Googleが“Not Provided”を見直す。~オーガニック検索クリックからのキーワードを与えないことについて

2014年03月17日
ライター:Danny Sullivan

※この記事はMarketing Landの許諾を得て、以下の記事を翻訳したものです。
Google Reviewing “Not Provided,” Withholding Keywords From Organic But Not Paid Search Clicks

Googleが2011年の10月にセキュアな検索に移ったのは、サイト運営者にとって痛手だった。彼らのサイトにリーチするために使われた検索キーワードに関するデータを失い始めたからである。Googleが偽善者であるという主張も現れた。広告出稿をしていればキーワードを受け取り続けられたからである。そして今、Googleは問題を再検討し、より良い解決策を探そうとしている。

オーガニック検索結果のクリックに、また検索キーワードのデータをまた渡してくれるようになるのだろうか? それとも広告のクリックがデータを与えられなくなるのだろうか? Google はどちらとも言っておらず、他の可能性も考えられる。

解決策を探すGoogle

昨日のSMX WestのカンファレンスでのGoogle の検索部門チーフAmit Singhalとの基調講演からこのニュースは出てきた。私は検索業界関係者や多くのサイト運営者が聞いてすぐわかる短いフレーズ、“not provided”に話を向けた。

私は大した答えを期待していなかった。事実、私はこれについて多くの文章を書いたが、不公平や偽善(と思われる事態)に関わる事についてGoogle からの返事はあまりなかったからだ。あまりにも書きすぎて、壊れたレコードになったような気がしたぐらいである。驚いたことに、 Singhal は次のように述べた

ここしばらく、私達はGoogleの検索サイド、また広告サイドの両面から、この問題を見てきた。また、ユーザーから、検索がセキュアであって欲しいという声も聞いた……ユーザーにとって、それはとても大事なことで、検索のオーガニックの面でこれまで起こっていることは好ましいと言える。 今発表することは何もないが、私達がこの数週間か数ヶ月の間で正しい解決策を見つけ、何か発表することに期待して欲しい。

以下はその基調講演のフル動画である。SridharとはSridhar Ramaswamyのことで、Googleの広告部門の責任者である。

広告クリックがキーワードを失うのか? オーガニッククリックがキーワードを取り戻すのか?

Googleは解決策を求めているか? それはどんな意味をもつのか? 会話の後、何人か広告クリックがキーワードを与えられなくなるのではとツィートしているのを見かけた

逆にオーガニックなクリックが検索キーワードを取り戻すとも

可能性について考えてみる

どちらの方向に向かうのか? Google は何も言わないが、どちらでもない別の方向に進むのかもしれない。可能性を探って、根拠のある推測をしよう。次の5つの可能性が考えられる。

  • Googleはこれまで通り進み、変更は行われない。
  • セキュアなサーバーが動くサイトのみクリックで行ける
  • Googleは全てのオーガニックなクリックデータをGoogle Webmaster Tools経由で利用可能にする
  • オーガニッククリックがキーワードを取り戻す
  • 宣伝クリックがキーワードを失う

最初の選択が一番簡単だ。Googleは全てを見直して、最終的に現状のままでハッピーであると決定するかもしれない。可能性は低いと思うが、ないわけではない。

セキュアサーバのためのクリック?

もう一つの解決策はGoogleが、セキュアなサイトを運営しているサイトに対してサーチキーワードデータを元通り提供することである。Googleの変更前、誰かが、 Googleの検索結果をクリックすると、検索に使ったキーワードの情報は、そのままサイトに渡された。サイト運営者は彼らがどこに表示されているか正確に理解することできた。

Googleの方針変更の後、無料の、オーガニックな検索結果に対し、キーワードは与えられなくなった。その主な理由はGoogle が、キーワードをそのままの状態で流すと、誰かに検索文字列を傍受され、ユーザーのプロファイルが明らかになってしまうことを懸念したからのようである。

Google はいまでも、広告クリックに関してはそのままキーワードを送っているが、納得できる説明は与えられていない。またGoogleはサイト運営者が90日分の検索キーワードを、Google Webmaster Tools エリアを通じて取得できるようにもしている。

これらの事実は Googleが個別の検索が露呈するプライバシーに関する問題だと考えてはいないことを示しているように思える。広告クリックのセキュア化は喫緊の問題ではなかった。広告クリックをクリックする人はそう多くないからである。そのデータだけでプロファイルを得るのは難しい(時間をかければいいのかもしれないが)。「 The Questions Google Refuses To Answer About Search Privacy 」は去年私が書いた記事であり、この件について掘り下げている。

しかし、もし目的が本当に盗聴を防ぐことなら、検索キーワードデータをセキュアなサーバーが動くサイトのみに提供するのは素晴らしい解決策だ。サイト運営者がデータの流れを取り戻すことができ、一方でサードパーティーが簡単に特定の人の検索を傍受することはできない。副作用として、ウェブ全体がよりセキュアになるとも思われる。

去年私はこのことを詳しく書いている:「How Google could have made the Web secure and failed ? again. 」 もしかするとこのレビューで書いているように、これがGoogleがこれから行う解決策なのかもしれない。

全てのオーガニックキーワードをWebmaster Toolsで使用可能にする?

先に言った通り、Googleはサイト運営者が、Google Webmaster Toolsのシステムを使って、人々がどのように彼らのサイトにたどり着いたか見られるようにしている。問題は、そのシステムは、制限された分量のデータしか見せてくれないことだ。2000のトップキーワードのみである(十分多いとは思うが)し、90日前までである(歴史的なトレンドのデータが失われるので、これは問題である)。

去年9月、GoogleはGoogle Webmaster Toolsにある検索データを90日から一年に延ばすと発表した。以来、私達はこれ待っている。これももう一つの解決策になりうるか? Googleが約束を守ってくれて、その上、いい意味で期待を裏切って、あらゆるサイトの全ての検索キーワードデータ を制限無しで利用可能にしてくれるだろうか?

オーガニックキーワードが渡されるか?

Googleが、有料ではないリンククリックの検索キーワードがそのままにサイトに渡されるという、古いシステムに戻ることもできる。しかしそれは、個人的には可能性は低いと思う。

Singhalが言った事を振り返ると、Googleユーザーは検索がセキュアであることを重要であると考えている。そしてオーガニッククリックが与えられなくなったことの結果を好んでいる。このことからも、古いシステムに戻ることは考えにくい。

昨日のGoogleのウェブスパムチーム責任者の Matt Cuttsによるツィートもこれを裏付けているように見える。

有料検索にもキーワードが与えられなくなる

これが最後の可能性だが、無料と同じく、有料リンクのクリックもキーワードが与えられなくなる。

この動きは偽善者だとの非難への解決策になる。Googleが検索をセキュアにする事に問題はない、収支がちゃんと合えばと。これは初めから問題になっていた。以下の記事もご覧頂きたい

Singhalが言った内容によれば、広告サイドで話し合いが起こっているように見受けられる。広告クリックに影響がある変更を加えようとしているのだから広告サイドと話し合いをしない理由はない。先ほどの基調講演だけが、広告サイドとの話し合いについて触れいているわけではない。今回の講演全体に渡って聞くことができる。

この変化が本当に起こるのかはまだわからない。もし変わるのだとしたら、広告主が、AdWords のシステムを通じて、今までどおり検索キーワードを継続して得ることができるように気を配ることが非常に重要である。彼らのサイトに直接キーワードを受け取れないことが問題の種になる可能性はあるが、彼らは「盲目」になることはない。

Googleは「数週間か数ヶ月」で何かが起きると言った。待ってみようと思う。