アナリティクス360のロールアップ(統合型)レポート活用方法

2016年06月13日
ライター:村山 佑介

Googleアナリティクスの有償版であるアナリティクス360では、アナリティクス360だけ利用することができるいくつかの特別な機能やレポートがあります。その中の1つであるロールアップ(統合型)レポートを紹介します。

  1. ロールアップ(統合型)レポートとは
  2. レポートの利用開始方法
  3. 活用事例

ロールアップ(統合型)レポートとは

ロールアップ(統合型)レポートとはアナリティクス360を利用している企業のみ使用することができるレポートです。日本語版のヘルプページでは統合型レポートとして紹介されていますが、弊社では主にロールアップレポートと呼んでいるため、以下ロールアップレポートとします。

アナリティクス設定

統合型レポート - アナリティクス ヘルプ

ロールアップレポートでは360(プレミアム)プロパティで計測している複数のプロパティデータを、1つのプロパティで合算して計測データを確認できます。

ドメインの異なるサイトAとサイトBが存在し、それぞれ別のプロパティAとBで計測していたとします。
ロールアップレポートではプロパティAとBのデータを合算したロールアッププロパティCを作成できます。ただし、プロパティAとBは同アカウント内に存在し、どちらも360(プレミアム)プロパティである必要があります。

本来、ドメインの異なるサイトAとサイトBをサイトAとサイトB、そしてサイトAとBを合算したA+Bの3つで計測しようとした場合、サイトAにトラッキングコードAを、サイトBにトラッキングコードBを、A+B用にサイトAとサイトBにトラッカー名の異なるトラッキングコードCを設置するデュアルトラッキングと呼ばれる方法にて計測する必要がありました。

ロールアップレポートを使用すれば、トラッキングコードAとBのみで、デュアルトラッキングをしなくても、A+Bのデータを計測することができます。

統合プロパティの管理

ロールアップレポートの利用開始方法

ロールアップレポートはアナリティクス360を使用しているだけでは利用開始することができません。担当リセラーに利用希望の旨、ご連絡いただければ利用開始手続きを対応させていただきます。

なお、アナリティクス360対象プロパティの仕様であるため、ヒット数に応じた課金テーブルとなります。
ロールアップレポートのヒットカウントは特別な計算方法となるため、以下にて解説します。

サイトA 1億ヒット
サイトB 3億ヒット

上記、2つのプロパティ使いロールアップレポートを作成します。その際は下記のように計算します。

(サイトA+サイトB)/2=ロールアッププロパティのヒット数

今回の例であれば、ロールアッププロパティにおけるヒットカウントは2億となります。
よって、サイトAとサイトB、ロールアップのそれぞれを合算すると、1億+3億+2億で6億ヒットにおける課金テーブルとなります。

活用事例

複数のプロパティで計測しているデータを統合することができるロールアップレポートの便利な使い方を、活用事例としていくつかご紹介します。

・事業部でプロパティが異なる場合

企業が縦割りで事業部間の連携がとれていない場合、事業部がそれぞれ保有するサイトでプロパティが異なることは往々にしてあります。企業が保有するサイト全てのトラフィックを算出しようとした際、それぞれのプロパティから数値をエクスポートし計算しなければいけません。ロールアップレポートがあれば、このような手間を省くことができます。ロールアップレポートでは、ロールアップレポート用にロールアッププロパティが作成されます。そのため、ロールアッププロパティに全てのサイトデータを統合し、ロールアッププロパティ内で作成するビューごとに統合する内容を、ビューフィルタを使用し切り分けることが可能です。

ロールアッププロパティ
├ 全サイトデータ統合ビュー
├ 事業部A+Bの統合ビュー
└ 事業部A+Cの統合ビュー

上記のように柔軟に設定することができます。

また、ロールアッププロパティでは、統合のもととなるプロパティにおけるビュー設定を引き継ぐわけではありません。目標設定などのビュー設定も新規に設定する必要があります。
ですので、ロールアップレポート独自の目標設定やチャネル設定、コンテンツグループの設定等を定義することができます。企業全体として分析しやすいように設定が可能です。

・グローバル企業における計測

前述の企業内における事業部間のデータ統合と似ていますが、グローバル企業の場合も同様です。

特に各国でWebサイトの制作会社や開発会社が異なる場合、共通のトラッキングコードを管理するのも大変です。共通のトラッキングコードを使用していたとしても、1つのプロパティ内で各国のデータをビューごとに切り分けると、カスタムディメンションやカスタム指標などの上限数が決まっている機能に対し制約が発生してしまいます。
各国でプロパティが異なり、共通のトラッキングコードを利用できない際は、やはりロールアップレポートが便利です。

特に上記のように、各国のサイトで各サービスのディレクトリが共通の場合、各国のサイトを横断して数値を確認できます。前述のようにコンテンツグループで各国のWebサイトにおけるディレクトリをグルーピングできるため、より早くデータを見ることができます。

・Webサイトとアプリの統合計測

Webサイトとアプリを別プロパティで計測していた際も、ロールアップレポートで2つのプロパティで計測しているデータを統合することができます。

ロールアッププロパティ内においても選択できるビューはWebビューとアプリビューとして分かれていますが、1つのビュー内でもWebサイトとアプリのデータを確認できます。

アプリの開発仕様や計測仕様によって、アプリでの計測仕様がWebビューによるページビュー計測なのか、ネイティブによるスクリーンビュー計測なのか、またはスクリーンビューをページビュー計測しているのか等でレポートの見方も変わりますが、1つのビューで統合したデータを計測できます。

また、Webサイトとアプリにおいて共通のUserIDを使用していた場合、Webサイトとアプリを利用している同一ユーザーとして計測できます。よって、アプリでコンバージョンに値した行動をとったユーザーのWebサイトにおける行動データを確認し、Webサイト上の改善施策に活用することも可能となります。

上記の活用事例以外でもロールアップレポートを使うことで業務の効率化や、実行できるマーケティング施策が増える事例はあるかと思います。現在、プロパティごとで分断されたデータで課題を持つ企業はロールアップレポート利用を検討してみてはいかがでしょうか。