マーケターを目指すアナタに贈る、広告概要とそのポイント〜「広告とは? 編」
2020年12月22日
ライター:河野 芽久美
SEM

2020年、世の中の状況が一変し、私たちの働き方も変わりました。「テレワーク」という、チームメンバーの気配を感じにくい状況で毎日を過ごすことになり、何かしらの共に学ぶ場を作るのが良いのでは、というの発案のもと、月曜日の広告チームのミーティングの場を「勉強会」という場に変化させています。

今回は、その場で8月に話した「マーケティングを目指すアナタに贈る、広告概要とそのポイント」を、一部抜粋してコラムにすることにしました。

このテーマを勉強会に選んだ理由は、7月に広告チームに若手の新人が入社したことや、アユダンテにはインターンがおりメキメキと頭角を現しているので、そんな若手に「広告」っていうものを知ってもらいたいと考えたことにあります。
同時に「広告」と一口でいっても、私たちが携わる「WEB広告」もあれば、「テレビCM」「チラシ」「デジタルサイネージ」等、多種多様なものが存在し、自分自身の整理のためにも必要なことかも、とも思った次第です。

まだ、マーケターとは呼べないけれども、これからマーケティングの世界で活躍する人になって欲しい、という願いを込めてお話しさせていただいたことなので、この道の達人たちには退屈な内容かもしれませんが、ご一読いただければ幸いです。

■マーケターとは

タイトルにある「マーケターを目指すアナタ」は、まず、マーケターの意味を知ることが重要です。日頃、「マーケター」という言葉を普通に使っていましたが、この機会に調べることにしました。
複数の辞書などを横断して検索できるコトバンクで検索してみると、

“マーケティング理論や調査に専門的な知識を持つマーケティング戦略立案者のことをいう”

という説明が最初に記載されています。実に端的にマーケターについて説明されていると思います。では、ここに書かれている「マーケティング」って実はどういうことなのでしょう。

■マーケティングとは

広辞苑によると、

“商品の販売やサービスなどを促進するための活動。市場活動”

とあり、
大辞林によると

“消費者の求めている商品・サービスを調査し,供給する商品や販売活動の方法などを決定することで,生産者から消費者への流通を円滑化する活動”

とあります。

日本で活用されている著名な辞書には、上記のように説明されていました。
要するに、モノやサービスを売り、普及させるための活動を「マーケティング」と位置付けています。もう少しかみ砕くと、
「新商品を開発する前に、市場調査を行い、売れる商品を作るための市場活動」であり、
「新商品を販売する際、より多くの利益を得るため、商品を認知させ購買・利用を促進させるための市場活動」と読み取りました。

売れる商品を作るためにリサーチを重ね、作った商品を売上に繋げる行動を「マーケティング」という。なるほど。
ただ、ここまででは、まだ「広告」という言葉は現れていません。

では、「広告」って、いったいどいうことなのでしょう。「マーケティング」との関係は?

■広告とは

広辞苑によると、

“広く世間に告げ知らせること。特に、顧客を誘致するために、商品や興行物などについて、多くの人に知られるようにすること。また、その文書・放送など”

とあります。
「広く世間に告げ知らせること」。「広告」という文字通りの意味ですね。そして、「広告」について調べたところで「マーケティング」との関係性が見えてきました。
マーケティングの「商品を認知させ購買・利用を促進させるための市場活動」と
広告の「顧客を誘致するために、商品や興行物などについて、多くの人に知られるようにすること」とは、ほぼ同じことを意味していると受取れます。よって、「広告」は「マーケティング」活動の一部であると言えます。

「広告」を扱う私たちは、「マーケティング」の一翼を担っており、「マーケター」であるべきだと、言葉の意味を調べたことで、より一層強い想いをいだくようになりました。

では、広告っていったいどんな種類があるのでしょうか。


■広告の種類

2020年に電通より発表された「2019年 日本の広告費」によると、私たちが携わるインターネット広告が初めてテレビ広告を抜いたと報じております。

テレビメディア広告費とインターネット広告費2019
出典元:電通「2019年 日本の広告費」

インターネットはまだ30年足らずのメディアですが、とても急速に、大きく成長しております。その陰で、もちろん淘汰されていったメディアもありますが、今、私が認識している広告メディアを分類してみました。

・ 紙など、手に取って読める媒体に掲載される広告
  └ 新聞・雑誌・チラシ・タウン誌など
・ マスメディアなど、多くの人と接触可能な面に掲載される広告
  └ テレビ・ラジオなど
・ 特定の場所で、目にするところに掲載される広告
  └ 交通広告・看板・デジタルサイネージなど
・ インターネット広告
  └ WEBサイト・SNSなど


以前、Googleの画像検索で昔の新聞広告の画像を集めたことがありました。

昔の新聞広告の画像

私を含め、この記事をご覧いただいている方がまだ生まれる前から、広告は存在していて、すなわちマーケティング活動も行われていました。一つ一つ記事を見てみると、今でも大事にしている広告に必要な要素がキチンと反映されていることがみてとれます。

では、広告に必要な要素って、いったい何なのでしょうか。

■広告に必要な要素

前述されているように、広告は、

“広く世間に告げ知らせること。特に、顧客を誘致するために、商品や興行物などについて、多くの人に知られるようにすること。”

です。

ただ、全ての広告は少なからず費用が伴うものなので、誰彼かまわずばら撒くものではありません。多くの人が見るテレビCM、どのような人が手に取るかが解りづらい新聞広告であっても、戦略をもって計画されたもの。「多くの人に知られるようにすればいい」と闇雲に世に出されるものではないのです。
その戦略を考える際に「5W1H」と呼ばれる概念を用いられることがあります。

  • What(何を)
  • Why(なぜ)
  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • Who(誰に)
  • How(どのように)

が基本の5W1H。

今は、この5W1Hを基にした発展形を提唱する方もおりますが、私は、この5W1Hを以下のように理解して広告の戦略を考えています。

私の5w1h

  • Why What(なぜ? この何を選択するのか)
  • Why Who(なぜ? この誰を選択するのか)
  • Why When(なぜ? この時を選択するのか)
  • Why Where(なぜ? この場所を選択するのか)
  • Why How(なぜ? この方法を選択するのか)

なんで? なんで? どうして? どうして? と、小さい子供が大人に尋ねる時よりもしつこく、自問自答しながら戦略を考えています。そして、そうするべきだと心底思うのです。そうです、面倒くさい女なのです。

しかし、広告に携わる以上、自分が立てた戦略に責任をもたなければならないし、お客様に納得いただかなければ、そもそも広告に携わることすらできない、スタートラインに立つことを許されません。そのため、ご理解・ご納得を得るために、隙のない説明をするためにも、この基本はとても重要だと考えています。

もちろん、この考え方は土台であって、基本が固まった後に、本格的に具体的な提案や、もっと詳細を詰めていくことになるのですが、この基本が歪むと、先に進みづらい状況が生じますので、まずは、自分の頭で心で考え抜いて、考え抜いての基本づくりが必要なのです。

そして、もう一つ重要なことがあります。それは、広告と向き合う私たちのマインド。
気持ちでお金は稼げないけど、心のない仕事は、広告にかかわらず、どのような仕事においても達成に繋げることはできません。

幸い、私は今、広告する仕事に対してほんの少しですが「楽しみ」を感じられる、即ち、心を込めることができていると考えています。そんな私の心得を、僭越ながら述べさせていただきます。

■広告する側の心得

広告は、その役割が

“広く世間に告げ知らせること。特に、顧客を誘致するために、商品や興行物などについて、多くの人に知られるようにすること。”

とあるように、多くの人の目に触れ、時として心を動かし、アクションを起こさせるものです。お客様の商品やサービスを多くの人に告げ知らせるのに際し、少しでも正しく、少しでも快く受け入れてもらうことを考え、決してネガティブな思いを抱かせないよう、細心の注意を払う必要があります。そのために私は、以下のことを心得として仕事をしています。

  • 「なぜ?」という問いを常に頭に置きながら、全てのことを考え抜く
  • 考え抜くために必要な取材・調査を怠らない
  • 取材・調査を行ったらデータをまとめて分析する
  •  分析データをまとめたら「なぜ?」に対する「答え」がおのずと出てくる
  •  その「答え」を基に、必要な要素を磨き上げるだけ

私はインターネット広告にしか携わっていませんが、おそらく、どのような広告に携わることになったとしても、上記の心得のもと、仕事をしていくと思います。もちろん、上記は様々な事柄をまとめて記述していますので、一行、一行、書き連ねたら長くなるほどにいろいろなことを含んでおります。
また、人によって心得は異なるものなので、自分なりの心得をしっかり意識して広告という仕事に取り組むことを望みます。

そして、もう一行付け加えるとしたら、広告にまつわる法律が存在し、それを遵守しなければならない、ということ。

  •  広告には、守らなければならない法律が存在する
  • 景品表示法
  • 薬機法
  •  健康増進法
  •  知的財産権(著作権・商標他)
  • その他、案外いっぱい!

法律を遵守することは当たり前のことですが、どのような法律があるかを知らないと守りようがありません。法を犯すのは個人でも、会社やクライアントに確実に迷惑がかかることなので、法律についても、知り尽くす必要があります。

私は法律の専門家ではないので、ここでいろいろと教示することは難しいのですが、何かが起こってしまった後に「知りませんでした」では話は済みません。しっかりと勉強する必要があるのです。

今回のコラムでは、これからマーケターを目指す方に向けた、インターネット枠を広げて「広告」そのものについて考えをまとめたものになります。

広告とは、

“広く世間に告げ知らせること。特に、顧客を誘致するために、商品や興行物などについて、多くの人に知られるようにすること。また、その文書・放送など”

私たちが考えて、企画して、制作した広告は、文章や放送、インターネットという不特定多数の人に触れるものです。それは、お客様のサービスを告げ知らせる一助となりますが、同時に、時として凶器に変貌する可能性もあるものです。

まずは、「広告」というものがどのようなものなのかを熟知し、「広告」に対する自分の向き合い方を明確にし、誰からも喜ばれる広告の立案者、即ち「マーケター」になっていただければ幸いです。

次回は、範囲を絞った「インターネット広告」についてまとめた記事を書きたいと思います。

アユダンテの広告チームでは応募の前にカジュアル面談をおすすめしています

この記事を書いた人
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河野 芽久美
シニアデジタル広告コンサルタント
自動車雑誌のライター、課金コンテンツ制作を経て広告運用の道へ。お客様の広告運用やレポ―ティングだけでなく、チーム内部のファイナンスを含む業務効率化、職務環境改善にも取り組む。得意分野は「求人」「不動産」「総合通販」。趣味は美味しいモノを食べること。
登壇実績: SEM ohenro茶屋 Vol.2(https://shift-web.co.jp/semohenro/)
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