイトカテゴリオプション画面
※旧管理画面でのサイトカテゴリオプション画面

現在の設定項目より数多く、細かく分けられていますが、現在のものと比べると、Googleのサイトの分類テクノロジーの進化を物語っているように見受けられます。

ここで行うサイトカテゴリーの除外は、広告効果のみならず、宣伝したい会社・サービスのブランディングにも大きな影響を与えることにもなりうるので、しっかり考えて設定する必要があると考えます。

プレースメントの除外は、アカウント・キャンペーン・グループのレベルで設定することができ、共有ライブラリーにプレースメントの除外リストを作成し、設定することも可能です。

先ほどのカテゴリ(コンテンツ)除外と同様、サイトを細かく見極めてブランディング・効率の両方を考え、レベルを含めて検討する必要があるといえるでしょう。

アプリ除外を行わなかったアカウントの前提

次項に出てくる実績値は、以下の内容が前提のアカウントです。

アプリ除外を行わなかったアカウントの前提

このアカウントでのディスプレイ広告は、ほぼ、リマーケティングのみで実施。短期間のスポットでセグメントを絞り込んだ出稿を数回行ってはいますが、インプレッション等を含めボリュームも多くなかったので、全てを含んだ数字から分析を行っております。

では、何故アプリ除外設定を行わなかったのか。
それは、リマーケティングで広告を出稿するにあたり、数あるアプリからのアプローチも有効ではないか? と考えたからです。
スマートフォンが出始めた頃は、アプリといえばゲームが主流だったかと思いますが、スマホアプリ産業は急速に伸び、多岐に渡るカテゴリが存在するようになり、人がアプリと接触する時間も、日々、増えていると実感しています。 アプリの除外をあえてしないという選択をしたのは2015年。多くのアカウントでは、アプリ除外設定を行っていましたが、前述の内容と商材とターゲット層を鑑みて、アプリ除外を設定せずに、実施いたしました。

アプリ除外をせずに運用した結果

クリック1件以上あったプレースメントを対象に、2015年から2017年の対比形式で、「WEB」「アプリ」「YouTube」と3つの面において、推移を出しております。

まず、プレースメントのURLの数から見ていきます。

プレースメント別URL数の比率

2015年には、アプリ面・YouTube面には掲載されておらずWEBサイトが主として掲載されていましたが、2016年には全体の約24%、2017年には全体の約34%の割合でアプリでも広告が掲載されるようになっています。

実数は出せないので成長率を出してみたところ、2015年のURL数を基準にした場合、アプリ面で、2016年は564%、2017年は1,347%と、大きく成長していることがわかります。

では、コンバージョンは発生したのか、しなかったのか。

プレースメント別コンバージョン数の比率

コンバージョンは発生しています。

2015年には、アプリ面・YouTube面では、コンバージョンはほとんど発生していませんが、2016年には全体の約10%、2017年には全体の約16%の割合でアプリでもコンバージョンが発生していることが確認できます。

こちらも実数は出せませんが、アプリ面における成長率をみると、2015年のコンバージョン数を基準にした場合、2016年は8,992%、2017年は約31,658%と、大きく大きく成長していることがわかりました。

ついでに、CTRとCVRも見てみると、

プレースメント別CTR・CVR成長率

こちらも、実数は出せないので成長率でみていたきますが、確実に伸びており、CTR・CVRともに、実数も決して悪くない値が出ています。

言うまでもありませんが、WEB・アプリ・YouTubeともに同一のクリエイティブを使用しておりますので、特にCVRについては、そのプレースメントのパフォーマンスとしてみてもよいのかもしれません。

この結果をどう考えるべき?

では、この結果を受けて、アプリ除外設定について考察していきます。

結論としては、このアカウントの業種やターゲティングにおいて、アプリを除外設定しなくとも、ある程度のパフォーマンスが出ており、もしかするとそれは、WEB媒体だけに出稿していてもリーチできなかった人かもしれないので、良かった、と考えております。

今でもアプリ除外設定をデフォルトと考えている運用者もいると思いますが、決してパフォーマンスが悪いプレースメントではないことが、今回の結果からご理解いただけると思います。

ただし、全ての業種・業態の広告が全てのアプリでパフォーマンスが出るということではありません。

もし、私がBtoBのお客様の担当者であれば、アプリというプレースメントの優先順位は低く、まずは除外設定から始めると思います。また、ECの担当者であれば、予算や商材によって選択肢は異なりますが、やはり、アプリ除外は視野に入れてプランニングをするでしょう。

広告は、見せたい人・見せたいタイミング、それに応じた見せたい内容を、深く検討し出稿プランを作成するもの。

プレースメントとして、アプリとWEBは近しい存在になってきており、アプリだからといって忌み嫌う必要がないことは、今回の結果が示しています。
誰に、何を伝える」、それを支点に、各アカウントのプレースメントの設定について、今一度、ご検討されてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
河野 芽久美
河野 芽久美
シニアSEMコンサルタント

自動車雑誌のライター、課金コンテンツ制作を経て広告運用の道へ。お客様の広告運用やレポ―ティングだけでなく、チーム内部のファイナンスを含む業務効率化、職務環境改善にも取り組む。趣味は美味しいモノを食べること。