「動画広告シーケンス」でブランディング広告の効果を可視化
2020年07月3日
ライター:渡辺 麻実子
SEM

SNSなどさまざまな媒体で動画が使用できるようになったことにより、多くの業種で動画広告の活用が広がっていると感じます。
実際に筆者の担当するお客様でも、継続した動画広告配信に取り組むことが増えてきていました。そんな中で、Google広告の「動画広告シーケンス」を実施する機会に恵まれましたので、今回は、あるIT関連企業での動画広告シーケンスの活用例をご紹介します。

動画広告シーケンスとは?

動画広告シーケンスは、複数の動画をあらかじめ決めた順番でユーザーに見せることができるGoogle広告で提供されている動画広告の機能です。
配信面はYouTubeのみとなり、各動画は「ステップ」に分けられ、ユーザーが動画を「表示」した、「視聴」した、「スキップ」した、といういずれかのアクションに対してステップを追加できる仕様となっています。なお、ステップ数に上限はありません。

また、使える動画のフォーマットは下記3点です。

  • スキップ可能なインストリーム広告
  • スキップ不可のインストリーム広告
  • バンパー広告

「スキップ不可のインストリーム広告」と「バンパー広告」を使用した場合、ステップ追加可能なアクションは「表示」のみとなります。

ブランディング動画と製品動画を組み合わせて

今回の施策で用意した動画は下記の通りです。

  • ブランディング動画A
  • ブランディング動画B
  • 製品動画A
  • 製品動画B
  • 製品動画C

ブランディング動画はA、Bの2パターン用意し、A、B、Cそれぞれの製品の動画を各1本ずつで計3本、すべて「スキップ可能なインストリーム広告」で配信。動画の時間は、ブランディング動画A、Bと製品動画A、Bは30秒、製品動画Cのみ6分を超える長尺の動画です。

この動画を、同一のターゲティングで

  • ブランディング動画A(視聴)→製品動画A(表示)→製品動画B(表示)→製品動画C
  • ブランディング動画B(視聴)→製品動画A(表示)→製品動画B(表示)→製品動画C
上記2パターンの配信を試すことになりました。ブランディング広告の良し悪しを見るだけなら通常の配信でもいいのですが、ブランディング広告の良し悪しが、各製品動画に影響するのかしないのか、というのも併せて確認するのが施策の目的です。

ブランディング広告の成果を可視化

上の表は3か月間の配信結果をまとめたものです。
まず、ブランディング動画A、Bの比較ですが100%再生された割合は、Aは12.19%だったのに対し、Bは19.53%と7ポイント以上ブランディング動画Bが高い結果となりました。
さらに、A~Cの製品動画の100%再生された割合も、ブランディング動画Aのあとに配信された製品動画より、ブランディング動画Bのあとに配信された製品動画の方が高かったのです。また、平均再生時間もブランディング動画Bのキャンペーンの方がすべての動画で長い結果になりました。

動画に限らずブランディング広告は「成果」が見えにくいと言われていますが、今回の施策から、良いブランディング広告が製品に対する興味喚起にも寄与できる可能性がある、ということが言えそうです。

ほかにもこんな活用法

今回は、動画広告シーケンスを活用しブランディング広告の効果を見ることができましたが、ほかにも下記のような活用もできそうです。

  1. 続きもの
  2. 1つの商品(サービス)のベネフィットを複数のバンパー広告を使い多面的に訴求

これは複数の動画を順番通りに配信できる、という点を生かした活用案です。特に2.は伝えたいことが多くて動画が長くなりがち…という悩みをお持ちの方にはぴったりなのではないでしょうか。

ほかには、ターゲティングを変えた複数の動画広告シーケンスキャンペーンを設定し、ターゲティングごとに違ったストーリーを見せるといったこともできそうです。

動画広告シーケンスを実施するためには、「複数の動画を用意する」という点にハードルの高さを感じるかもしれません。しかし最近では、テンプレートを利用し気軽に動画を作成するサービスなどもありますので、そういったサービスを活用しつつ動画広告シーケンスに挑戦してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
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渡辺 麻実子
デジタル広告コンサルタント
インターネット広告代理店にて不動産関連のWebプロモーションに従事、その後アユダンテに入社。スーツにヒールがトレードマーク。気風のよさと、きめ細やかな気配りの人。片岡仁左衛門の追っかけというニッチな趣味を持つ。
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