Google 検索セントラルのYouTubeチャネルでJohn Mueller氏がウェブマスターからもらった質問に答えていく#AskGooglebotのQ&Aシリーズが配信されています。
この記事では2023年に配信されたSEO関連の4つのQ&Aを日本語に訳してお届けします(以前のQ&Aも和訳しております)。
※一部省略や言い換えをしておりますが、主な意味が失われないようにまとめるようにしております。
- 検索結果に表示されるためにページがキャッシュされている必要があるか
- セマンティックHTMLがコンテンツの評価に影響するか
- SEO代理店を変える際に行うべきSearch Consoleの設定変更
- SEOツールのスコア(点数)について
1.検索結果に表示されるためにページがキャッシュされている必要があるか
Q: 検索結果に表示されるためには、ページがキャッシュされている必要がありますか?
A: 結論から言いますと、検索結果に表示されるためにキャッシュされている必要はありません。
詳細に話すと少し複雑になります。キャッシュ化とインデックス登録は別のプロセスであり、キャッシュの内容とインデックスの内容が一致しない場合もあります。
多くの場合ではキャッシュとインデックスの内容は一致していますので、一致しないと混乱する方がいると思います。
Googleの仕様上、キャッシュされないページもあります。
また、サイト運用者がrobotsのmetaタグを利用し、値をnoarchiveに設定することでページがキャッシュされることを防ぐこともできます。
JavaScriptで生成されたページについては、キャッシュがGoogleのドメインからロードされるため、ブラウザのセキュリティポリシー上ページの一部がキャッシュに表示されない場合があります。
(コガン:JavaScriptのキャッシュについては過去の#askgooglebotの和訳記事で解説しています)
まとめますと、ページがキャッシュされていないからと言って、インデックス登録に問題があるとは限りません。
検索結果に表示されるにはキャッシュされていることが必須ではありません。
2.セマンティックHTMLがコンテンツの評価に影響するか
Q: セマンティックHTMLは検索エンジンからのコンテンツの認識と評価に影響しますか? 例として要素の入れ子にsectionやtableタグの活用が挙げられます。
A: はい、セマンティックHTMLはページの理解に役立ちます。ただし、ウェブサイトの検索結果の掲載順位を上げるための魔法の手法ではありません。
背景を説明すると、セマンティックHTMLはコンテンツを要素の見た目ではなく、要素の意味で構造化するのに使用されるHTML要素です。
例えば、見出しに対して、フォントサイズを大きくするだけではなく、HTMLの見出しタグを活用するということです。
複雑なテーマですが、簡潔に説明します。Googleに役立ついくつかの例としては以下が挙げられます。
・テキスト段落の見出しに対して適切な見出しタグが活用されている
・画像が関連性の高いテキスト内に埋め込まれている
・単なるテキストの位置調整目的ではなく、データのテーブルを表すために利用されるtable要素
・onclickハンドラーではなく、<a>アンカータグを利用するリンク
類似の役割を果たす要素についてはGoogleのシステムはこだわっていません。
例えば、テキストのグループ化に使用されるsection、articleやdiv要素の扱いは同じです。
この動画では全てのHTML要素をカバーすることはできませんが、このテーマについてウェブ上ではたくさんの情報を見つけられると思います。
セマンティックHTMLはSEO以外の理由でも効果的で、例えばアクセシビリティに役立ちます。
有効なHTMLを利用するのはベストプラクティスでもあります。
ぜひセマンティックHTMLを活用してください。ランキング要素ではありませんが、Googleシステムのコンテンツ理解に役立ちます。
3.SEO代理店を変える際に行うべきSearch Consoleの設定変更
Q: SEO代理店を変える際に、Google Search Console内で行うべき設定変更は何ですか?
A: SEO代理店のアクセス権限はサイトの所有権の確認と関係することが多いです。
サイトの所有権の確認の詳細は、こちらのYouTubeの動画でも確認できます。
外部の方と仕事をしている場合、Search Consoleの所有権を定期的に確認することをおすすめします。
Search Consoleの「設定」より確認できます。
所有者は外部の方ではなく、サイトを運用する内部の担当者であることをおすすめします。
もし現状そうなっていない場合は、開発やホスティング担当者になるべく早く相談すると良いです。
自サイトの所有権の確認は非常に重要です。
また、過去の代理店や外部コンサルタントの所有権が残っていないことも確認すると良いです。
委任された所有者の権限削除は直接Search Consoleから行えます。
確認済みの所有者を削除するには、開発やホスティング担当者に協力してもらって、所有権を証明するトークンを削除する必要があります。
Search Consoleの「ユーザーと権限」ページよりそのユーザーの所有権トークンを削除してください。残っている所有者トークンを確認して、削除したユーザーが所有権を取り戻すことができないようにしましょう。
また、権限の中で、サードパーティーSEOツールやサービスに紐づくメールアドレスが「オーナー」もしくは「フル」権限を持っていないことを確認しましょう。
SEOツールは基本的にはデータの読み取りだけを必要としていて、変更を行える権限などは持たせない方が安全です。
外部の方と仕事する際には、権限を委任する形で進めると契約終了後もサイトを変更する必要なく権限を調整できます。
また、代理店のほとんどの作業ではフル権限は不要です。
何か不明な点があったら、Google 検索セントラル のヘルプ コミュニティでも聞いてみると良いでしょう。
4. SEOツールのスコア(点数)について
Q: SEO診断ツールなどに出るスコア(点数)は気にする必要ありますか?
A: 初めに言っておきますが、Googleは第三者ツールが出しているスコアを参照していません。ウェブサイトのオーソリティスコアも、スパムスコアも、Googleはそのような点数を一切採用していません。
しかし、明確に計算されている一部のスコアはウェブサイトの現状を確認したり、課題を見つけるのに役立つことがあります。
行うべき施策のヒントになったり、実施された施策の効果測定に使える場合もあります。
自サイトに対して特定のスコアを利用する意味があるかどうかは、スコアの生成ロジックを理解することが重要です。
例えば、Googleが所有するツールの例を確認しましょう。GoogleのLighthouseツールでは多数のスコアが出ます。
これらのスコアはGoogleの検索システムでは利用されませんが、様々なテスト結果を元に生成され、点数の裏にある生成ロジックは明確です。
このスコアを見れば、自サイトがそのテストでどう評価されたかを確認することができます。
その結果、例えば「アンカーテキストが短すぎる」などユーザーや検索エンジンに影響する課題を見つけ出すことにも役立てるでしょう。
結論として、Googleは第三者ツールを検索システムで参照はしていませんが、だからと言ってそのスコアが全く役に立たないとも限りません。
今後も#AskGooglebotシリーズが続きそうでしたら、また和訳していこうと思いますのでご興味ある方はチェックしてください!