Google ウェブマスターYouTubeチャネルでJohn Mueller氏がウェブマスターからもらった質問に答えていく#AskGooglebotのQ&Aシリーズが配信されています。
この記事では2022年2月~2022年6月に配信されたSEO関連の6つのQ&Aを日本語に訳してお届けします(2021年10月~2022年1月のQ&Aも和訳しております)。
※一部省略や言い換えをしておりますが、主な意味が失われないようにまとめるようにしております。
- 誤ってGoogleのガイドラインに違反することをしたら
- ウェブサーバーの国
- meta keywordsの対応
- JavaScriptに依存するコンテンツのキャッシュ
- Search Consoleデータの変動
- アルゴリズムアップデートのロールアウト地域
1.誤ってGoogleのガイドラインに違反することをしたら
Q: 純粋に誤ってGoogleのウェブマスター向けガイドラインやスパムポリシーに違反することをしてしまった場合どのような処理をすればよいですか?
A: ウェブで間違った情報を参考にしたり、誤ったアドバイスをもらったりして誤ってしまうことがあることはGoogleも理解しています。
そのようなとき、Googleシステムの処理方法は2つあります。
① Googleのシステムが問題を特定し、抜粋できる場合は、そこを無視するようにしています。ウェブサイトの良い部分のみ見るようにしています。
② 手動による対策を行う場合があります。万が一、手動による対策を実施する必要があった場合にはGoogle Search Console内でそのように案内します。
サイト運営者が問題を確認し、対策を行ったのちSearch Consoleから修正の検証リクエストができます。
その後、Googleが課題の解決を確認すると手動による対策を取り消します。
結論として、サイト運用者が誤ってしまうことがあることをGoogleは考慮し、処理するようにしています。
ウェブサイト上の変更を行う前にSEOについて理解を深めていると良いですが、単純に誤ってガイドライン違反的なことをしてしまってもウェブサイトの将来を完全に台無しにすることはありません。
2.ウェブサーバーの国
Q: ウェブサイトのサーバーの位置(国)を変えることでSEOに影響ありますか?
A: ウェブサーバーの移管を行った当初はクロール速度が若干下がります。なぜなら、Googleはクロールでサーバーに負荷をかけすぎないことを意識していて、新しいサーバーにおいても一旦自動的にクロール速度を下げるようにしています。時間が経ってクロール速度を上げてもサーバーに障害がないことを確かめた後は、クロール速度を上げていきます。これはどのサーバー移転でも共通で、同じ位置の別プロバイダーの変更でも、別国のサーバーへの移管でも同じです。
サーバーの国を変えることでよく見られるのはユーザーにとってのウェブサイトのロード速度への影響です。遠くにあるサーバーにアクセスする時間は長くなりがちです。サーバーへのアクセス速度の差が大きければ、ページの表示速度に影響することによってページエクスペリエンスのランキング要素に影響する可能性があります。
ユーザーとの距離をなるべく縮めるために、複数の国でサーバーを使うウェブサイトもあります。そのような実現はCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)で可能であり、またホスティングサービスを使っていればすでにホスティング側でそのような設定になっている可能性もあります。これらはGoogleの観点からは問題のない実現です。
地域ターゲティングの観点からは、Googleはサーバーの位置を参照していません。特定の国をターゲティングしたい場合は、ccTLD(国別トップレベルドメイン)を使うか、Google Search Consoleでインターナショナル ターゲティングの設定を行う必要があります。
コガン補足:インターナショナル ターゲティング レポートのサポートが終了しました。
3.Meta keywordsの対応
Q: meta keywordsのタグはGoogleのSEOに今も効果ありますか?
A: たくさんの方からいただいている質問です。Googleは数年前からこの質問に何度か答えていますが、最新の回答を出しても良いと考え、今回もお答えします。
2009年に、初期のGoogleエンジニアであったMatt Cuttsがこの質問に「NO」と答えています。そして今も回答は変わらず「NO」です。Google検索では、meta keywordsタグを使用していません。
Meta keywordsタグを別の目的で使いたければ、使うことはGoogleの観点から問題ありません。ほとんどの場合、タグのサイズが大きくなくページ全体のサイズに大きく影響しないし、meta keywordsをどうしても削除しないといけないというわけでもありません。
Googleが使っているmetaタグについては、Googleのドキュメントで確認できます。
Google検索セントラル:Google がサポートしているmetaタグと属性
基本的にはmeta descriptionとmeta robotsタグを使っています。また厳密にはmetaタグではないですが、<title>タグもmeta同様に参照されます。これらのタグは、ウェブサイトの検索結果への表示に影響する可能性があります。
Meta keywordsタグは、Googleの検索に使用されていません。
4.JavaScriptに依存するコンテンツのキャッシュ
Q: ReactのJavaScriptフレームワークで作ったページのGoogle検索のキャッシュが真白なページとして表示されるのはなぜですか?
A: Googleがサーバーから取得したページのHTMLをキャッシュし、ユーザーに表示することがあります。それはHTMLのみでしかないので、JavaScriptベースのウェブサイトでは少し複雑になります。
コガン補足:検索結果で▼をクリックして表示される「キャッシュ」のことです。
ブラウザのセキュリティによって、取得できるコンテンツには制限があります。例えば、ページを表示するのにサーバーから.jsファイルを取得する必要がある場合、外部サイトがその.jsファイルにアクセスしようとするとブラウザに拒否される可能性があります。Googleのキャッシュは「外部サイト」に該当します。そのため、GoogleキャッシュからJavaScriptに依存するページを表示しようとすると.jsファイルを取得できず空ページもしくは部分的にしかレンダリングできていないページが表示されます。これは想定通りの現象で課題があることを表すものではありません。
インデックス登録のためには、GoogleがJavaScriptを個別で処理して、ユーザーがウェブサイトを見たときと同じ状態でページをインデックス登録しようとしています。このレンダリングされたページはGoogle Search ConsoleのURL検査ツールで確認できます。GoogleはJavaScriptに依存するほとんどのウェブサイトでもコンテンツを問題なくレンダリングし、インデックス登録することができます。
まとめますと、検索結果のキャッシュからJavaScriptに依存するウェブサイトを見ようとするとページが空のままもしくは部分的にしか表示されないのは想定内で、サイト側で問題があるわけではなくブラウザの仕様によるものです。
5.Search Consoleデータの変動
Q: サイト側の変更を行っていないのに、Search Consoleのデータのグラフが変動することがある理由は何ですか?
A: Google検索には連携されている複雑なシステムが多数含まれています。どこかのシステムの小さな変化によって目に見えるような変動につながる可能性が意外とあります。全体を見ているときにはさほど変動が起きていないことが多く、ただ詳細に絞り込むと変動が目立ちます。
例えば、特定のデータセンターからのクロール速度が若干上がったことで、インデックス登録できるコンテンツの範囲に影響があるかもしれません。その影響で更に検索結果に表示される内容に影響があるかもしれません。
もしくは、あなたがSNSで投稿をし、Googleのシステムがそれをピックアップすれば結果検索での表示が変わるかもしれません。この2つの例とも、データのグラフに変動が見られる可能性があります。
では、グラフが変動することを見たらどうするべきか解説します。
・小さな変動は気にしすぎないと良いです。どのウェブサイトでもよくある現象です。
・トレンドに注目すると良いです。グラフが数週間の間ずっと同じ右肩上がりもしくは右肩下がり傾向であれば、全体的に大きな変化があったと考えられます。
・急上昇、急下降に注目すると良いです。短期間でグラフの変動が激しい場合、大きな変化があったかもしれません。良い変化だったかもしれませんが、念のために原因を確認すると良いと思います。
まとめますと、小さな変動というのは想定内の通常な動きです。
それよりは長期的なトレンドの変化や大きな変化に注意しましょう。
6.アルゴリズムアップデートのロールアウト地域
Q: アルゴリズムアップデートがロールアウトされる際、全世界で一括にロールアウトされますか?もしくは国や言語別に順次ロールアウトされますか?
A: 一つの回答はないです。原則として、Googleはアルゴリズムアップデートをなるべく全世界に適用しようとしています。国や言語ごとのバリエーションを持たない方がアップデートのテストやメンテナンスがより簡単にできるためです。
ただし、最初に注力する国もしくは言語を選択せざるを得ない場合もあります。そうすることによって、エンジニアがアルゴリズムを微調整しやすくなります。その場合、そのアルゴリズムにより関連性が高い国、もしくは言語を選定しています。英語の場合もあれば、そうでない場合もあります。必要に応じて、アルゴリズムの情報を皆様に公開する際にそのように記載しています。
そのアルゴリズムが想定通りに動いていることを確かめた後、時間をかけて他の言語と他の地域にロールアウトしていくことが多いです。
まとめますと、なるべくアルゴリズムアップデートは世界共通でロールアウトしようとしていますが、大きな変更の場合はその限りではありません。
#AskGooglebotシリーズを今後も和訳していこうと思いますのでご興味ある方はチェックしてください!