Google アナリティクス 4プロパティ 各レポートの使い方:集客レポート
2021年06月11日
ライター:高田 和資

本記事は2021/5/5時点での情報を元にGoogle アナリティクス4のレポートについて解説します。最新のGoogle アナリティクス 4 プロパティの情報はヘルプをご覧ください。

https://support.google.com/analytics/answer/9212670?hl=ja&ref_topic=9303476

はじめにGoogle アナリティクス 4のレポートはユニバーサルアナリティクスに多くあったサブメニューが少なくなりシンプルな構造になりました。各カテゴリで「概要レポート」と「エクスプローラーレポート」という2種類のレポートと「分析」というアドホックなレポートに分かれています。今回は集客の「概要レポート」と「エクスプローラーレポート」の紹介をします。

なお、今回のコラムはアユダンテのYouTubeチャンネルでも紹介しています。コラムと一緒にぜひみてください。

オンラインコラム GA4の基礎「Google アナリティクス 4:集客レポートの概要、見方の基本解説!」

目次
  1. おさらい:GA4のデータ構造
  2. GA4のレポート基本:概要レポートとエクスプローラーレポート
  3. 集客>概要
  4. 集客>ユーザー獲得
  5. 集客>トラフィック獲得

■おさらい:GA4のデータ構造

今までのGoogle アナリティクスでは、各計測の軸となる単位がセッションでした。セッション中にヒットタイプの異なる「ページビュー」や「イベント」、「eコマースのトランザクション」データがそれぞれレポートに表示されている仕組みでした。

Google アナリティクス 4 プロパティは引き続きセッションの概念は存在していますが、ヒットタイプは「イベント」に統一され、イベントに紐づく「パラメータ」やユーザー単位で計測する「ユーザープロパティ(カスタムディメンション)」が各計測の軸になります。

データ構造の違いについて詳細は以下のコラムを参考にしてください。
「セッション中心の計測」から「イベント中心の計測」へ
https://ayudante.jp/column/2020-11-24/11-00/



基本的にGA4のディメンションは「イベント」の「パラメータ」が対応しています。

①デフォルトで用意されている「ディメンション」
 ⇒参照元、メディア、ページタイトルなど

②デフォルトのレポートに無いパラメータは「カスタムディメンション」として新規登録する必要があります

■GA4のレポート基本:概要レポートとエクスプローラーレポート

GA4の左メニューは「ライフサイクル」「ユーザー」「イベント」「探索」「設定」と目的別に分類されています。各レポートメニューはそれぞれのカードに必要な主要指標が1つ表示される「概要レポート」と、詳しいディメンション、指標を表示する「エクスプローラーレポート」が表示されます。「エクスプローラーレポート」の構成はUA(ユニバーサルアナリティクス)で利用していた各レポートに似ています。

分類:ライフサイクル

ユーザーの獲得 ユーザーを獲得した参照元、メディア、キャンペーン
エンゲージメント イベント、ページ、スクリーン別のユーザー エンゲージメント
収益化 購入者の人数、およびアイテム、プロモーション、クーポン別の収益
ユーザーの維持 新規ユーザーとリピーター、コホート、ライフタイム バリュー別の維持率

分類:ユーザー

ユーザー属性 ユーザー属性ディメンション別のユーザー数
ユーザーの環境 ユーザーがコンテンツを利用する際に使用したアプリのリリースや環境



例)集客>概要レポート


例)集客>ユーザー獲得(エクスプローラーレポート)

エクスプローラーレポートではユニバーサルアナリティクスのレポートと同じようにレポートのディメンションを変更したり、セカンダリディメンションを追加することができます。

エクスプローラーレポート:ディメンションの変更

エクスプローラーレポート:セカンダリティメンションの追加

■集客>概要

集客レポートで利用するディメンション

ディメンション 説明
デフォルト チャネル グループ チャネル グループとは、ルールに基づいて分類されるトラフィック ソースの定義を指します。これらのデフォルトのシステム定義は、アナリティクスの各チャネルの現在の構成が反映されています。※2021年1月時点で作成、変更はできません
セッション キャンペーン ユーザーのセッションを参照したキャンペーン
セッション メディア ユーザーのセッションを参照したチャネル。
セッション参照元 ユーザーのセッションを参照したサイト。
セッション参照元 / メディア ユーザーのセッションを参照したサイトとチャネル。
ユーザーの広告グループ名 クロスチャネルのラストクリックアトリビューション モデルに基づいて、ユーザーを最初に獲得した広告グループ名。
ユーザーの広告ネットワーク タイプ クロスチャネルのラストクリック アトリビューション モデルに基づいて、ユーザーを最初に獲得した広告ネットワーク。
ユーザーのキャンペーン クロスチャネルのラストクリックアトリビューション モデルに基づいて、ユーザーを最初に獲得したキャンペーン。
ユーザーのキャンペーンのクリエイティブID クロスチャネルのラストクリックアトリビューション モデルに基づいて、ユーザーを最初に獲得した広告クリエイティブ ID。
ユーザーのメディア クロスチャネルのラストクリック アトリビューション モデルに基づいて、ユーザーを最初に獲得したメディア。
ユーザーの参照元 クロスチャネルのラストクリック アトリビューション モデルに基づいて、ユーザーを最初に獲得した参照元。
ユーザー参照元 / メディア クロスチャネルのラストクリックアトリビューション モデルに基づいて、ユーザーを最初に獲得した参照元とメディア。

集客で利用する指標

指標 説明
平均エンゲージメント時間 アプリの場合はフォアグラウンド表示されていた時間の平均値、ウェブサイトの場合はブラウザ上でフォーカス状態にあった時間の平均値。
平均セッション継続時間 すべてのセッションの平均時間。
コンバージョン数 個々のコンバージョン イベントが発生した回数、またはトリガーされたコンバージョン イベントの総数。
エンゲージメント率 エンゲージメントのあったセッションの割合。
計算方法: エンゲージメントのあったセッション数÷セッション数
エンゲージメントのあったセッション数 10 秒を超えて継続したセッション、コンバージョン イベントが発生したセッション、または 2 回以上のスクリーン ビューが発生したセッションの回数。
エンゲージメントのあったセッション数(1 ユーザーあたり) 1 ユーザーあたりの、エンゲージメントのあった平均セッション数。
計算方法: エンゲージメントのあったセッション数÷ユーザー数
イベント数 個々のイベントがトリガーされた回数、またはトリガーされたイベントの総数。
セッションあたりのイベント数 すべてのセッションの平均イベント数。
計算方法: イベント数÷セッション数
ライフタイム バリュー すべての収益源で全期間に発生した収益の合計。
新規ユーザー 初めてサイトを利用した、またはアプリを起動したユーザーの数。
計算方法: イベント名 = first_open か first_visit の個別ユーザーをカウントします。
リピーター 過去のセッションを 1 回以上再開したユーザー。
セッション サイトやアプリで開始されたセッションの数(発生イベント: session_start)。
総収益 販売と広告掲載によって発生した収益の合計(販売収益と広告収益を足したもの)。
ユーザー数 サイトかアプリを少しでも操作したユニーク ユーザーの数。
計算方法: engagement_time_msec パラメータ > 0 の個別ユーザーをカウントします。

■集客>ユーザー獲得

「ユーザーが初めてサイトやアプリを訪れたときの」参照元、メディア、キャンペーン別のユーザー数、セッション数、ならびにエンゲージメント関連のレポートです。


主な使い方

・イベント:first_visit(アプリ、ウェブ)のレポート
 ※「ユーザー」をイベント「first_visit」と置き換えるとイメージしやすいです
 ※「ユーザー」の「first_visit」のデータは2回目以降の訪問でも変わりません
・ユーザーを獲得したきっかけとなるメディアや広告施策を把握することができます
・ユーザーの初回訪問時(first_visit)のエンゲージメントやCVに貢献したメディアや広告施策を把握することができます

■集客>トラフィック獲得

「トラフィック(セッション)ごと」参照元、メディア、キャンペーン別のユーザー数、セッション数、ならびにエンゲージメント関連のレポートです。



主な使い方

・イベント:session_start(アプリ、ウェブ)のレポート
 ※「トラフィック」をイベント「session_start」と置き換えるとイメージしやすいです
・ユニバーサルアナリティクスの集客レポートと同じレポートです
・セッションに対してエンゲージメントやCVに貢献したメディアや広告施策を把握することができます


次回のコラムではエンゲージメントのレポートの使い方を紹介します。