Google検索にツイートを提供。TwitterとGoogleの新たな提携はどのようなものなのか?
2015年02月10日
ライター:Danny Sullivan

※この記事はMarketing Landの許諾を得て、以下の記事を翻訳したものです。
“FAQ: How Twitter’s New Deal To Bring Tweets To Google Search Works”

TwitterとGoogleは再度提携を結び、TwitterのAPI「firehose」を通じて、Google検索がツイートフィードへのアクセスできるようになったと公表した。
ツイートはGoogle検索結果にどのように表示されるようになるのか?先の提携と何が変わったのか?想定される質問に対し、FAQ方式でわかる範囲でまとめていく。

どういう提携なのか。

Twitterは米日時2月5日、同社の収支報告において、今後Googleにツイートへのアクセスを提供すると発表したが、詳細については発表しなかった。しかし、Googleが既に一部のツイートへのアクセスできていることを考えれば、今後は全てのツイートフィードへのアクセスが可能になるということではないだろうか。Googleはこの件についての問い合わせにはノーコメントだった。

Googleはツイートをクロールできていないのか?

GoogleはTwitterをクロールできるし、既にしている。しかし普通の検索エンジンクロールのやり方で、新しいツイートを探し続けた場合、膨大なリクエストでTwitterに大きな負担がかかることになる。

したがって、これまでGoogleで発見できるのは、全てのツイートではなく、特別に人気のあるツイートなど一部のものに限られていた。またそれはタイムリーなものでもなかった。

TwitterがGoogleに対し、ツイートフィードへのダイレクトアクセスを提供することで、Googleは包括的にツイートを収集し、リアルタイムにインデックスすることが可能になる。

本日発表された統計によると1分間に6,000通以上あるツイートフィードを、TwitterがGoogleに提供するというのは、この「firehose」のことをさしているだろう。(これは、bingのような他パートナーと同等の内容だ)

GoogleはなぜTwitterのツイートが必要なのか。

Google検索の目標は、想定される検索に対して全ての情報を持つことだ。
ツイートは情報量が豊富でタイムリー。ツイートはそれ自体が、ユーザーに、より適切なGoogle検索の結果を表示させる助けになる。
Twitterと関連付けられているデータをGoogleが見つけやすくなり、Twitter外にある重要なコンテンツでも出しやすくする。

Googleはツイートを取得するのに費用を払っているか?

それはわからない。先の提携では支払われていた。今回は、Twitter側がGoogle上でより多くのツイートを見てもらいたい、という目論見もあるので、あまり払わずに済む可能性もあるだろう。

Twitterは何のためにGoogleに表示されたいのか。

他のパブリッシャー同様、Googleが無料で大量のトラフィックをもたらしてくれることをTwitterは理解している。そうしてTwitterを訪問したユーザーは、次に広告を出すことができる対象にもなるのだ。

Twitterは昨年、Googleがより多くのコンテンツを収集できるよう変更を行った。その結果、ログインしていないユーザーの訪問数が10倍に増加している

Googleとパートナーになれば、より多くのTwitterに関連するコンテンツを、Googleユーザーに出すことができる。つまり新規ユーザーになる、あるいは新たな広告配信対象にコンバートできる大量のトラフィックを獲得できるようになるのだ。

Twitter CEOのDick Costolo氏はその収支報告において、以下のように述べている。それは「目玉」についてだ。

ログインしていないユーザー体験として、Twitterのフロントページに出す予定のトピックやイベントに、興味をひき、「目玉」を集める(見られる、認知される)機会を我々は得た。そして今、それが私達にとっての理由の一つとなっている。

TwitterはGoogle上で特別扱いされるのか。

他のタイプのコンテンツに比べ、上位表示されるか?という点では、違うと言えるだろう。
この提携についてGoogle自体は何も答えていないが、何らかの発表もなしに上位表示を約束するとは考えにくい。またそれは意味がない。
今まで通り、ツイートが適切と判断された場合に、通常の検索結果に表示されるだろう。

Google上でTwitter専用の検索はないのか。

その可能性は非常に低い。2009年12月に、Googleが主にTwitterのコンテンツを元に Googleリアルタイム検索というサービスを開発した。しかし、以前の提携が終了した2011年7月、リアルタイム検索も間もなく終了した

Googleによるものでないデータを元に新たな検索ツールを開発したくないという意味で、以前Google検索部門の幹部とその件について話した際に、「もう二度とやらない」という態度が出ていた、と言えば充分ではないだろうか?

新しい提携がGoogleにある程度の安心を与えるだろうが、おそらくTwitter専用の検索は設置されず、また、通常の検索結果で何かしらのスポットライトもないのではないか。
ただし、Googleは既にソーシャルコンテンツをハイライトしていて、Twitterも同様の扱いになるだろうことは、容易に想像できる。

以前の提携が終了以降、Googleが全くツイート情報を持たなかったのか。

いいえ。正式な提携が終了してすぐ、TwitterがGoogleにツイートデータの収集をさせないような設定をしていたことはある。しかし、それはちょっとした間違いだったようで、すぐに修正された。
その代り、全てのツイートをタイムリーに取得することはできなくなったが、一部のツイートへは常にアクセスできていた。

先の提携が2011年に終了した理由については、双方とも公式の説明は行わなかった。
匿名の情報源に基づくWSJの仮定では、Twitterが十分の流入、収益、または新規ユーザーの獲得ができていないと感じていたことと、Googleが競合サービスであるGoogle+を改善するのにTwitterのデータを使用する可能性があったことが挙げられた。
つまり、TwitterとGoogleが提携を継続することに価値を感じなかったと言えばそれで充分だろう。しかし、時代が変わったのだ。

Google+は?

Google+にはおそらく影響がない。Google+をあきらめるような兆候は見られないが、それは昨年のリーダーシップ変更以来Google+がメンテナンスモードに見えるからでもある。

Google+のサービスを維持するようだが、以前のようなアグレッシブなプロモーションや、Googleサービスとの統合を行なわれていないようだ。

この提携で何かが起こるのはいつ?

TwitterのCEOのDick Costolo氏は、何かが「数か月」のうちに起こるわけではないと述べている。
後日Twitterから聞いたところによると、これは、Googleにデータを提供するが技術的なベースの設定についての話だということだ。

より多くの新しいツイートが、Googleにやってくる。しかし、それを目にするまでには数カ月はかかるだろう。