Google Think Insightsにて、顧客となるユーザーがオンライン上にて、サービスや商材の購入完了までの購買行動プロセスを調査することができる“The Customer Journey to Online Purchase”というツールをweb上に公開しました。
The Customer Journeyを直訳すると「顧客の旅」という購買行動プロセスは、当ツールにおいては、購入までに要した日数やwebサイトに訪問した回数(ステップ数)をGoogleアナリティクスのデータを基に表しています。
今回は、Google Think Insightsにアップされました“The Customer Journey to Online Purchase”の記事内容とツールのご紹介をさせていただきます。
顧客はオンライン購入にいたるまでの間、どのような購買行動プロセスになるのか。
最近では、購買行動プロセスはより複雑に変化してきています。
顧客がオンラインでの購入を決定する前に、数日間にわたって、さまざまなメディアチャネルを通して、あなたのブランドと接触するようになりました。
このツールを利用し、顧客の購買行動プロセスを探求、理解することで、マーケティングプログラムに役立てることができます。
1:異なるマーケティングチャネルが、どのように顧客の購入決定に影響を与えるでしょうか?
マーケティングチャネル(電子メール、ディスプレイ広告、有料検索広告、ソーシャルメディア、ウェブサイトへの直接訪問など)は、様々な異なった役割で、購入までの経路にいる顧客に影響を与えます。
支援となるアシストの役目をするチャネルでは、興味、認知、検討する購買行動プロセスの中で顧客と接触します。最後に直接関わりを持ち、購入の決定要因をとなるチャネルでは、購入直前の顧客を後押しする役割があります。
それではツールにて、各チャネルの役割を確認していきましょう。
各チャネルが購買行動プロセスにおいて、異なる役割を果たしていることがわかります。
また、このツールでは、国別に様々なサービスや商材のチャネルパスを表示することができます。ご自身の商材やサービスに合わせることで、顧客がどのようなチャネルに触れ、プロセスを通って購入までに至るのか、参考となるデータを確認することができます。各チャネルに表示される アシスト/ラストで計算された数値にて、そのチャネルが支援となるアシストに向いているのか、購入決定を後押しする役割が向いているのかを数値でも判断することができます。数字が大きいほど、支援となるアシストとしての役割を果たし、数字が小さいほど購入を後押しする役割として貢献していることを表しています。
例として、旅行業界のマーケティングチャネルを国別で比較すると、日本とフランスでは大きな差があることがわかります。
フランスでは、最初の接触となるチャネルではメールが強いようです。メールがダイレクトメールなのか、メルマガまで深堀することはできませんが、日本でも取り入れることができるメールマーケティングがフランスにはあるのかもしれません。
また、初回接触以降の購買行動プロセスにおいても違いが多いことがわかります。
2:購買行動プロセスの長さは、購入にどのような影響を与えるでしょうか?
購買行動プロセスの長さを決定する要因となる日数とwebサイトに訪問する回数は、顧客が購入するサービスや商材によって変化します。
非常に迅速に決定まで達してしまうサービスや商材もあれば、購入を決定するまでに相当な時間が必要なサービスや商材もあります。一般的には、より複雑な購入パスをするものや、購入決定までに長い時間が必要なものは、大きな購入値に繋がります。
では、どのくらいの日数やwebサイトに訪問する回数が必要となるのか、確認していきましょう。
こちらのツールでは、購買行動プロセスにおける、購入までに要した日数とステップ数別に確認することができます。また、こちらツールでも国別でサービスや商材ごとにグラフを変化させることができます。
上記にて、とりあげたグラフは日本のtoB市場における購入までにようした日数とWebサイトを訪問した回数ですが、toB市場では購入までに日数がかかり、webサイトへの訪問回数も複数回となるのを確認することができます。
3:購買行動プロセスのベンチマークダッシュボードを活用する
下記のベンチマークダッシュボードでは、上記までに取り上げたのグラフを1つにまとめたベンチマークダッシュボードを作成することができます。
こちらのベンチマークダッシュボードにおいても、国別でサービスや商材ごとにグラフを変化させることが可能です。上記は、日本における健康商材のベンチマークダッシュボードとなります。
左上から、各マーケティングチャネルがどのようなプロセスで貢献しているのか、右上では、各マーケティングチャネルがどのような性質をもっているのかを確認することができます。下段では、購入までに要した日数とwebサイトに訪問した回数をグラフとパーセンテージでの表示と、ひと目で各マーケティングチャネルの内容とサービスや商材における性質を把握することができます。
見やすくデザインされていますので、エグゼクティブレポートに付加することはもちろんのこと、チーム内で認識の共有をするう際にも役に立ちそうなレポートとなっています。
また、ご自身のwebサイトに解析ツールとしてGoogleアナリティクスを導入し、目標設定を登録されていれば、標準レポートのコンバージョン項目内にあるマルチチャネルレポートから各チャネルの役割を見ることができ、現状で施策しているマーケティングチャネルは初回接触のアシストとして貢献しているのか、最終接触である購入決定の後押しとして貢献しているのか、を確認、把握することができます。その結果を当ツールでの内容と比較し、差を確認することで、現状で施策しているマーケティングチャネルの改善や、新しいマーケティングチャネルを探す際のヒントにすることができます。
当然のことながら、各顧客の購買行動プロセスはユニークとなります。したがって、当ツールでグラフとして表示されるデータが絶対正しいというわけではありません。しかし、このツールで調査したデータと現状での結果の差を仮説として取り込みマーケティングテストを繰り返すことで、webマーケティングのパフォーマンス改善に役立てることができるのではないでしょうか。
このレポートについて:このレポートは、eコマースのトラッキングを有効にした36KのGoogle Analyticsアカウント/プロファイルから収集トランザクションデータになります。プロファイルは、7カ国/通貨とわかれています。レポートに含まれるデータは、レポートの所有者がGoogle Analyticsを第三者と共有する権限を与えた場合のプロファイルのみが含まれています。選択したプロファイルでは、マイナス数値になった数値や計算できない数値については除外してあります。変換方法は、Googleアナリティクスのマルチチャンネルファンネルレポート(経路の長さ、日数、チャネル分布)から派生しています。