アユダンテは2006年の創業時から一貫して内部&テクニカルSEOを提供してきていますが、中でも多い案件は大規模なDB型サイトです。前回はDB型サイトのSEOの概要について説明しました。この記事では最初に考えるべき、サイト構造について、その重要性や作り方、ポイントを解説します。
サイト構造のススメ
突然ですが、私は2025年2月にインプレス主催のデジタルマーケターズサミットでこちらの講演をしました。
SEO施策の盲点かも? 今こそ見直したい「4つの内部施策」(この講演はありがたいことに、満足度ランキング1位でした!)
この講演の中で今やるべき内部施策として最初に挙げたのがサイト構造です。
そして、最初に「皆さんはご自身のサイトのサイト構造図はお持ちですか?」と問いかけてみました。
今までこの質問をして、サイト構造図が出てきたことは数えるほどしかありません。
そのくらい構造を可視化している企業様は少ない印象です。 サイト構造をしっかり策定して、関係者で共有することのメリットはたくさんあります。
サイト構造のメリット
- 対策キーワードの定義と不足キーワードの確認
- キーワードのカニバリの把握
- 内部リンクの課題抽出
- ディレクトリ構造の見直し ・低品質・精査すべきページ群の洗い出し
特にサイトの規模が大きくなればなるほどサイト構造図があるとよいです。
SEOだけでなく、UX面やCV観点での課題もいろいろ可視化されるでしょう。
サイト構造の作り方
それではなるべく簡単にできる作り方を説明します。
- 手書きでもいいのでサイト構造を書き出す
- ターゲットキーワードを書きこむ
- 内部リンクの線を引く
- 課題を書き込む
まずは手書きで書きだすことをおすすめします。
鉛筆と消しゴムで何かを手書きするなんて最近めったにありませんが(笑、私はこのために両方会社に常備しています。
こんな感じでラフでかまいません。
(DB型サイトの中でわかりやすいファッション通販サイトを例にします)

サイト内の全ページは必要ないです。SEO対象ページを主に列挙し、TOPからボトムまでのツリー構造に落とし込みます。
一応これを清書してみます。こんな感じでパワポにまとめます。

「階層」という概念はいろいろあると思いますが、サイト構造図の中ではTOPからのクリックのイメージです。
そのページがサイトの中でどのくらい深いところに位置するかは結構重要なのです。
これに赤字でターゲットキーワードを書き込み、内部リンクの線を入れてみました。

例えば今存在していて問題ない内部リンクは青、問題のある内部リンクは緑など色をかえるとわかりやすいです。
さらにSEO的な課題を書き込みます。

ちょっとここでいくつかフォーカスしてみましょう。
例えば以下は大規模DBでよくある課題です。
- サイト内検索とカテゴリでカニばっている
- サイト内検索URL群の質が低くてクロール済-インデックス未登録も大量に出ている

以下もよくあるDB型サイトの内部リンクの課題です。
- 商品からカテゴリへのバックリンクはあるが、クロス(アイテム×メーカー)へのバックリンクがない
- レビューの階層が深くてインデックス率が低い
- ECのカテゴリ(スニーカー)とコラムのカテゴリ(スニーカー)がリンクし合ってない(同じカテゴリDBを使うか、紐づけないとリンクできないけど…)

このように、様々な課題が可視化して確認できると、そのあとの施策が有効です。
例えば画面設計をする際に内部リンクの設計がしやすくなる。
例えばURL周りの最適化をする際にインデックスに課題がある箇所、疑似静的化したほうがいい箇所がわかる。
などなどです。
大規模DBサイトは施策の全貌が見えにくく複雑なのでその助けになると思います。
ちなみに私たちが支援させていただく際は
課題抽出→キーワード調査→サイト構造
という一連の作業を「SEO設計」という施策で行います。
まさにサイト構造はSEO施策の最初の設計にあたる部分なのです。
業種別のサイト構造
ベストなサイト構造は業種ごとにある程度決まってきます。
私の書籍より、一部ご紹介します。


このように特にDB型サイトは業種ごとにサイト構造がある程度決まってきます。ただ細かい導線や仕様、そして課題はサイトによって全く異なります。
今一度構造を書き出してみて、情報を整理してみることをおすすめします。
次回はDB型サイトで重要なカテゴリ設計か、画面設計についての解説をしようと思います。