GA4有償版限定「統合プロパティ(ロールアッププロパティ)」の解説
2023年11月14日
ライター:高田 和資

GA4有償版の機能に「統合プロパティ(ロールアップ)」があります。

今回のコラムでは「統合プロパティ」について紹介します。

複数のプロパティでデータを計測しているとき、それらのデータを集約して一つのプロパティでデータを見ることができます。

  1. 統合プロパティの概念
  2. 統合プロパティは課金対象
  3. 統合プロパティの作成手順
  4. 統合プロパティで知っておきたいポイント

統合プロパティの概念

「統合プロパティ」はドメインが異なる複数のサービスや国別に運用している同じサービスなど、複数のプロパティで計測しているデータを集約して閲覧する機能です。

通常、異なる計測範囲を集約してデータを閲覧する場合、統合用のプロパティを新たに用意し、計測設定を行う必要があります。

GA4有償版では管理画面上の「統合プロパティ」設定だけで集約することができます。

統合プロパティを作成するとプロパティ名の右側に「Roll-up」のアイコンが表示されるようになります。

統合プロパティは課金対象

統合プロパティはサブプロパティと同じようにイベント数に応じて費用が発生します。

各参照元プロパティのイベントの50%が費用として発生しますので利用時はご注意ください。

参考:GA4有償版限定「サブプロパティ」は何ができる機能か?

統合プロパティの作成手順

統合プロパティの作成は管理画面のプロパティ作成から行います。

まずは、作成するプロパティの種類から「統合プロパティ」を選択します。

統合プロパティの作成画面で「プロパティ名」「タイムゾーン」「通貨」を選択します。

追加費用発生の理解へチェックを入れる必要があります。

プロパティの選択から統合プロパティへリンクする参照元プロパティを選択します。

参照元プロパティを選択した後は通常のプロパティ作成と同じく、サービス情報の選択、ビジネス目標を選びます。統合プロパティの作成はこれで完成です。

統合プロパティで知っておきたいポイント

  • 2023年11月時点でリンクできるサービスはGoogle広告、BigQueryです。
  • 統合プロパティで計測されるデータは各参照元プロパティを統合プロパティに追加した日から開始されます。
  • 統合プロパティだけで独自のイベントを作成することはできません。
    参照元プロパティからイベントを取得する必要があります。
    例外としてオーディエンストリガーは異なる仕組みでイベントが生成されるため作成することができます。
  • 統合プロパティから接続していた参照元プロパティを解除しても、解除前の参照元プロパティの過去データは統合プロパティで見ることができます。
  • 統合プロパティで異なるドメインを計測しているプロパティがある場合は、クロスドメイントラッキングの処理が自動では行われないため、ユーザーの重複は基本的に除去されず、別々のユーザーとしてカウントされます。
    しかし、User IDの取得やGoogleシグナルデータで同じレポート用識別子を複数の参照元プロパティで利用している場合、統合プロパティではユーザーが重複除去されます。
    結果、個々の参照元プロパティのユーザー数を合計した場合と統合プロパティのユーザー数が一致しないケースがあります。