6月8日(月)から開催された宣伝会議のオンラインマーケティングカンファレンス【SIMC】で「1st Party データの活用とGoogle アナリティクス 4」と題して講演をさせていただきましたので、その一部内容について簡単に紹介させていただきます。
本講演は、Google アナリティクス4プロパティ(以下、GA4)の内容だけでなく、その開発にいたる背景から今後の方向性にについて、社会や生活者の環境変化の視点で解説しGA4の開発意図を推察することでツール本来の目的や本質的な変化について解説をしています。
- 1st Party データ活用の重要性
3rd Party Cookieへの規制が厳しくなり代替え技術への模索が続いている現状において、多くの広告主の関心は所謂1st Partyデータの活用に向いています。1st Partyデータは主に広告主企業の「オウンドメディアの行動データ(ウェブやアプリ)」「CRMデータ」からなり、これらデータの分析活用が今後の代替え技術における広告ターゲティングにおいても重要であると考えられるからです。
その中でもウェブ行動データの計測、特にコンバージョン計測はITPの始動以来1st Partyデータによる計測が主流になってきており、元来1st Party Cookieによる計測を基盤とするGoogle アナリティクスは、その存在感を示しています。
この一連の環境変化のタイミングとGA4のローンチが重なっているのは偶然かもしれませんが(GA4は3rd Party Cookie規制への対応として開発されたものではない)1st Partyデータ活用への関心の高まりの中においては、GA4への切り替えを検討する上ではちょうどいいタイミングと言えるのではないでしょうか。
- 社会生活のデジタル化とデータ活用
現行のGoogle アナリティクスは誕生から15年余を経過しています。多くの機能拡張とアップデートを繰り返しながら進化してきましたが、そもそもは15年間前の社会における生活者のネット活用状況を前提に開発されたものです。スマホやモバイルアプリは無く、YouTubeなど動画視聴も限定的でした。つまり、ブラウザでのウェブ閲覧を中心としたネット利用であり企業はウェブを改善すればデジタル領域の効率改善はほぼできた、という時代であったと思います。しかし、この15年で生活者のネット利用状況は劇的に変化をしています。モバイルアプリの利用やYouTubeなど動画コンテンツにネット利用時間の多くが割かれています。もはや、同じコストをかけてウェブの改善をしてもデジタル施策全体におけるインパクトは相対的にかなり下がっており、ユーザー行動全体をとらえて理解し分析活用するためのデータニーズには現状のGoogle アナリティクスは応えられていません。
その中で、未来に向けた新しい計測基盤として、既存GAの拡張ではなく全く新しいツールとして一から開発する必要があったのではないでしょうか。
- Google アナリティクス4プロパティとは
よって、現行のGAとGA4ではすべての面で大きく異なっており多くのGAユーザーがまだ「戸惑い」の中にあると思いますが、このような背景を考えれば少なくともツールの向かっている方向やGoogleがやろうとしていることについては、一応の理解ができるのではないでしょうか。未だ多くの機能が十分ではなく“未来”に向けたデータニーズにすぐに対応できる状況ではないかもしれませんが、少なくとも「移行がマスト」な状況な中では新しいGA4へのポジティブな理解を示した上で、その活用について取り組んでいくという姿勢が得策なのではないかと思います。
GA4について、理解する上でのポイントは上図の通りですが、従来のGAの延長線上で考えるのではなく全く新しい思想で開発されたツールである前提で向き合う方が、結果近道であると考えるのは前述の通りです。
機能面では、モバイルアプリとの統合計測に焦点が当たりがちですが、アプリとの統合計測ニーズよりもBigQueryエクスポートや今後拡充していくと思われるYouTubeからの流入計測機能の方が、より期待が大きいのではないでしょうか。
- 導入を検討される方はデモ画面で確認を。
いずれにしても、GA4への移行がマストな状況中ではまずデモ画面をご覧いただければより現行GAとの違いなどはイメージしやすいのでお勧めします。
https://support.google.com/analytics/answer/6367342
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