「SMX West 2014」 3日目 振り返りレポート

2014年03月17日
ライター:寳 洋平
2014年3月11日から13日までの3日間、アメリカ西海岸San Joseで開催されているコンファレンス、SMX West 2014に参加しています。 最終日のセッションを振り返ったレポートをお届けします。
  1. 今回もPaid Search Trackを中心に参加
  2. 3日間を振り返って

今回もPaid Search Trackを中心に参加

Paid Search Trackから3つのセッションに参加しました。くたびれたリスティングのキャンペーンに新たな息吹きを、というセッション、 PLAs(Product Listing Ads=商品リスト広告)について、そしてリターゲティングに特化したセッション。参加したセッションのハイライトをお伝えします。

Breathing New Life Into A Tired Paid Search Campaign

2日目に引き続き、Brad Geddes氏が登壇。ヴェテランだけあって、一言一言のメッセージにリアリティがあります。 Brian Clark
  • 開設から10年以上経っているアカウントがある。右肩上がりならいいが、山あり谷ありあったはず。
  • その理由は「退屈」にあるか、「全てをやりつくした感」だろう。
  • やりなおすために、新しいことを小さくはじめよう。見逃されがちなベストプラクティスがある。
    • 広告表示オプションをちゃんと使っているか?
    • デバイスごとに広告をテストしているか?そもそもモバイルサイトを持っているか?
    • 類義語を含めているか?
    • ランディングページをテストしているか?最後にテストを提案したのはいつだ? etc
  • 自身にインスピレーションを与えてくれるものを見つけよう。あなたのミューズは何か?
  • 毎年、同じキャンペーンを繰り返すだけになってしまってはならない。
  • 他部署とも話をすることで、新しいインスピレーションを得られる。
  • 新しい問題、今だったらデバイスをまたいで行動している消費者などに目を向けて解決してみよう。
  • 平凡なことをやらなくてはならない。でも、楽しみながらやることで、売上は上がっていくんだ。
続いて、ExpediaのChristi Olson氏が、企業側の立場として登壇。アカウントに新しい風を吹かせるには、リスティング以前にマーケティングの基本に立ち返るべきであると述べました。
  • ときどき、あなたは同じことを繰り返しているように感じるのかもしれない。
  • そんなときチャンスを見つけるには、視点を変える必要がある。
  • キャンペーンの結果は前年同期比で数%上がっているから大丈夫のように思える。でも市場全体はそれ以上に伸びていたらOKではないはず。全体を見なくてはならない。
  • どうするか。自分のアカウントを、自分が新人か、もしくはアカウントを引き継いだばかりの代理店担当者になって評価してみるといい。
Brian Clark
  • リスティングについて考えるよりも前にマーケティングの基本的な質問からはじめよう。例えば、
    • 顧客は誰か?顧客を理解し、顧客のペルソナをつくる。
    • 強みは何か?ブランドの強みや他社との差別化できる点を見つける。
    • ステージは?ターゲットユーザーの購買サイクルに、どんなステージがあるかを理解する。
    • 価格は?価格の点で訴求できるメッセージを見つける。
  • それから、リスティングについて詳しく掘り下げていく。アカウント構造、ターゲット、広告文、テスト、CPCなど。すべては最適化と新しいことをはじめるために行うこと。

Power Boosting Sales With PLAs

PLAs(商品リスト広告)のセッション。Google のSantiago Andrigo氏が、2014年2月に全世界で公開されたショッピングキャンペーンについて話しました。 ショッピングキャンペーンはGoogleの商品リスト広告の改良版のような位置づけです。
  • 2013年、Google商品リスト広告は順調に伸びている。
    • 10億以上の商品が使われている。
    • 前年比で200%以上成長している。
    • 23カ国で使用されている。
  • 商品リスト広告を使っている小売業者からオペレーションしやすく、最適化する上でのよい洞察を得られるようにしてほしいというフィードバックをもらった。 特に、普段オフラインで行っている在庫管理と同じやり方でオンライン在庫を管理したいというものがあった。
  • Googleは3つの方法で商品リスト広告を改良した。

1.小売業者向けのキャンペーン管理

Brian Clark 商品と入札の管理方法をスリム化
  • AdWordsで直接データフィードを確認できる。
  • 商品グループごとにきめ細かに入札価格を調整できる。
  • キャンペーン内に全ての商品データがもれなくカバーされる。

2.高度なレポート機能

Brian Clark 商品属性や個別の商品単位で成果を見られるように
  • 商品グループの階層ごとに分析してエクスポートできる。
  • 商品グループの構造に関係なく個別の商品レベルでも成果が確認できる。
  • 新しい機会を見つけてキャンペーンを最適化できる。

3.競合状況データ

Brian Clark 最適化に活かせる競合の指標
  • 競合の状況をベンチマーク上限CPCとベンチマークCTRで追跡できる。
  • インプレッションシェアから競合の状況を得られる
  • 入札単価シミュレーションを使って新しい機会の可能性をつかめる。
  • FARFETCH(ファッションアイテムを扱う通販サイト)の事例
    • 通常の(商品リスト広告からショッピングキャンペーンに移行。移行は簡単だった。
    • 移行後、CPCが6%下がり、CVRが13%上昇。
    • 結果として、CPAを20%低下させることができた。

Pro-level Tips For Succeeding At Retargeting

リターゲティングのセッション。Googleのリマーケティングを使った高度な戦略とFacebook exchangeを使ったリターゲティングの事例が紹介されたほか、Marketing MojoのTad Miiller氏がB to B向けに精度の高い見込み客を獲得する手段として、Linked inの広告とリターゲティングを組み合わせた方法を語りました。聴き手を惹きつけるプレゼンテーションだったため、こちらを紹介します。
  • B to Bのサーチマーケティングには、多くの困難がつきまとう。なぜなら、同じキーワードでも別の人々にとっては異なる意味になってしまうからだ。自社の製品名にはたいてい、別の意味がある。
  • B to BにはB to Bの文脈があり、キーワードの意図だけでは判断できないことも多い。
  • エンタープライズレベルのB to B製品にはたいてい、低価格な小規模向けの似た製品がある。キーワードでは企業の規模をはかることはできないため、質の高い集客をなかなかしぼれない。
  • 出稿したいキーワードに「エンタープライズ」を加えればよいかというと、それもダメだ。キーワードの検索ボリュームがほぼなくなってしまうからだ。
  • しかも B to Bのキーワードは入札価格が信じられないほど高騰しがちである。
  • したがって、BtoBのサーチマーケティングでは「低い検索ボリューム」で「高いCPC」で「低いCVR」の広告を出し、「長い購買サイクル」のなか「低い成約率」の「少なすぎるリード」を「高すぎるコスト」で行うことになる。
Brian Clark
  • LinkedInがそれを助けてくれる。
  • LinkedInの広告は企業名や役職、年齢、性別、属しているグループでターゲティングできるからだ。
  • ホワイトペーパーやウェビナーの集客で、前代未聞の成功を遂げたことがある。ホワイトペーパーのダウンロードのCVRは10-20%程度あり、サーチキャンペーンで行うよりも600%のコスト削減ができた。ただ、それでも80-90%はアクションを起こさなかった。
  • しかし、それらはB to B用のリマーケティングリストとして活用していけばよいのだ。あなたのターゲット属性にあった確かなリストができるはずだ。
  • Googleアナリティクスのキャンペーントラッキングを使ってLinked In経由の訪問者を区別しよう。
  • リマーケティングでは最大540日間、LinkedIn経由ユーザーをリストしておくことができる。
  • ディスプレイ広告を使って、ホワイトペーパーやウェビナーへの集客を促そう。
  • 本当にマッチしているユーザーを相手にしている。追いかけまくるのはよしたほうがいい。特に、一定の役職を持ち権限がある人間をターゲットする場合は注意しよう。追われるのを嫌がる傾向にある。
  • 関連性を維持しつづけよう。
  • もちろんビジネスがB to Cなら、Facebook広告でも同じことができる。
Brian Clark

3日目を終えて

初日はDigital Marketing Summit、2,3日目はPaid Search Trackを中心に回り、サーチマーケティングを中心としたグローバルでの最新情報をアップデートすることができました。リスティング広告に関していえば、アメリカが進んでいて日本が遅れている、というような差を感じるというより、それぞれの新しい機能などについて異なる視点を得られたことが収穫だと実感しています。 この3日間で知り合いになった参加者との別れ際に「また来年会いましょう」と声をかけられ、来年も参加しよう、という思いを胸にSan Joseを後にしました。