LookerStudioの有料版「LookerStudioPro」とは?
2024年02月21日
ライター:吉成 かすみ

Looker Studio Proは、Googleが提供するBIツール「Looker Studio」の有料版です。
最近頻繁に機能アップデートが行われており、名前を耳にする機会が出てきた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このコラムでは無料版との大まかな違いや活用イメージについて解説します。

※この投稿に記載の内容はすべて2024年2月時点での情報です。
最新情報は公式ページからご確認ください。

公式ヘルプ:About Looker Studio Pro

  1. Looker Studio ProとLooker Studio(無料版)の違い
    1. チームコンテンツ管理
    2. データの共有・閲覧の重要性が向上
    3. GoogleのサポートとSLAが受けられる
  2. Looker Studio Proを使うには

Looker Studio ProとLooker Studio(無料版)の違い

Looker Studioは無料版でもBIとしての機能は一通り揃っていますが、Proは主に大企業・利用者の多い企業向けのエンタープライズプランです。
ユーザーやアセット(レポートやデータソース)の管理が行いやすくなるため、会社全体・チーム全体で効率的に活用していきたい場合は有料版限定の機能が効果的でしょう。

一方で、グラフ機能やデータの見せ方といったビジュアライズの点では、現状Looker Studio ProとLooker Studio(無料版)には現状あまり大きな違いはありません。
小規模のチームで自由に利用できれば問題ない、という場合には無料版でも十分と言えます。

ここから、Looker Studio ProとLooker Studio(無料版)の特徴的な違いについていくつか触れていきます。

違い①:チームコンテンツ管理

Looker Studio Proでは、無料版にない「組織」という概念があります。
無料版では作成したアセットは個人のアカウントに紐づきます。Looker Studio Proの場合、「組織」によってアセットが管理されるようになります。

無料版の場合、社員の退職などにあたって「オーナー権限をすべて他の人に変更しないといけない」「オーナー権限が変更されておらずレポートが見られなくなった」といったトラブルが起こりがちです。
Looker Studio Proでは組織によって管理されるため、作成者のアカウントを削除してもアセットは継続して利用できます。

Looker Studio Proには「チームワークスペース」という機能も追加されます。
ワークスペースは、個人やGoogleグループユーザーとアセットを共有するためのスペースです。

ワークスペース単位でメンバーを管理できるため、部署やチームで共通で利用するレポートやデータソースがある場合にひとつずつ権限を付与しなくても、部署用のワークスペースに権限をつけておけばOK、といった使い方ができます。

(Googleドライブで部署用のフォルダを作って共有する、といった使い方に近いかもしれません)

ワークスペースを使うことでメンバー間での共有がスムーズになりますが、一方でワークスペース内でアセットを作成した瞬間に他の人に共有されることになります。
そのため、自分だけが見るレポートを作ったり特定の人に直接権限を付与したいときには「サンドボックス」という機能を利用します。

サンドボックス内に作成したアセットは、自分で共有するかワークスペースへ移動するかをしない限り、他のユーザーに共有されることはありません。

違い②:データの共有・閲覧の重要性が向上

現場レベルでの大きな違いとしてもう一点あるのが、データの共有がしやすくなる点です。
無料版のLooker Studioでもメールでの定期配信などは可能ですが、設定できる配信スケジュールは1つだけです。
Looker Studio Proを使うと最大20個まで設定できますので、チーム内での役割に応じて配信スケジュールを柔軟に設定できます。

また、Looker Studio ProではLooker Studio レポートのグラフが指定した基準を満たしたときに、自分と関係者に通知するアラートを設定することもできます。
この機能を使うことで、定期的なレポート配信はノイズになるので受け取りたくないが数値に大きな変動があったときだけレポートを受け取るようにする、といった対応が可能になります。

さらに、iOS/Android向けのLooker Studio Pro モバイル アプリもリリースされています。
外出先でKPIのチェックをしたい場合など、スマホで手軽にレポートをチェックしたり共有したりできるのは大きなメリットでしょう。

GoogleCloudブログ:Looker Studio Pro が Android と iOS で利用可能に

このように、配信のタイミングを役割ごとに整理することで「必要なタイミングでデータにアクセスできる」という組織づくりのニーズが高い場合にはLooker Studio Proの方が適しているでしょう。

違い③:GoogleのサポートとSLAが受けられる

Looker Studio無料版では、一般公開されているヘルプサイトの情報を調べるか、コミュニティを利用することができます。
コミュニティには質問投稿ができますが、回答をくれるのはGoogle社員とは限りませんし、問題が解決するまで回答がもらえるとも限りません。

Google Cloudで用意されているカスタマーケアは、自社の状況にあわせて3つのプランから選択することができます。Looke Studio Proを契約すると、契約しているカスタマーケアでLooker Studioに対するテクニカルサポートを受けることができます。

公式ヘルプ:Looker Studio と Looker Studio Pro のサポートを利用する方法

また、Looker Studio Proを契約している場合のみ、SLA(Service Level Agreement)が適用されます。

無料で使えるというのはもちろん大きなメリットではありますが、企業として運用していくにあたって運用に支障が出た場合の保障が受けられるかどうかは、ひとつの選定基準になるのではないでしょうか。

SLAの詳細は以下のURLに記載されています。

Looker Studio Pro Service Level Agreement (SLA)

Looker Studio Proを使うには

■用意するもの

Looker Studio ProはGoogleCloudに属するサブスクリプション形式のサービスになっています。
そのため、まずは以下を満たすGoogleCloudプロジェクトを用意する必要があります。

  • 有効な Google Cloud プロジェクトであり、そのプロジェクトへのアクセス権を持っている
  • プロジェクトは有効な請求先アカウントに接続されている
  • プロジェクトがGoogle Workspace (Cloud Identity) の組織に属している

■登録方法

Looker Studio Pro自体への登録は、Looker Studioの画面から登録が可能です。

登録やユーザー追加の手順について、詳細は以下のURLから確認できます。

公式ヘルプ:Looker Studio Pro に登録する

■利用料金

Looker Studio Proはアクティブユーザー数に応じた課金となります。
また、大規模な組織で利用するメンバーが多い場合、専用の契約形態もあります。

Looker Studio料金

Looker Studioの画面からご自身で登録ができますが、販売パートナーに相談して登録することもできますので、プロのサポートを受けて安心に進めたいという方はパートナーについての情報収集をされることもおすすめいたします。

アユダンテはGoogleCloudのサービスパートナー、セールスパートナーです。
Looker Studio Proの支払い代行サービスも行っております。
Looker Studio Proについてご興味をお持ちの方は、ぜひお問い合わせください。

<お問い合わせはこちらから>
https://ayudante.jp/contact/

採用情報はこちら

この記事を書いた人
$uname
吉成 かすみ
シニアカスタマーサクセスコンサルタント
兼 アシスタントマネージャー
設計〜実装〜レポーティング〜サイト改善の一通りの業務を経験。制作会社や広告代理店、ECサイトやオウンドメディアの担当者など、支援側と事業側の両方の経験を活かしてコンサルできるのが強み。趣味はゲームとお酒とYouTube。
最近書いた記事