「いちばんやさしい新しいSEOの教本」 5年ぶりにリニューアル!
2023年11月9日
ライター:江沢 真紀
SEO

多くの方にご愛読いただいております「いちばんやさしいSEOの教本」の改訂版が5年ぶりに出ます。改訂のポイントや、書籍で伝えたいこと、そして過去の各書籍の比較などをしてみたいと思います。

  1. SEOの教本の第3版が出ます
  2. AI?E-E-A-T?変わらない本質とは
  3. いちばんやさしいSEOシリーズの比較

SEOの教本の第3版が出ます

2023年11月16日「いちばんやさしい新しいSEOの教本」の第3版が出版されます。
前回の第2版が2018年発売だったので、5年ぶりの刷新です。実はその間に「スマートフォンSEOの教本」も出版させていただいたのですが、あまり売れず…ずっとこの「いちばんやさしい新しいSEOの教本」が売れ続けていました(ありがたいことに8刷まで増刷を重ねてます)。

ただ内容が古い。。。

コンテンツマーケティングの話はあまりなく、ヒートマップのレッスンもなく、何より画面の解説がまだPCページ。Googleアナリティクスも昔のままだし、気になるところが満載でした。SNSで買いました!という投稿を見るたびに胸が痛み…やっとやっと改訂版を出すことができました。

AI?E-E-A-T?変わらない本質とは

そもそも改訂の話が出たのは1年前。なかなか着手できず、気づいたらChatGPTなどAIが登場し、SEOがどうなるの?という複雑なタイミングでした。

私自身もここ半年以上、AIツールでSEO作業を試し、試行錯誤してきましたが、正直どこまで活用できるかはまだわかっていません。
参考になる面もありつつ、そのままではとても使えないと思ったり…コンテンツはまだしも内部施策やテックなどはやはり人による経験とそのサイト特有の理解が必要だと思っているので、結局本書ではAIの概要だけ解説するにとどめています。

そしてE-E-A-T。
第2版のメイントピックが“MFI”で、今回は何にしようかとなったときに出版社の方や周りから「E-E-A-Tでしょう!」と言われ、私はちょっとびっくりしました。E-E-A-Tは概念であり、高品質なサイトやコンテンツを作るためには当たり前のことばかりで、あまり意識したことがなかったからです。

でも言葉だけ独り歩きしているE-E-A-Tが本当はどういうもので、何をやれば担保できるか、というわかりやすい解説があってもいいかもと思い、メイントピックにしました。
※本当はエンティティとか、検索品質評価ガイドラインとかいろいろあるのでしょうが、E-E-A-Tだけでも十分複雑なので(笑、そのへんまでは触れていません。

そして、Googleの細かいアルゴリズムやアップデートについてもほとんど触れていません。

ちょうどここ数か月、August 2023 core update、September 2023 helpful content update、October 2023 spam update、そしてOctober 2023 core update、さらにNovember 2023 core updateと、どうしたGoogle!?というくらいアップデートが続いていますが、アユダンテとしてはそれらを追いかけたり、一喜一憂して対策を考えるということはやっていないからです。

今の順位や検索結果の構成はとても複雑で、外側から少しサイトを見ただけではなんでこのサイトが評価されるのか、なんで逆に下がったのかなんてわかりません。
検索意図に一致しているのか、関連性があるのか、商材は十分か、UXが担保されているか、被リンクやサイテーションが豊富なのか、ドメインの力が強いのか、大規模サイトなら技術面で課題がないのか、など様々な要素が絡み合い、とても簡単には評価できないのです。

時間をかけてアルゴリズムの傾向を分析しても、来月変わるかもしれない、それよりもいいサイトを作ることに全力を注ぐべきだと思っています。

とにかくSEOの本質は「ユーザーのニーズに応えるサイトを長く続けること」なのです。

アユダンテではGoogleで10年以上にわたり「Google ポリシーオフィスアワー」の司会を務めていた金谷武明氏を今年の6月にSEO顧問に迎えました。日々アドバイスをいただいていますが、最近のアップデートに関して金谷さんからは次のような見解をいただいています。

アルゴリズムの変動、追っていますか?

まずみなさんにお聞きしたい。アルゴリズムの変動、追ってますか?

僕は追っていません。なぜか。どんなアルゴリズムの変動があろうとも、Googleが目指しているのは検索ユーザーに関連性の高い検索結果を表示すること、つまり、探している情報を提供すること、なのです。

ですので、重要なのはGoogleを見つめることではなく、ユーザーを見つめることなのです。

アルゴリズムが変動しようとも、わたしたちがすべきことはユーザーに有益なコンテンツを制作し続けること、です。時に順位が下がるかもしれません。その場合にアルゴリズムを分析して対応するのではなく、何かユーザーの求めるものが変わってきているのかもしれない、と一度立ち止まって考えてみることが重要です。

有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」この記事にあるようなチェック項目を見返してみるといいと思います。

そして、改善すべき点が見つかればコンテンツの制作を改善し、なければ次回以降の変動で戻ることを信じてより良いコンテンツを作り続けることが大切です。

金谷さんの考えるGoogleの目指すところと、私たちが追求するSEOはとても似ている部分があると感じています。

つまり、アルゴリズムを追いかけて小手先の施策をするのではなく、本当にユーザーにとって良いサイトやコンテンツを提供していくという点です。
この本もまさにそこを目指しました。

「いちばんやさしい新しいSEOの教本」の第一版が出たのは2014年ですので、そろそろ10年経ちます。10年経っても1章のSEOの本質的な話や3章のサイト構造の話はあまり書き換えていません。それだけの時間が経過しても、まだ古いとは思わない内容なのです(私は)。

新しいアルゴリズムの出現や変化は日々起こりますが、SEOの本質を忘れず、検索エンジンではなく、検索エンジンの先にいるユーザーに向けた最適化を行っていくことがとにかく大事なのです。

いちばんやさしいSEOシリーズの比較

最後に3冊の内容を比較しつつ、まとめておきます。
おすすめはもちろん最新の「いちばんやさしい新しいSEOの教本」ですが、上級者の方には「スマートフォンSEOの教本」も実はおすすめです。

「いちばんやさしい新しいSEOの教本」第2版 2018年7月出版

MFI対応を謳い、MFIによってスマートフォンが重要になる、何をすべきかを取り上げています。
ただ画面解説がまだPCサイト。
そしてコンテンツ関連でまとまった章がないです。

  1. SEOの目的と考え方を身に付けよう
  2. 検索意図を探って有効なキーワードを見つけよう
  3. 業種別に最適なサイト構成を考えよう
  4. 適切な内部対策でSEOの効果を高めよう
  5. 質の高いアピール施策でWebサイトの価値を高めよう
  6. モバイル環境にきちんと対応したWebサイトを目指そう
  7. 技術的な問題を解決して優れたWebサイトを目指そう
  8. SEOの効果を分析してさらなる改善を進めよう

※今はKindleUnlimited対象です

「いちばんやさしいスマートフォンSEOの教本」 2020年9月出版

姉妹本の位置づけでスマートフォンに全振りしちゃいました。
当時の最新情報は網羅的に詰め込んだものの、内容が難しすぎるのと、スマホのSEO?という印象を持たれてあまり流通しませんでした。

  1. スマートフォン時代の検索エンジン
  2. いま必要なSEO施策を考える
  3. 検索ニーズとコンテンツを知る
  4. モバイルの画面に最適化する
  5. モバイルの検索結果を攻略する
  6. スマートフォン時代の環境と技術を知る
  7. WordPressのSEOを攻略する

※今はKindleUnlimited対象です

「いちばんやさしい新しいSEOの教本」第3版 2023年11月出版

E-E-A-T対応としつつ、E-E-A-Tとは何か、どんなことをやるべきかなどを解説しています。
ただ個人的に大きいと思う変更点は画面がしっかりスマホサイト解説になったこと、コンテンツマーケティングで1章設けたこと、技術やGA4のレッスンなどを刷新できたことでしょうか。
既に既存書をお持ちの方にも新鮮な内容かなと思います。

  1. SEOの目的と考え方を身に付けよう
    *E-E-A-TとAIのレッスン追加
  2. 検索意図を探って有効なキーワードを見つけよう
    *あまり変更なし
  3. 業種別に最適なサイト構成を考えよう
    *あまり変更なし
  4. 適切な内部対策でSEOの効果を高めよう
    *全面刷新、スマホページになり、構造化データなども
  5. 質の高いサイト外施策でWebサイトの価値を高めよう
    *YouTube、ビジネスプロフィール、ポリシー違反の話などを最新情報に
  6. E-E-A-Tを見据えたコンテンツマーケティング
    *新規追加章。テーマ選定方法、構成の作り方、ヒートマップなど一通り解説
  7. 技術的な問題を解決して優れたWebサイトを目指そう
    *結構刷新、今大事なSEO技術要件がいろいろ
  8. SEOの効果を分析してさらなる改善を進めよう
    *Search Console、GA4、Looker Studioの話など

新しい第3版がWeb担当者の方の少しでも参考になれば幸いです!

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