Google I/O 2013での発表: GoogleアナリティクスプレミアムのデータをBigQueryで処理可能に
2013年05月17日
ライター:安川 洋

この記事は、Google Analytics Blogの「I/O Announcement: Google Analytics Premium data in BigQuery is coming soon」の翻訳を主に、弊社としての意見を追加したものです。

データ分析の方法はここ数年で激変しました。
組織や開発者は、意思決定を行うために、以前より大きなデータを分析するようになり、そのデータ元の数も増加してきました。巨大な量の生のデータを分析し、それに基づいて意思決定をするようになり、それには戦略的なデータの見方をするためにビジネスインテリジェンスツールでデータマイニングを行うことも多くなりました。
このような分析を実行するデータサイエンティストにとっては、Google Analyticsの生のデータに直接アクセスできることが、必要になってきたと言えます。

本日I/Oにおいて、GoogleはGoogleアナリティクスプレミアムのユーザー様に、セッションとヒットレベルの生データをアクセスできるようにすることと、そのデータを別のデータセットと組み合わせて分析できるようにすることを発表しました。組織や開発者は、Google BigQueryを活用することにより、多くのコストを掛けることなく短時間で分析ができるようになります。
BigQueryは大きなデータセットを対話的に分析できる、強力なデータ分析ウェブサービスです。

  1. インタラクティブなデータ分析とデータの所有権
  2. BigQueryのメリット
  3. GoogleアナリティクスプレミアムとBigQuery統合の利用事例

インタラクティブなデータ分析とデータの所有権

BigQuery統合の新機能は今年の後半に実装が予定されており、Googleアナリティクスプレミアムのお客様に提供される予定です。Googleアナリティクスの持つセッションやヒットレベルの生データを、Google BigQueryを使ってより詳細かつ複雑なクエリで処理することができます。
Google BigQueryでは、最大1兆行以上の巨大なデータセットに対して、対話的な分析を行うことのできるウェブサービスです。BigQueryは開発者や組織にとって、スケーラブルで使いやすく、強力なデータ分析サービスをオンデマンドで提供します。
BigQueryのデータは顧客が所有することが明示されており、容易にエクスポートすることができます。

BigQueryのメリット

  1. Googleの持つ巨大なデータ処理能力を活用し、ビッグデータから何時間もの時間をかけることなく、数秒でビジネスに必要な視点を得ることができます。
  2. クラウド内の巨大なデータを分析するにあたり、ハードウェアの購入やソフトウェアライセンスの購入などの初期投資が必要ありません。
  3. アクセスコントロールリストにより、素早く安全に共有したり、コラボレーションしたりできます。
  4. データは好きな量だけ保管することができます。支払いは、実際に利用したデータ量に応じてのみとなります。
  5. Googleの複数レイヤーに渡るセキュリティで、データを守ります。

GoogleアナリティクスプレミアムとBigQuery統合の利用事例

Googleアナリティクスのセッションやヒットレベルの生データにBigQueryでアクセスできるようになることで、開発者やデータサイエンティストは以下のようなシナリオを実行できるようになります。もちろん、可能性はこれだけにとどまりません。

  • 非常に長い期間における訪問者の行動の分析。
    「2010年から2013年の間に、1日間のトラフィック量において、もっとも変動が大きかったサイトのセクションはどこか?」というような質問に答えられます。
  • データを他のデータソースとジョインする。
    「私のサイトにあるすべての記事について、すべてのメタデータ(注、著者情報など)をデータベース化してあります。各著者、および記事のトピックごとに、直帰率・コンバージョン率と新規訪問者数を見たい」というような、詳細なカスタム分析ができます。
  • 複雑なクエリの処理。
    「クーポンコードを使用したサイトの訪問者のうち、何人がクーポンサイトで初めて私のサイトを発見したか? また、いったんはクーポンなしで購入プロセスに進んだが中断し、クーポンコードを持って10分以内に戻ってきた訪問者は何人か? 双方の場合で、使われたクーポンコードは何だったか?」というような質問に答えられます。
  • データウェアハウスとの統合。
    「週次で、ログインしている顧客ごとに、顧客がサイトで商品を見たが購入しなかった商品の上位5件を抽出し、その情報をCRMの該当顧客のデータに追加したい」というような要望に応えられます。

Googleは、開発者やデータサイエンティストの方々に、BigQuery統合を提供することを楽しみにしています。
より詳しい情報が利用可能になったらお知らせしますので、開発者・データサイエンティストの方はこちらでご登録をお願いいたします。
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