Google アナリティクス4プロパティ有料版 最新情報レポート(2021年10月7日)
2021年10月11日
ライター:山浦 直宏

2022年に期待される日本でのローンチ。 その全体像が徐々に明らかに。

現在のGoogle アナリティクス(ユニバーサルアナリティクス)からGoogle アナリティクス4プロパティへの移行が進む中、2022年日本でのローンチも期待される「新アナリティクス360(Google アナリティクス4有料版)」の新情報がGoogleの英語版ブログ記事で紹介されました。 「新アナリティクス360」の全体像が徐々に明らかになっています。その中で、注目される新機能を独自の予測視点で紹介します。
Google アナリティクス英語版ブログ Introducing the new Analytics 360

■サブプロパティ登場? 分析の目的によってデータへのアクセスと設定がカスタマイズ可能に。

Google アナリティクス4プロパティ(無料版、以下GA4)では、プロパティが基本集計単位となっており、従来のGoogle アナリティクス(ユニバーサルアナリティクス、以下UA)にある「ビュー」という集計単位は存在していません。従来のUAに慣れているユーザーにとっては、プロパティを主体とする集計・分析に慣れていく必要がありますが「新アナリティクス360」で登場する「サブプロパティ」は、まだ詳細は明らかではないものの、記事によれば「集計や分析の目的によってデータへのアクセスや設定をカスタマイズ可能」と読み取れ、ビューに近い機能が有料版には搭載されるのでは?という期待が高まります。Google アナリティクスは基本「ウェブ行動データの計測装置」であり、従来のUAでは150以上もの標準レポート(1次集計レポート)が自動的に表示され、且つ目的に応じてデータ集計定義やアクセスをカスタマイズできる「ビュー」の機能がありました。GA4では、このビューの機能が提供されないわけですが、有料版ユーザーにとっては嬉しい機能追加になると考えられます。正式な詳細情報を期待したいと思います。

■ロールアッププロパティ  複数プロパティの統合集計機能は継承される見込み

現在すでにGoogle アナリティクス360をご利用の方はご存じかと思いますが、ロールアッププロパティも「新アナリティクス360」で引き続き提供されるようです。(※現行のGoogle アナリティクス360ロールアッププロパティについてはコチラ) この機能は、複数のプロパティデータを統合した別のプロパティを作成できる機能です。異なる計測タグで計測・蓄積された異なるサイトのデータをまとめて見たいときに非常に役に立つ機能です。こちらも引き続き詳細情報を待ちたいと思います。

■カスタムユーザーロール  特定のユーザーグループの機能アクセスを制御が可能に

記事によれば、ユーザーロールとは独自のユーザーグループを作成しそのグループが利用できる機能をコントロールできるとあります。さらに記事中で「user assigned reporting collections」と記載された「特定のレポートグループを割り当てる」機能によって「特定の分析目的に応じたユーザーグループとレポートグループの作成と割り当て」が可能になる見込みです。今回「新アナリティクス360」で提供されるこのカスタムユーザーロールとuser assigned reporting collections(長いのでそのまま英文表記とします)は、例えば特定の広告代理店のメンバーのみのユーザーグループを作成して、キャンペーン流入とコンバージョンのみのレポートを割り当てる(自然流入や売り上げデータなどのレポートへのアクセスは制御する)ということも可能になります。これは従来のUAでは「ビュー」によって集計データを制御し「ビュー」へのアクセス権限によってデータ利用者を制御していたことと同様のことがより柔軟に行えるようになる、と予想できます。

■ その他 拡張・強化される計測・分析スペック

さらに、「新アナリティクス360」では様々なスペックが強化される予定です。こちらは既にヘルプサイトでも公開されているので参照ください。
  • カスタムディメンション 最大125個
  • オーディエンス(ユーザーリスト) 最大400個
  • コンバージョンタイプ  最大50個
  • BigQueryエクスポート 数十億件のイベント/1日 ※無料版GA4では100万件/1日
  • レポーティングAPI
  • 設定変更履歴(ユーザーごとのアクセス履歴記録も可能になる予定)
以上、今まであまり見えてこなかった「新アナリティクス360」の全体像が徐々に明らかになってきたという印象です。特に、無料版GA4と「新アナリティクス360」の違いがより鮮明になり、有料版のメリットが明らかになってきたことは、今後有料版を検討されるユーザーにとっては有益なことではないでしょうか。 あとは、気になる利用料金ですが、こちらはまだ公表されていませんが2022年早々には公開されるのではないかと予想しています。より多くのGAユーザーが幅広く活用できるような料金体系になることを期待しています。 ※本記事中で紹介した機能についての名称は日本における正式な機能名ではありません。

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この記事を書いた人
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山浦 直宏
COO
Googleプラットフォーム活用を中心としたデジタルマーケティングコンサルタント。ネット広告黎明期より一貫してデジタルマーケティング畑を歩む。Googleアナリティクスの個人資格講座で合格者1200名余を育成する一方、立教大学など複数の大学や企業研修講師として人材育成も行う。書籍・講座・メディアでの執筆・寄稿多数。シンガポール国立大学MBA。
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