広告媒体が進化したら・・・広告運用者はいらない!?

2020年06月30日
ライター:高瀬 順希

0. 【祝!重版出来!】ネット広告運用”打ち手”大全 第5刷

本書のFacebookパートを執筆した高瀬です。大変ありがたいことに、本書はご愛顧いただきまして、重版出来もこれで4回目となります。

出版した当時は、書店に「1広告媒体×機能解説」を中心とした書籍が多く並んでいました。その中で「2広告媒体×成果を上げるための解説」という点が、受け入れていただいたポイントではないかと思っています。

お知らせだけでは申し訳ないので、広告媒体の進化によって成立してきた運用方法を一部ご紹介させていただきます。また、成果の上げやすくなっている現状からTwitterで散見される「広告運用者は必要なのか?」というテーマについても、僭越ながら私の意見を述べさせていただきます。

1. Google広告とFacebook広告で ほぼノンターゲティングで成果が上がる!?

本書の打ち手1に「デュオポリーの波に乗れ」という章があります。
モノポリーは1社独占で、デュオポリーは2社独占のような意味です。これはGoogleとFacebookの2社を指しています。この2社に多くの広告費が集まり、それによって学習データも大量に収集されています。その結果、Google、Facebookの機能が進化して成果を上げやすくなっていくので、広告をやるならこの2社はまず検討しましょうといった内容の章です。

弊社で支援させていただいている企業様の中では、Google、Facebookともにターゲティングを年齢性別だけなど、かなり広めの設定をして、安価にコンバージョンを大量獲得できているところもあります。Facebookだと最近は「流動性」といった表現で近いことを話されていますのでチェックしてみてください。

こういったターゲティングは数年前であれば、大惨事になりかねない設定方法でしたが、機械学習の進化によって、この運用方法が成立しているのは感慨深く感じています。

もちろん、商材やブランド力や業種など様々な条件によって成立しており、全キャンペーンでこの運用方法を適用しているわけではありません。よって、どの会社様でも同じようにやれば成果が上がるというものではないので、ご注意くださいませ。

2. 広告媒体が進化したら、広告運用者はいらない?

普段からGoogle広告、Facebook広告を触られている方はわかると思いますが、広告の設定はどんどん簡単になり、使いやすくなっています。そして、上述した広めのターゲティングにして機械学習任せで成果が上がるようになれば「広告運用者はいらないのでは?」と考えるかもしれません。

それは、広告運用者の役割が、広告代理店の名前の通り「事業主様の広告を代理で出す」だけであれば、事業主側で取り組めばいいので不要と判断する可能性はあります。ただ、実際はそんなに単純な話しでもないのです。例えば、広告で成果が上がる状態における、ユーザーの行動は以下のような例が考えられます。

例:
ネットサーフィンをしていて、良いビジュアルや良いコピーに惹かれて広告をクリック。
LPの説明で購買意欲が高まり、購入・申し込みなどに至る。

この流れで成果が上がっている場合、主に「商品」「ブランド」「ターゲット」「広告」「LP」などが成果を上げるための変数と言えるでしょう。広告運用者がカバーしているのは、従来のイメージだと「ターゲット」「広告」だけで、管理画面上のコンバージョン数が評価指標というのが一般的でしょうか。

ただ、実際のカバー範囲は、というより弊社の取り組み方としては、事業主様のマーケティングチームの一員として、伴走するような形で「商品」「ブランド」「ターゲット」「広告」「LP」すべてに関与する形を取らせていただくことが多いです。

そうしている理由は3点あります。
1点目は、広告側のデータから「商品」や「LP」の改善点が見えることも多く、全体を見て改善することで成果を伸ばせることも多いため。当然ですが、事業主様の方が「商品」「ブランド」に詳しいものの、広告側のデータからフィードバックして改善するという視点は、代理店側の方が優れていると感じるケースは多く、実際に成果も上がっています。

2点目は、事業主様が求めているのは成果(売上など)であって、管理画面上のコンバージョン数を増やしても成果につながらない事もあるため。特にBotBではありがちですが広告で集客した見込顧客がターゲットとズレがあり、ほとんど売り上げにならないケースなどが散見されます。

3点目は、単純に「ターゲット」や「広告」だけでは改善にも限界があり、成果を上げにくいことも多いため。LPの構成に問題があるケースに始まり、商品の売り方や強みの見せ方などを改善することで成果が伸びるケースはよくあります。

もちろん、そんなにリソースや費用をかけられない場合は「ターゲット」と「広告」だけを広告代理店に任せるという考え方もあるでしょう。

まとめると、広告代理店に対して、従来型の「ターゲット」「広告」などの代行などを期待する場合、広告媒体の進化とともに、広告運用者の価値は相対的に下がる傾向にあると考えています。一方で「商品」「ブランド」「ターゲット」「広告」「LP」などを使った全体的な成果を期待する場合、広告運用者は、広告媒体の進化で「ターゲット」「広告」に割いていた時間が削減されます。それにより、広告運用者が成果を上げるために時間を使えるようになり、成果を上げやすくなることで相対的に価値は上がるのではと考えています。

3. 最後に

広告運用者にとって、広告媒体の進化は成果を出しやすくなって嬉しい反面、自分の仕事が奪われるのでは?という不安も増える諸刃の剣のようなものです。その中で、広告運用者が今後どう向き合っていくかが問われているのではないでしょうか?

筆者も答えを持っているわけではありませんが、まずは、自分の守備範囲を広げていくことが大事なことだと考えています。事業主様は広告が全てではないので、広告だけの視点から少しずつ広げていき、事業主様の視点で見られるようになれば、事業主様のビジネスにもっと貢献できるはずです。

まだまだ私も未熟者ですが、広告だけに捕らわれず、より事業主様のビジネスに貢献できるよう今後も腕を磨いていきます。今後ともどうぞよろしくお願いします。

この記事を書いた人
高瀬 順希
高瀬 順希
SEMコンサルタント
Facebook広告スペシャリスト

SE、SEO、広告運用を経て、アユダンテに入社。大型案件の運用に携わる。お気に入りはFacebook広告。趣味は料理と登山。寶と共催するオフィスランチ会では、オーブンを持ち込んでピザを焼くという一面を持つ。

著書