今回のコラムは、GA4のデータ探索レポートの手法「目標到達プロセス」について解説します。GAにも各目標(コンバージョン)に目標到達プロセスのレポートがありましたが、事前に目標設定へステップを設定する必要がありました。GA4の「目標到達プロセス」レポートは大きな特徴として、事前設定は必要ありません。計測している各データから「最後のステップ(目標)や各ステップを自由に設定・編集することができるようになっています。
GA4の「目標到達プロセス」レポートとは?
「目標到達プロセス」レポートは、計測しているイベントやページ単位で、コンバージョンや特定のイベントやページ(最後のステップ)に至るまでのステップをファネルレポートで最大10ステップまでビジュアル表示することができます。サイト内のユーザー遷移で「ユーザーが意図した遷移でステップを完了しているか」「放棄が多いステップはどこか」をすばやく確認することができます。
目標到達プロセスレポート画面
目標到達プロセスレポートの作成例
目標到達レポートを作成するときは、ステップに設定するサイトのページや、イベントを事前に定義する必要があります。事前にレポート化したいステップの設定情報を調べましょう。アユダンテのサイトで「トップ⇒お問い合わせ⇒お問い合わせ完了」のステップで作成した例を紹介します。
STEP1:ステップに利用するページのURLを確認する。
まずはステップに該当する「トップ⇒お問い合わせ⇒お問い合わせ完了」ページのURLを確認します。今回は下記図の赤矢印の導線をステップとして作成します。
トップページ=「/」
お問い合わせ=「/contact-jp.htm」
お問い合わせ完了=「/sendform-jp.php」
STEP2:タブの設定「ステップ」を選択し、各ステップの値を入力していきます。
今回はページ/スクリーンから「ページ遷移+クエリ」 を選択しています。
STEP3:ステップ2、ステップ3の条件を入力してレポートを完成させます
ステップ1~ステップ3の設定内容
完成した目標到達プロセスレポート
目標到達プロセスレポートの使い方
完成した目標到達プロセスレポートはレポートの下部に各ステップのユーザー数、完了率、放棄数、放棄率のデータが表示されます。ここからどのステップで放棄率が多いかを知ることができます。レポートを見るとステップ2⇒ステップ3の放棄率が57.3%でした。また、デバイス別でみるとmobileがステップ1⇒ステップ2の遷移が無く、すべてがdesktopからの問い合わせでした。
なお、上部のグラフエリアで右クリックすると「到達した(離脱した)ユーザーのセグメント作成」「ユーザーを表示(ユーザーエクスプローラー)」を選択することができます。作成したセグメントを他のデータ探索レポートへ適用し、詳細な調査を行ったり、オーディエンス(ユーザーリスト)を作成してGoogle広告へ活用します。
ステップ2で離脱したユーザーのセグメントを「経路データ探索」レポートに適用
目標到達プロセスのオープン型、クローズ型
目標到達プロセスの種類は「オープン型」「クローズ型」の切り替えをすることができます。ステップを「トップ⇒お問い合わせ⇒お問い合わせ完了」としたときを例に解説します。
オープンにする(オープン型):
オープンにすると設定したステップの途中から開始したユーザーもすべてカウントします。「お問い合わせ⇒お問い合わせ完了」「お問い合わせ⇒離脱」「お問い合わせ完了のみ」のユーザーもカウントします。
オープンにしない(クローズ型):
クローズド型は最初のステップ「トップ」を経由しないユーザーはカウントされません。 「お問い合わせ⇒お問い合わせ完了」「お問い合わせ⇒離脱」「お問い合わせ完了のみ」のユーザーのデータはカウントされません。
まとめ
想定しているサイト構成に対してユーザー遷移がどうなっているか、遷移を放棄しているユーザーに対しての詳細調査やオーディエンス化によるアプローチなどGA4の目標到達プロセスレポートは大幅に強化されました。想定しているサイト導線でユーザーがどのポイントで放棄しているかをすばやく確認できます。