Microsoft 広告がad:tech tokyo 2023にて発表した今後の展望とは
2023年10月30日
ライター:岩瀬 真理

10月19日、20日に開催されたad:tech tokyo 2023 にMicrosoftが登壇し、Microsoft 広告がもたらす新しいユーザー体験やターゲティング、新しい広告プロダクト等が語られました。

本記事では、10月19日の「THE ERA OF AI: Microsoft 広告が切り拓く、新しいデジタルマーケティング」 のセッションで、今年、発表・リリースされた新しい広告フォーマットやAIを活用したMicrosoft 広告ならではの機能をメインにご紹介させていただきます。

また、Microsoft・広告主・広告代理店の三者が登壇したパネルディスカッションの内容も一部ご紹介します。

  1. Bingのさらなる拡大へ向けた取り組み
  2. Microsoft Advertising Platformにおける新機能や広告フォーマットについて
    1. 今年9月に発表されたMicrosoft Advertising PlatformにおけるCopilot
    2. 今年9月に発表されたCompare & Decide Ads(比較・決定広告)
    3. 今年5月に発表されたAds for Chat API
  3. 今後予定されているもの
  4. パネルディスカッション
  5. まとめ

Bingのさらなる拡大へ向けた取り組み

Bingのシェアを拡大する取り組みのひとつとして、積極的にMicrosoft Rewardsプログラムを推進していくとのことです。

Microsoft Rewardsプログラムとは、Bingで検索すると1回の検索につき、3ポイント貯まり、そのポイントはAmazonギフト券やUber Eatsのギフト券などに交換することができるほか、非営利団体に寄付することもできます。

2022年末時点で数百万人の新規ユーザーが登録しているとのことです。

また、今後さらにMicrosoft Rewardsプログラムのポイントを利用できるチャネルを拡大する方針で、直近ではセブンイレブンのnanacoやローソンのPontaなどへのポイント交換ができるようになり、コンビニでの利用を可能にしました。

さらに貯まったポイントを利用しやすくするために、楽天ポイントとの提携も予定されています。

Microsoft Rewardsプログラムで貯まるポイントがコンビニなど身近なお店で利用できれば、Bingでの検索行動の増加が期待できます。

THE ERA OF AI: Microsoft 広告が切り拓く、新しいデジタルマーケティングの資料から引用

Microsoft Advertising Platformにおける新機能や広告フォーマットについて

1.今年9月に発表されたMicrosoft Advertising PlatformにおけるCopilot

広告主や代理店向けに設計されたMicrosoft Advertising PlatformのCopilotは、自然言語会話と生成AIの力を組み合わせて、コンテンツの推奨事項の提案やヘルプページへの迅速なアクセスなどを助けてくれたり、ブランディングと広告の目標に合わせて、効果的な広告アセットを数分程度で作成してくれたりすることができます。

例えば、ビジネスの主なセールスポイントやこれまでの検索傾向に基づいてキャンペーンに最適な画像を提案してくれたり、必要に応じて、アセットライブラリを使用して新しい画像を生成してくれたり、ブランドに合わせて見出しや説明のトーンなどを微調整することもしてくれます。

さらに、Copilotに質問すると、広告の配信状況のインサイトやその状況に対する推奨事項まで提示してくれます。

このように広告管理画面にもAIが搭載され、広告アセットやデータ分析までCopilotからの提案を取り入れながら運用することができるため、広告主や代理店の広告運用への力強いサポートが期待できます。

THE ERA OF AI: Microsoft 広告が切り拓く、新しいデジタルマーケティングの資料から引用

2.今年9月に発表されたCompare & Decide Ads(比較・決定広告)

Compare & Decide Adsとは、Bing Chat内に表示される新しい広告フォーマットで、ユーザーが比較検討したい対象の商品やサービスを簡潔な表にまとめた表型の広告になります。

Bing Chatでは、類似するサービスや商品に対して長所と短所を比較するような質問がよくされています。

自分が知りたい情報を比較するような情報の出し方は、従来の検索体験では得られない新しい体験となっており、Compare & Decide Adsはその体験の中にユーザーが比較検討できるような形で広告を表示する新しい広告になります。

今後は小売、旅行、自動車など関連するフィード データがあるすべての業種で実行されることが予定されており、2024年初頭に一部のユーザーに対し、ベータ版として提供されるとのことです。

詳しくはこちらの記事でご紹介:Microsoft がBing Chat専用に設計した「Compare & Decide Ads(比較・決定広告)」を発表

THE ERA OF AI: Microsoft 広告が切り拓く、新しいデジタルマーケティングの資料から引用

3.今年5月に発表されたAds for Chat API

Ads for Chat APIとは、パブリッシャーやアプリやオンライン サービスにMicrosoftのAPIを利用することで、チャット内に広告が表示され収益化できる機能を提供するものです。

既に、SnapchatとAxel Springerに提供しており、Snapchat の My AI チャットボットと Axel Springer の Hey_ (hey.bild.de) に組み込まれています。

THE ERA OF AI: Microsoft 広告が切り拓く、新しいデジタルマーケティングの資料から引用

今後予定されているもの

今後、リリースが予定されているものとして、インストリーム動画広告やアウトストリーム動画広告があるようです。

また、10月13日に大手ゲーム会社であるActivision Blizzard, Inc.の買収を完了したことで、ゲームでの新たなタッチポイントが生まれることも期待されます。

パネルディスカッション

第二部では
MicrosoftからMicrosoft Advertising Japan セールス マネージャー 岡部氏
Microsoft Advertising Japan カスタマーソリューション マネージャー 上林氏
株式会社マネーフォワード マネーフォワードビジネスカンパニー 横断マーケティング本部 デジタルマーケティング部 部長 真鍋氏
株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 マネージャー 原氏
が登壇し、媒体、広告主、広告代理店と各々の視点での意見交換がなされました。

ここではパネルディスカッションで、特に印象的だった点を掻い摘んでお伝えします。

1.Microsoft 広告を始めたきっかけ

Microsoft 広告でアプローチできるデモグラ情報と主な配信面がデスクトップであるという点が商材に適していた。(マネーフォワード 真鍋氏)

2.ここまでの評価

Microsoft 広告はローンチした当初から、大幅な拡大を見せていた。
オーディエンス面も一定の効果を上げており、これまで他媒体のディスプレイ広告で上手くいかなかった広告主にも勧めることができる。(サイバーエージェント 原氏)

まじめに検討するユーザーが多い印象である(例えば旅行や転職などの大きな判断を迫られることが多い商品やサービスにおいて)。
検索語句を見ていて、情報リテラシーの高さを感じることがある。他媒体と比較しLTVが高い。(マネーフォワード 真鍋氏)

3.今後の期待

配信ボリュームを増やしてほしい。
新しい検索体験や企業向けターゲティングに期待したい。(マネーフォワード 真鍋氏)

チャットを通じた広告コミュニケーションに期待したい。(サイバーエージェント 原氏)

まとめ

ad:tech tokyo 2023にて語られたMicrosoft 広告が直近で発表した新機能や広告フォーマット、今後予定されている展開、第二部で行われたセッションをご紹介させていただきました。

リリース当初から次々と新しくユニークなサービスや機能を展開してきたMicrosoftですが、まだまだ勢いは止まりそうにありません。

他の媒体の後を追うのではなく、Microsoftの強みを活かした広告フォーマットや機能を追加しているように感じました。

今後の展開にも期待しつつ、また新たな情報が出ましたらご紹介させていただきます。

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この記事を書いた人
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岩瀬 真理
デジタル広告コンサルタント
不動産業務支援システムの新規営業から、自分の手でクライアントの利益に貢献したいと思い、広告代理店に転職。そこで、一通りの運用型広告支援を経験し、さらなるスキルアップを目指しアユダンテにジョイン。営業マンを経験しているので、たとえばBtoBでは営業マンさんがゴールを決めやすいように、リードの質にこだわっている。
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