
本コラムはAYUDANTE NEWS 2025年4月号から一部抜粋してお送りしております。全文に関しては毎月月末に配信しているニュースレターのバックナンバーからご覧ください。
GTMページビューとクリック計測のトリガーの使い分け
このテーマについて、弊社デジタルマーケティングエンジニアの畑岡大作に、小林がインタビューしてきました。
- まずはじめに
- ページビュートリガー編
- クリックトリガー編
- さいごに(ニュースレター限定)
まずはじめに

GTMのトリガーに入る前に、そもそもですが、どうして皆さん「発火」っていうんでしょうか?

タグを出すことを「発火」と表現されていることがままありますね。
英語で ”Fire Tags” と言うのでその直訳ですが、要は銃のモチーフです。
タグが銃弾で、トリガーは銃の引き金です。「引き金のトリガーを引いて、タグの銃弾を発火させて出す」という流れなので「発火」という用語になっているようです。
つまり「タグを出すきっかけや条件」をまとめた設定がトリガーです。
考えてみれば日本は銃よりは刀なので、抜刀の方がいいかもしれませんね。
ページビュートリガー編

ページビュートリガーってそもそもなんですか?どんな時に使うのでしょうか?

トリガーの種類のいちばん上にまとまってる、「ページビュー」グループの5つのトリガーですよね。
これらは名前の通り、「ページ」が「ビュー(閲覧された=見られた)」時に反応するトリガーになっています。
もし「特定のページでユーザーが何かした時」とかであればまた別のトリガーになってきますが、特にそういった指定がないようであれば「特定のページにタグを設置したい」=「特定のページが見られたときにタグを出したい」となりますので、このページビューグループのトリガーの出番になるわけです。

トリガーは何種類かありますが、具体的にどう使い分けるのでしょうか?

選択欄の上から順に「DOM Ready」「ウィンドウの読み込み」「ページビュー」「初期化」「同意の初期化」の5つですね。
「ページ表示」のどのタイミングで反応させるか、で使い分けます。
タイミングが早ければ早いほど、計測漏れが発生しづらくなるので、好ましいです。
しかし「じゃあ全タグで1番早いトリガーを使えばいい」と思うでしょうが、それができない場合もあります。
そのため「タグを出すべきタイミング」に応じて、使い分ける必要があります。

どうしてページが表示されたタイミングに応じて使い分ける必要があるのでしょうか?

大きくは2つですね。
一つ目は「他のタグよりも早く出す必要がある場合」
二つ目は「早すぎると必要な変数が準備されていないので利用できない。だからわざと遅らせる必要がある」
前者の「他タグよりも早く~」の場合、「他のタグの動作の前提になっているタグ」に使います。ほとんどのタグはそれ単体で完結して動作しますが、たまに「このタグを動かす前に別のタグが動作済みでなければならない」みたいなものがあったりします。
例えば「GA4の計測におけるGoogleタグとGA4イベントタグ(イベントタグよりも前にGoogleタグが動いてないと計測データがおかしくなりやすい)」であったり、「Metaタグのベースタグとイベントタグ(ベースタグが動いてないとイベントタグが動作しない)」などですね。
後者の「早すぎると必要な変数が~」については、タグやトリガー内で「ページの中のデータ」を使いたい場合に関わってきます。
ページのURLなどであればページが開かれた時点でわかってるので全く問題ないんですが、ページ内のデータは、それがブラウザにダウンロードされてからでないとわかりません。
例えばページ内の見出しテキストを参照してタグの計測内容やトリガーの条件に使いたい、といった場合です。ブラウザが肝心のその見出し箇所を読み込み終わってないと、利用できないですよね? 「確実に読み込み終わってるタイミング」を指定するために、適切なトリガーを選ばなければなりません。

反応タイミングの違いについて押さえておくべきことは何でしょうか?

まずは5トリガーそれぞれが「反応するタイミング順」と、「各トリガーの用途」を把握しましょう。
実は「リストの上から順」になっていないので分かりづらいんですが、実際に反応するのは次のような順番になっています。
また、もしページに設置しているGTMスニペットタグよりも前にカスタムイベントを呼び出すdataLayer.pushがあった場合は、下記のタイミングで呼び出されることになります。


この5つのうち、先頭の2つは役割が決まっています。
「同意の初期化」は、同意ツール、いわゆるCMPツールのタグ専用です。あらゆる他のタグよりも、早く動作しなければいけないのです。
「初期化」は、同意ツール以外で「他タグよりも先に(前に)動作させる」と指定があるタグで使います。もしGTMスニペットタグよりも前にカスタムイベントがあった場合は「ページビュー」よりも先にカスタムイベントが反応するため、「ページビュー」ではなく「初期化」を利用しましょう。
残る3つが、ページビューの基本となるトリガーです。
特に同意ツールでもなく、そういった指示がないタグについてはこの3つの中から選ぶことになります。特に理由がなければ「ページビュー」を選ぶとよいでしょう。
ただし、タグの設定欄やトリガーの条件として「ページ内のデータ」を変数として利用している場合は、「DOM Ready」や「ウィンドウの読み込み」を使わなければならない可能性があります。

「DOM Ready」と「ウィンドウの読み込み」を使うのはどんな場合ですか?

先ほど挙げた「ページ内のデータはブラウザが読み込み終えてないと利用できない」というのが関わってきます。
ひとつ目の「DOM Ready」は、「ページのHTMLがすべて読み込まれたタイミング」を示しています。また、実質的に