Googleアナリティクスで行うデータ活用の処方箋 vol.4「GAIQを取ろう!」
2016年11月29日
ライター:山浦 直宏

GAIQをご存知でしょうか?

Google Analytics Certified Qualification」 という、Google アナリティクスの個人向け認定資格のことです。

AdWords広告の運用を担当されている方は「AdWords認定資格」をお持ちの方も多いと思います。
AdWordsの運用を担当されている方は企業内の方であれ広告代理店の方であれ、実際に広告費をかけて運用で成果を出すという直接的なミッションがあります。その上でAdWordsという広告運用プラットフォームの機能や使い方を学び得た知識を運用に活かすことは費用対効果に直結する問題なので非常に重要です。また、運用者によっても「資格保有者」であるということはAdWordsの運用スキルの証として社内や顧客企業へのアピールとして有効ということもあり資格に対するニーズも高いと思われます。

一方で、Google アナリティクスは“無料で使えるアクセス解析ツール”として広く普及しているツールですがGoogle アナリティクスは広告などの施策運用ツールではなく、導入自体が費用対効果に直結するツールではないためか、学習の対象として時間を割いたり、わざわざ試験を受けて資格を取ろうというニーズはAdWords資格に比べると少ないというのが現状かと思います。

今回は、Google アナリティクスのデータ活用の範囲が広がりつつある今(広告などの施策運用に必要不可欠なデータとなっている)、改めて「Google アナリティクスを知り、学ぶ」機会としてのGAIQの必要性についてお話ししたいと思います。

  1. Google アナリティクスのデータは誰が使うもの?
  2. 「学び」から得られるものは何か。
  3. 「資格」は持ち続けることに意味がある。
  4. 資格取得のための必勝戦術。
  5. 今回の処方箋

Google アナリティクスのデータは誰が使うもの?

本連載のVol.1「アトリビューション分析を行うために必要な本当のこと。」では、アトリビューション分析に必要な事として分析をする人の役割や組織についても触れさせていただきました。

また、vol.2「もっともっとモバイルデータを見よう!」においては、計測対象となるデバイスのマルチ化によってUserID機能などの新しい機能や集計ならびにターゲティングについても新しい考え方が必要になってきている状況を解説いたしました。

そして、Vol.3「統合と連携で拡張するユーザーデータの活用。」ではアクセス解析ツールとしてではなくデジタルマーケティングプラットフォームとして活用するために必要なステップと、データ活用の人的、組織的広がりについても触れさせていただきました。

私が一貫してお伝えしたい事(テーマ)の1つは「変化」であり特に「広がり」です。

様々な領域でデータの活用が語られ、ツールが誕生し、経営やマーケティングで成果を出しつつある今、Google アナリティクスは、確実に「オウンドメディアのユーザーデータ」の計測&セグメント機能として進化してきています。
さらにアクセス解析領域のみならず、広告を中心としたマーケティング施策に直結した、連携の「中心的な装置」として進化を遂げていると思います。

広告もサイト改善もCRMも、この「オウンドメディアのユーザーデータ」無しには何も始まらない時代が来ている、と言っても過言ではないでしょう。Google アナリティクスは、そのデータ活用時代における中心的なツール(プラットフォーム)であることは間違いありません。

その意味では、広告担当者であれ、ウェブ担当者であれ、分析担当者であれ、現場の担当者、マネジメント、経営層を問わず、この「オウンドメディアのユーザーデータ」の活用の仕組みを学び知ることの必要性は高まっていると言えます。

「学び」から得られるものは何か。

「学び」から得られるもの。それは「知識」に他なりません。GAIQ資格取得には試験に合格する必要がありますが、そのためには当然知識が必要になります。

その学びには、(机上の)学習による学びと経験による学びがあります。いずれにしろ、学びから得られた知識はGoogle アナリティクスによるユーザ―データの活用に必要なものになります。

私は2010年に初めてGAIQを取得してから、この6年余りの間に、少なくとも5回以上のGAIQ試験合格をしてきました(仕事柄、教える立場でもあるため研究目的で受験することも多々あります)。その中で、上記の学習と経験から得られる知識のほかに、とても重要で大きなものが得られているという事に気づきました。それは、

  • GoogleがGoogle アナリティクスユーザーに求めているものは何か?

つまり、Googleの意思ともいえるようなものの理解です。

継続的に資格試験と関りを持つようになったことで、網羅的な知識のリフレッシュが行われ、時系列的な全体の変化が見える中で、私は結果として、この資格試験によってGoogleがユーザーに求めていることにも変化がある、と感じるようになったのです。

「ツールは手段に過ぎない」と、よく言われます。
確かにその通りだと思います。ツールありきで企業のマーケティング課題解決を考えるというのは、間違ったプロセスであると私も思います。

しかし、ツールがプラットフォームとして進化し単一の機能ツールからマーケティング活動全体を支える基盤として広がりを見せている現状においては、その基盤の機能や仕組みを理解するだけでなく、「開発の意思」を汲み、活用に活かしていくということが、基盤導入の成果を存分に得るためには必要ではないかと考えています。

その意味で、様々な利用目的で日頃Google アナリティクスを利用している方々が「資格学習」という機会の中で「網羅的かつ体系的」にGoogle アナリティクスを学ぶという事の意味は非常に大きいのではないかと思います。

Google アナリティクスを、個別の利用目的に沿った部分や機能しか利用されていないと、それはGoogle アナリティクスを平面的にしか見ることができません。網羅的な学習によって3次元的で立体的な構造、姿としてGoogle アナリティクスを理解することができてて初めて「GoogleがGoogle アナリティクスユーザーに求めているもの」という意思をくみ取ることができるようになるのだと思います。

「GoogleがGoogle アナリティクスユーザーに求めているもの」その理解の向こうに「オウンドメディアのユーザーデータ活用」法のヒントがたくさん隠されていると私は思います。

「資格」は持ち続けることに意味がある。

GAIQ資格には有効期限があります。取得から18か月間です。

長いようであっという間の期間です。本記事をお読みの方の中には、過去にGAIQを取得された経験をお持ちの方もおられるかと思います。
一度合格すればGAIQ取得経験はあるわけで、それだけでもGoogle アナリティクスの知識を持っていると言えなくもないですから、中々再度受験をして更新をしようなどと思わないものかと思います。
しかし、そのような方でもGoogle アナリティクスが日々進化し新しい機能追加があり活用の幅もどんどん広がっているという実感はお持ちかと思います。

最近、GAIQの出題問題について改めて調べてみました。2年前の出題全問と直近(2016年11月)の問題を比較した結果、

出題問題のうち、85%は新しい問題に更新されている。

ということがわかりました。

2年前のGoogle アナリティクスと現在のGoogle アナリティクス。日々利用して機能の進化を実感されている読者の皆さんであれば、納得のいく数字ではないかと思います。そう考えると、GAIQ資格の18か月という有効期限は非常に意味のあるものであるということがわかります。少なくとも現在失効されている方々は、「GAIQは取ったことがあるから、Google アナリティクスのことは大体わかっている」とは決して言えないのです。

GAIQは持ち続けることこそが、Google アナリティクス活用におけるGoogleの意思を理解し、最新の機能による「オウンドメディアのユーザーデータ活用」を実現出来うるスキルがある事の証となるのではないでしょうか。

資格取得のための必勝戦術。

さて、いざ資格取得に向かって進むとなればただ闇雲に進むよりも効率的に取得できるように“戦術”を考える必要があります。

皆さんは日々業務に追われ多忙な日々を過ごしている中で、十分な学習時間や実際の受験にかかる時間(試験時間は90分ある)を確保することが容易ではないからです。

Googleは資格取得のための学習コンテンツを用意しています。GAIQはGoogle アナリティクスについての試験なので「Google アナリティクスヘルプ」も非常に役立つ知識源であることは間違いありませんが、試験のための学習コンテンツとしてはマニュアル的であり情報量が多すぎます。ヘルプを全部読破する……と考えただけでめまいがしてきますよね。

学習コンテンツとしては、

まさに、GAIQ取得学習者に向けたコンテンツなのでGoogle アナリティクスについて「網羅的&体系的」に学ぶ事ができます。
とはいえ、内容はかなり豊富なのである程度の学習期間が必要になります。やはり資格試験の受験までには、余裕を持った学習計画と受験時間の確保がとても重要になってくるでしょう。また、現在のところ、このコンテンツは残念ながら英語版となっているので英語が苦手な方は、より学習計画に時間の余裕をもつことが必要になるでしょう(GAIQ試験そのものは日本語によって行われます)。
それでも、もっと短い時間で効率的に学習をし、資格試験を突破したいという方には、宣伝になりますが、マーケジン・アカデミーで開催されるGAIQ試験対策講座をおススメします。

講座は、出題範囲に的を絞り効率的に学習ができるようにプログラムされています。さらに、その新鮮な知識そのままに、その日のうちに受験までサポートするという流れで構成されています。
次のような方は是非受講の検討をされてみてはいかがでしょうか。

  • Googleアナリティクスの利用経験者で資格未取得者
  • すでにGAIQを受験経験はあるが、取得できていない方
  • GAIQ資格失効者
  • ウェブ制作・運用、ネット広告運用、マーケティング担当者
  • まとまった学習時間や受験時間が取れない方
※実際の講師は男性です。

今回の処方箋

  1. ユーザーデータの継続的な活用のためには、ツール・プラットフォームの最新理解が重要。
  2. ユーザーデータ活用する様々なマーケティング関連職種の人の理解が必要。
  3. 変化が早いプラットフォームの姿を常に理解し続けるために、資格取得とそのための学習は非常に効率的な手段。
  4. GAIQを取ろう!

May the DATA be with you!

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この記事を書いた人
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山浦 直宏
COO
Google アナリティクス 360、Google マーケティングプラットフォーム活用を中心としたデジタルマーケティングコンサルタント。ネット広告の黎明期より一貫して、ネット広告、デジタルマーケティング畑を歩む。講師を務める「Google アナリティクスIQ講座」では資格取得者900名余を育成する一方で、立教大学(元非常勤講師)など複数の大学にて人材育成にも取り組む。講座・講演、業界誌やネットメディアなどでの執筆・寄稿多数。
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