本日2014年7月25日、『いちばんやさしいリスティング広告の教本』が株式会社インプレスより発売されました。アナグラム株式会社の阿部圭司氏、アタラ合同会社の岡田吉弘氏とともに、アユダンテ株式会社より寳洋平が執筆に参加しました。アユダンテにとっては安川洋、江沢真紀、村山佑介が執筆を務めた『いちばんやさしい新しいSEOの教本』に続き、いちばんやさしいシリーズ2冊目の本です。
いちばんやさしいということ
「やさしい」には、簡単や単純の意味合いが強い「易しい」と、思いやりがある、ていねい、細やかだという意味合いが強い「優しい」と、どちらの漢字も当てることができます。
縁あってお話をいただいたとき、私はこの本の「やさしい」の意味を、後者の意味として真っ先に思い浮かべました。英語で考えれば、「easy」と「gentle」と言い換えることもできます。これも後者の意味の「やさしい」により近いだろうと。
その理由は第一に、今回の執筆者にあります。
阿部氏、岡田氏ともに、リスティング広告業界屈指のプレイヤーであり、同時に業界に携わる人々の心を支えるすぐれたブログの書き手でもあります。SEM LABOやadmarketech.の読者なら、その記事がリスティング広告に携わる者に対して時に厳しく、しかし常に「優しさ」にあふれているのを知っていることでしょう。豊富な知識・経験は言わずもがな、広告に対するモラルの高さからも「ジェントルマン」という言葉で表現するのがふさわしく、やさしい/優しい/gentleは、二人の著者の存在によりあらかじめ方向性が決定づけられていたようなものです。その意味で第三の筆者として、大きな影響力を持つ二人のジェントルマンから振り放されぬよう、必死で食らいついていったことを告白しておかねばならないでしょう。
第二に、アユダンテの前書である『いちばんやさしい新しいSEOの教本』の存在です。
すでに読んでいただいた方から「全然やさしくないよ」という感想が上がっており、著者である代表の安川自らが発売後、真っ先に「全然やさしくないけど(笑)」とツイートしているほどです。いちばんやさしいSEOと銘打ったこの本が「やさしくない」とされるのは、やはり易しい/easyと優しい/gentleの違いに注目することで読み解いていけるかもしれません。いちばんやさしい新しいSEOの教本は「実行がeasyなSEO」ではなく「ユーザーにgentleであるためのSEO」について書かれており、この姿勢はまぎれもなくアユダンテが目指すSEOそのものと言えるでしょう。その意味でも、やさしい/優しい/gentleは、特に今回アユダンテから参加した筆者にとっては、この前書から引き継ぐべき目に見えぬガイドラインであったことを付け加えておきたいと思います。
こんな方に読んでいただきたい
この本は「リスティング広告に絶対につまずかないこと」がコンセプトになっている入門書です。
これまでにもリスティング広告の入門書は多数出ていますが、わからずに途中であきらめてしまった、やってみたが効果が出ず、止めてしまったという方に役立つことを目指しています。担当編集者の稲葉隆司氏から、わかりやすく噛み砕くようアドバイスをいただき、完成の際の際まで粘り強く検討を重ねました。
- リスティング広告をちょっとやってみたけど成果が出ず、止めてしまった方
- これまで、リスティング関連の書籍やブログを読んでみたが、よくわからない方
- これからリスティング広告をはじめようと思っている方
これらに当てはまる方にはぜひ手に取っていただきたいです。
また、リスティング広告に何らかの形で携わっており、おもな機能は実践済みだという方にとっては、知識としては既知のことがほとんどかもしれません。ただ、リスティング広告についての考え方がていねいに書かれているため、共感や思わぬ発見を得られることは期待できます。
内容について一言:チームで取り組むことの大切さ
2012年に『新版 SEM:リスティング広告 新・100の法則』の執筆に参加してから約2年が経ちますが、この2年で私自身大きく意識が変わったことがあります。
リスティング広告をチームで取り組むことが大切であると強く思うようになりました。
背景の一つには、アドテクノロジーの進化により、リスティング広告でアプローチできる領域が広がってきていることがあるでしょう。本書でも紹介しているように、近年Googleアナリティクスはアクセス解析にとどまらず、リスティング広告の施策に活かせる機能を続々と追加しています。
そんななか、1人でできることにはやはり限界があります。チームで取り組むことにより、日々起きる問題をスピーディに解決できたり、異なる視点から1人では思ってもみなかった新しいアイデアが生まれたりと、大きなメリットを得られることを実感しています。
リスティング広告は設定して終わりではなく、運用によって成果を育てていくもの。リスティング広告を使ってビジネスを継続的に成長させるには、社内やパートナーを含めチームで取り組める環境が必要です。
そんなチームで取り組むことの大切さを、この本でも触れています。
目次
『いちばんやさしいリスティング広告の教本』Chapter 1 リスティング広告の目的と 考え方を知りましょう
Chapter 2 自社とお客さんのことを知ろう
Chapter 3 広告を出すキーワードを選定しよう
Chapter 4 出稿に必要な要素を理解して準備をしよう
Chapter 5 アカウントの構造を理解して出稿しよう
Chapter 6 出稿の結果を確認して判断しよう
Chapter 7 分析をもとに広告成果を改善しよう
Chapter 8 検索以外はコンテンツ向け広告でカバーしよう
Chapter 9 自社のデータをリスティング施策に活かそう
付録 Yahoo! プロモーション広告を使えるようにしましょう
用語集