GDN・YDN対応 リスティングのイメージ広告を効果的に活用する方法【要件編】
2013年08月1日
ライター:寳 洋平

リスティング広告で使われる広告タイプの基本は、検索結果にあらわれるテキスト広告が中心である。しかし、Googleディスプレイネットワーク(以下、GDN)に出稿する広告では、テキスト広告に加え、イメージ広告や動画の広告など、表現豊かな広告タイプを使える。
なかでもイメージ広告は、工夫次第では手間をかけずにCVを生み出すことが可能である。さらに現在、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(以下、YDN)でもクリック課金でイメージ広告が使えるようになり、活用の幅が広がっている。
そこで本コラムでは、リスティングおけるイメージ広告の活用方法を【要件編】【実作編】【計測編】の3回に分けて紹介していく。

【要件編】の今回は、イメージ広告を活用する上でまず、GDNとYDNのイメージ広告の基本的な要件をおさえることにする。Google AdWordsとYahoo! JAPANのスポンサードサーチ、2つの検索連動型広告を併用することが一般化しているように、GDNとYDNを併用する機会が増えつつあるからだ。
そのため、あらかじめ両方の要件を理解しておけば、イメージ広告の作成から入稿までが効率的に、スムーズに行えるようになる。

以下の3つの項目から要件をおさえる。

  1. GDNとYDNにおけるイメージ広告の画像サイズ
  2. イメージ広告のファイルサイズとファイル形式
  3. コンテンツに関する要件

1) GDNとYDNにおけるイメージ広告の画像サイズ

GDNとYDNのイメージ広告の画像サイズをまとめたのが以下の表だ。

イメージ広告の画像サイズ一覧

※2013年7月現在
画像サイズ(px) GDN(PC) GDN(スマホ) YDN(PC) YDN(スマホ) 備考
300×250  
728×90      
160×600      
468×60      
200×200      
250×250      
336×280        
120×600        
300×600       NEW
970×90       NEW
320×50      
320×100        

300×250は、レクタングルと呼ばれる最も一般的なイメージ広告のサイズで、GDNのPC・スマホ、YDNのPC・スマホまでをカバーできる。掲載ボリュームも、このサイズが最も多い。
イメージ広告の画像サイズはそれぞれに広告枠が存在しているため、できるだけ多くの種類を作るに越したことはないものの、それだけの予算と時間の余裕がない場合、まずはこのサイズの広告を作るのが妥当だろう。

また、PCでは、4種類(300×250、728×90、160×600、468×60)が、スマホでは2種類(300×250、320×50)のサイズが共通している。
これらは、例えば今はGDNのみイメージ広告を入稿しているがYDNへも拡張したいというとき、すぐに活用できて便利である。いずれのサイズの掲載ボリュームも、他のサイズと比較して豊富な部類に入るため、優先度は高い。

300×600、970×90は最近加わったサイズとなる。
まだ広告枠がかぎられているが、競合の広告主が出す前に早めに着手するのもよいだろう。

どの画像サイズも、大きさが1pxでもずれると入稿できないので注意したい。

2) イメージ広告のファイルサイズとファイル形式

GDNのイメージ広告のファイルサイズについて、最近加えられた変更が一つある。以前は50KBまでだったファイルサイズが150KBまでに変更されたことだ。
これにより、例えば高画質のタブレットやスマートフォンに広告が表示されたとき、より見栄えよく見せることができる。僅かな違いのようにも見えるが、特にブランドが大切な業種・業界の、できるかぎり画質を落としたくないニーズに応えることができる。

ただし、本コラム執筆時点では、YDNのイメージ広告におけるファイルサイズの要件は50KB以内となっている。
そのため必要に応じて、同じ広告で50KB以内、150KB以内の2種類のファイルサイズを用意するなどの対応が求められる。YDNのイメージ広告のファイルサイズも150KB以内になることが望まれるところだ。
ファイルサイズに関しても、少しでも超えてしまうと入稿できないので気をつけたい。

なお、ファイル形式は、「.jpeg」「.jpg」「.gif」のいずれかを使用すればGDNとYDN、どちらでも入稿が可能だ。

50KBと150KBのイメージ広告の比較例

50KB(300×250) 150KB(300×250)
50KB以内に抑えたイメージ広告の例 50KB以内に抑えていないイメージ広告の例

上記イメージ広告例を拡大した図
上のイメージ広告例を4倍に拡大した図。こうして見ると、50KB以内に抑えた方ではJPG独特の滲みが発生していることがわかる。

3) 広告のコンテンツに関する要件

上記2つは技術要件にあたるが、広告コンテンツの要件でもおさえておくと役に立つことがある。
よくあるコンテンツ要件に関する問題を抜粋して紹介する。

イメージ広告の枠線

イメージ広告に枠線がないことでエラーとなり、入稿できないことがある。
広告とコンテンツとが区別がつかないおそれがあるためにエラーとなるようだ。明瞭な枠線を加えることで入稿・掲載が可能になる。

広告であることをユーザーが識別でき、ページのコンテンツとはっきり区別できるようにする必要があるのは、リスティングにかぎらず、すべての広告の基本とされる。
イメージ広告におけるコンテンツの要件も、この原則に則っていると考えられるだろう。

広告の分割、画像の繰り返し使用

広告内の一部の背景を変える表現はよく使われているが、これがエラーとなって入稿ができないことがある。広告が分割されているとみなされるようだ。
この問題は、背景を調整することで入稿・掲載が可能になる。また、同じ画像を繰り返し使用する場合にも、エラーとなることがあるため、注意が必要だ。

入稿できないイメージ広告例

YDNのイメージ広告における最高・最大表現

Yahoo! プロモーション広告のスポンサードサーチやYDNのテキスト広告では「No.1」「最高」「最大」などの、いわゆる最高・最大表現を使えない。
しかしYDNのイメージ広告では、

  1. クリエイティブ内に第三者によるデータ出典・調査機関名および調査年が明記されていること。
  2. 調査データが最新の1年以内のデータであること

の条件を満たせば、使うことができる。
最高・最大表現を使う際には慎重になることが求められるが、条件を満たせるようならば、試してみる価値はあるだろう。

なお、AdWordsやGDNの最高・最大表現では、テキスト広告・イメージ広告ともに、サイト内に客観的な根拠が掲示されていることが条件で活用できる。

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