自分たちで場をつくる理由~広告運用フォーラムディスカッションへの想いについて話しました
2025年11月7日
ライター:寳 洋平

2025年11月25日(火)に「広告運用フォーラムディスカッション 2025」が開催されます。イベントの運営メンバーであるデジタル広告運用支援/コンサルティングチームの寳洋平と釜周平が、きっかけや想い、自分が担当するセッションのテーマについて話します。

「人に教えるだけじゃつまらない、広告運用者ともっと話したい」想いが伝染し、動き出す

  寳

JADEの小西さんが、先日広告運用フォーラムディスカッションについて記事を上げられていましたよね。

  釜

熱量の高い記事でした。

  寳

冒頭、きっかけについて書かれています。「何か広告のでっかいイベントやりたいよね」と自分が言って「考えてみたら確かに広告もなんかやりたいぞ」という気持ちになったと。これを読んでいて、小西さんにきっかけがあるように、釜さんや自分にもきっかけや想いがあるなと思ってきました。なのでその話からはじめられたら!

  釜

いいと思います。

  寳

6月のa2i交流会で小西さんに話しかけるところから時計の針をちょっと戻すと、SEOのテーマでJapan SEO Conferenceが盛り上がっていて、釜さんに「こういうイベントを広告でやればいいんじゃないですかね」とチャットで話しました。

  釜

ああ、しましたね!

  寳

そしたら釜さんから10分も経たずに「やりましょう!」と返ってきて。そこから構想をはじめて「a2i交流会で小西さんに話しかける」ところにつながります。 そんなふうに釜さんに伝えた理由は、オンラインで雑談しているとき、釜さんが「最近あんまり社外の人と交流できていないですね…」と言っているのが気になっていたからなんです。

  釜

そうですね。表に出る機会が減っていたし、Xの発信頻度も下がっていたし。今は顧客と向き合っている時間が多いのと、社内の人たちとやりとりするなかで、以前ほど自分で情報を追いにいかなくてもよくなってきているという事情もあって。

  寳

わかります。自分の場合、投稿はしても社内で誰かがコラムを書いたとか、自分が何か企画したときに発信するくらいで。そんななかで釜さんに「交流できていない」と言われて、ハッとしたんですよね。「確かにできていなかったかもしれない」って。釜さん、以前も小西さんに声かけてイベントやられていましたよね。オンラインで。あれはアユダンテに入る前でしたか。

  釜

そうです、2022年の10 月くらいですね。「日本各地からオンラインでWeb広告運用者や広告主が集まって開催する飲み会」。そのときって「イベントしましょう」って声をかけたわけじゃなくて「ちょっとお話ししませんか?」くらいの感じだったんです。前の会社で運用の話をしていた方が数名辞めた後で、運用の話をする機会がなくなってしまって。 だから「社外の人ともう少し交流を広げていこう」と思って、自分で動いて声をかけたんです。

  寳

なるほど。それがきっかけで「イベントやろう」という流れになったのですね。

  釜

そうです。そのときぼくは前職で何人か辞めてしまったことで社内では、ほとんど教える側の状態になっていて「これじゃつまらないな」と思ってたんですよ。だから社外の人と交流を広げたいと思って動いたのが発端でしたね。

  寳

その「自分から動く」っていう感覚は、今回にもつながっている感じがしますね。

  釜

環境も違うのでまったく同じではないですが、近い部分はあります。当時は完全に個人の動きでしたけど、今回はもう少し「業界で何かできたら」という気持ちがあります。

  寳

自分は釜さんのそういう気持ちや行動を見てきたので、それが伝染して「自分も動こう」と思ったところがあるんですよ。だから釜さんが声をかけなかったら、自分はやっていなかった。

  釜

ぼくは好きなことを言っているだけですよ。笑

  寳

いや、それでいいんだと思います!

広告プラットフォームの「推奨」を鵜呑みにできない時代だからこそ、「体験・体感」に差が表れる

  寳

テーマや形式の話もしたいです。「絶対的攻略法」があるわけでもないし、「広告運用には答えがない」というのは本当にそうですよね。業界は成熟していて、広告プラットフォームの公式情報やSNSやブログの発信も増えています。ある意味、いろんな観点での「正解」がたくさんある、とも言える。

  釜

何ならGPTに聞いても、そこそこ「正しい」ことは言ってくれますし。

  寳

そうなんですよ。生成AIが出した答えを鵜呑みにしちゃいけないとはよく言われますけど、広告プラットフォームから出される推奨や誰かの「正解」だって、鵜呑みにできないですよね。自分の状況にフィットするかは別の話。

  釜

確かに。その中で差が出るのは、やっぱり「体験」や「体感」の部分だと思うんです。体験が伴うからこそ説得力がある。だからいろんな人の体験や体感に触れられる機会が大事だなと思っていて。

  寳

確かに。今は「情報」があふれているけど「実際にどう感じたか」を話す場は減っているかもしれない。

  釜

そうですね。だから今回のイベントは「答えを出す」場というよりも、体験や考えを共有してつながりを作る場にしたいです。

  寳

はっきりした答えみたいなものは得るというよりはむしろ、他の人の体験や考えから、自分が思っていたこととは違うケースがあることを知る機会にもなるでしょうね。でも共通のテーマで話せるようなつながりができると。これはオンラインだと生まれにくいと思います。

  釜

特にキャリアに悩みがある人には、そういう場を通して「この人みたいになりたい」と思えるきっかけがあるといいなと。

  寳

いいですね。こういう考え方は「自分の価値観と合っている」などのイメージを持てる機会にもなるかも。この業界のいいところって「ちょっとしたきっかけでつながりが生まれて、可能性が開けていく」ところだと思うんです。

ありますね。

  寳

20年近くやってきましたけど、チャンスが本当に多い業界だし、自分もそうやって引き上げられたり、助けられたりしてきました。こういういいところは次の世代までちゃんと続いてほしいから、自分たちでこんな場を作るんだと思います。

  釜

広告プラットフォームの話に戻ると、以前はプラットフォームの仕様を理解して、そこに合わせていくことで成果が出せていた。でも今はだいぶ変わりました。

  寳

「お金を無駄に使いかねない」「ブランドを棄損しかねない」ワナとも思えるようなことがあると、チームのみんなからよく聞くようになりました。広告プラットフォームのいきすぎている点は、現場に表れていると思います。

  釜

だからぼくは今はむしろ、王道の地味な取り組みに戻る必要もあると思っています。LPの改善とか、ユーザー理解とか。

  寳

大事だと思います。

セッションについてちょっと紹介

  寳

今回16のセッションがあって、4セッションが同時に進行するので、1日過ごすなら4つ選んで参加することになりますね。途中で移動もOKですが、どれを選ぶか迷う方もいるかもしれませんね。

  釜

確かに。どれも面白そうで、みんな参加したいです。

  寳

自分がファシリテーターを担当するセッションについてちょっとだけ紹介しましょうか。中身はそこに集まってくれた人とのディスカッション次第になると思うので、テーマに触れるくらいで。

  釜

ぼくが担当するのは「B to B」「クリエイティブ」「Googleアナリティクス」の3つのセッションです。
最初のセッションは「B to Bにおける広告運用の戦略と施策」(10:00-11:00)というタイトルで、アナグラム株式会社の西村さんと一緒にファシリテーターを担当します。「リードの質」の話をしたいなと思っています。

  寳

質を上げるためにどんな工夫をしているか?

  釜

そうですね。2つめのセッションは「AI時代に考えたいクリエイティブの考え方と作り方」(11:00-12:00)。CRAFT株式会社の辻井さんと一緒にファシリテーターを担当します。ぼくは検索広告の話を中心にします。AIでクリエイティブを作る話も出るかもしれませんが、現時点ではあまり活用していないという話を正直にしようかなと。

  寳

AIの使い方というより、考え方を中心に?

  釜

そうです。動画を作れば終わりではないし。考え方のほうが重要だと思います。辻井さんが執筆されたネット広告のクリエイティブに関する書籍は体系的にもまとまっているので、AIを使う、使わないに限らず参考になるはずです。

  寳

楽しみです。

  釜

3つめのセッションは「広告運用者のためのGoogleアナリティクス活用」(13:30-14:30)。株式会社プリンシプルの片岡さんと一緒にファシリテーターを担当します。パラメータ設計やコストインポートの話をしたいです。小西さんが前週のイベントで話す内容とも少しつなげられたら。

  寳

自分の担当は「ユーザー理解」「組織作りとマネジメント」「事業会社と代理店の共創」の3つです。
最初の10:00-11:00のコマではJADEの垣本さんと「検索語句、GA、商品購入、インタビューなど…ユーザー理解のために行っていることについて語る」のファシリテーターを担当します。これはタイトルどおりかと思うのですが、何をどんなふうにやっているか集まってくれた人と話し合いたいです!

  釜

楽しそうですね。行きたいけど同じ時間にファシリテーターするので行けない!

  寳

午後13:30-14:30のコマは、小西さんと「アユダンテとJADEはどうやってるのか?」のファシリテーターを担当します。この「組織作りとマネジメント」というテーマは、自分にとってはちょっと大きめなんですよね。「会社は社員が成長するプラットフォーム」という代表の考え方があって、そこから今の、目に見えないものも含めた文化が作られていることを共有しようかと思います。

  釜

なるほどです。

  寳

14:30-15:30のコマは株式会社五箱の小田さんと「デジタル広告を活用していい仕事をするためには支援側-顧客との関係構築が重要。そのために工夫していることは?」のファシリテーターを担当します。これもタイトルどおりですが、CVタグの設置ひとつとっても、簡単じゃなくなっている時代ですよね。いい仕事をするためにどんな関わり方の工夫をしているか。じっくり話し合いたいです。

いろんな体験や考えを共有して、次につながるきっかけをつくる場にしたい

  釜

こうやって見てみると、どれも結論のない話かもしれないですが、繰り返しになりますが、正解を見つける場ではなくて、いろんな体験や考えを共有して、次につながるきっかけをつくる場にしたいですね。

  寳

いいですね。隣の参加者の意見が、これから自分が進む道のヒントになることもあるはず。そういうきっかけが一つ二つでも作れたらうれしいです。そういう意味では、広告運用がコアな方にも、そうでない方にもおすすめです。面白そう、とちょっとでも思う方には楽しめるイベントだと思います。よかったら会場で会って、お話しましょう!

  釜

お話しましょう!

広告運用ディスカッションフォーラム 申し込みはこちら