ブランディング向け広告とセットで語られることの多い、ブランドリフトやサーチリフト。
Facebook広告では「テストと分析」機能を使えば、ブランドリフトやコンバージョンリフトは手軽に試すことが可能です。
ただし、サーチリフトに関してはFacebook担当者を介さないと設定はできず、金額的なハードルもあるため誰もが使用可能な機能ではありません。そもそも検索エンジンを持たないFacebookがどうサーチリフト計測するのか?という疑問を持たれている方も多いと推測されます。
そこで今回はFacebook広告に接触してからどれぐらいのユーザーが検索してサイトに流入したのか確認する方法をご紹介します。もちろんFacebook担当者を介さずに個人でも実行可能な方法です。どういった広告が検索行動を誘発させやすいのかといった検証に使える内容となっています。
1. 計測の仕組み
例えば、弊社(アユダンテ株式会社)でFacebook広告を掲載し、その広告を閲覧したユーザーが後ほどGoogle検索で弊社サイトに流入した場合、Facebook広告に接触したユーザーがGoogle検索で1回流入したと計測されるようなイメージです。
具体的な仕組みとしては、まずFacebookピクセルにUTMパラメータを取得するカスタムイベントコードを追記することでトラッキング可能な状態にします。次に、取得したUTMパラメータの値を基に、Google検索やYahoo検索などを拾えるようにカスタムコンバージョンを作成するという流れです。具体的には次の章をご確認ください。
計測までの流れ
- Facebookピクセルへのカスタムイベントコード追記
- カスタムコンバージョン設定
- 完了
2. 具体的な設定方法
a. Facebookピクセルへのカスタムイベントコード追記
追記としましたが、実際には下記に記載するカスタムイベントコードをFacebookピクセルのベースコードの後ろに記述するだけです。Facebookピクセルを入れているページ全てに設置してください。下記の順でコードが読み込まれれば設定OKです。
カスタムイベントコード
<script>
function fbqSearchKeyword() {
var locationSearch = window.location.search;
var utmSource = locationSearch.match(/[?&]utm_source=([^]*)/);
var utmMedium = locationSearch.match(/[?&]utm_medium=([^]*)/);
var utmCampaign = locationSearch.match(/[?&]utm_campaign=([^]*)/);
var trackingFields = {
utm_source: utmSource && utmSource[1],
utm_medium: utmMedium && utmMedium[1],
utm_campaign: utmCampaign && utmCampaign[1],
};
if (!utmSource || !utmSource[1]) {
trackingFields.utm_source = 'organic';
}
var referrer = document.referrer;
if (referrer) {
var link = document.createElement('a');
link.setAttribute('href', referrer);
var pattern = new RegExp('[\\?&](?:q|query)=([^]*)');
var query = link.search.match(pattern);
if (query && query.length > 0) {
var keyword = query[1].replace(/\+/gi, "%20");
}
if (keyword) {
trackingFields.hostname = link.hostname;
trackingFields.keyword = decodeURIComponent(keyword);
} else {
trackingFields.hostname = link.hostname;
trackingFields.keyword = null;
}
} else {
trackingFields.hostname = null;
trackingFields.keyword = null;
}
if (document.referrer.indexOf(location.protocol + "//" + location.host) !== 0)
fbq('trackCustom', 'referrerSource', trackingFields);
}
fbqSearchKeyword();</script>
b. カスタムコンバージョン設定
Facebookピクセルへの追記が終わり、カスタムイベントコードの読み込みが開始されるとカスタムコンバージョン設定の「すべてのURLトラフィック」内に「referrerSource」という項目が選択できるようになります。記述したばかりでは表示されない可能性があるので、表示されない場合は少し待ってからご確認ください。
Yahooは自然検索と有料検索を分けてカスタムコンバージョンを設定することが可能です(有料検索でUTMパラメータを設定している場合です)。なお、Googleに関してはGoogle広告を自動タグ設定にしている場合、UTMパラメータはつかず(gclid表記になる)、UTMパラメータを読み込むことができないため、有料検索と自然検索を分離できない仕様となっています。
c. 設定完了
3. 最後に
管理画面上の数値に関してはキャンペーン、広告セット、広告いずれの階層でも確認可能です。ただし、カスタムコンバージョン計測なのでユニークユーザーレベルでの確認はできません。筆者としては、有料検索や自然検索で細かくカスタムコンバージョン設定はせずにGoogle,Yahoo.その他,全媒体合算くらいの粒度が使いやすいと感じています。
Facebookにおけるサーチリフトという表現は、厳密にはFacebook広告によってリフトされた検索数ではなく、検索経由の流入数のリフトを指しています。Google広告で活用するサーチリフトはキーワードを指定しますが、Facebookではキーワードを指定しないため、すべての検索語句での流入がカウントされ外部要因を受けやすい点に注意してください。ブランド名のキーワードを設定している検索広告キャンペーンだけutm_mediumを変えてカスタムコンバージョンを設定するなどの活用も良いと思います。目的に合わせてご活用ください。