動画サービスVineとInstagramが熱い
2013年07月25日
ライター:藤原 亜希子

6月下旬のInstagramの動画サービスローンチ以来、VineとInstagramの話題が海外メディアサイトをにぎわしている。それぞれの機能と特長をまとめてみた。

  1. シェア争い
  2. 機能の違い
  3. 活用事例
  4. 企業メッセージを伝えるツールとして

シェア争い

このところ海外の記事で、VineとInstagramの話題がよく取り上げられている。
二大ソーシャルメディア、Twitter VS Facebookの構図にある二つのサービスである。

Instagramは2010年にリリースされた画像共有アプリで、2012年、4月にFacebookにより買収された。Vineはニューヨークで2012年6月に設立された企業で、同年10月にTwitterに買収され2013年1月下旬にTwitter Vine Labsから、動画サービスとしてリリースされた。
InstagramはFacebookに買収された時点で登録者数は5,000万人を超えていた人気のアプリであり、Vineがリリースされた当初は「ビデオ版Instagramになれるか?」という記事も出されていた。

アプリとしては後発のVineであるがリリースから半年たらずの6月10日、ついに、VineがInstagram超えたという記事が公開された。
それからわずか10日後、今度はInstagramが動画サービスをローンチ。その一週間後に、同じ調査でInstagramがVineを抜き返したという記事が発表された。

7月4日のアメリカ独立記念日には、それぞれが、「re-vineが過去最高の数字となった」「ビデオの投稿数が過去最高であった」とアナウンスしている。まだ当面、この熾烈な戦いは続きそうだ。

機能の違い

それぞれの機能の違いをまとめてみた。

機能 Vine Instagram
撮影時間 6秒 15秒
自分撮影 あり あり
ゴースト機能 あり(直前の画像を薄く表示) なし
手振れ補正 なし あり
フィルター機能 なし あり
カバーフレーム設定 なし あり
ユーザーのタグ付け あり なし
シェア先 Twitter、Facebook Facebook,Twitter、Tumblr、forsquare、mixi、メール
エンベッド機能 あり(ソース表示) あり(ソース表示)
編集機能 なし(変更したい場合はやり直し) あり(直前のコマの削除、取り直しが可能)
フォトマップ機能 なし あり
動画カテゴリチャンネル あり(15チャンネル) なし
自動ループ あり なし

Vineの特長はなんといっても6秒のループ再生だ。それを理解して、動画の最初と最後をうまくつないでいる動画も多い。
またゴースト機能を使えば、直前の画像がうっすらと表示されるので、コマ撮り撮影もしやすい。

Instagramの特長は編集機能の充実だ。静止画のころから愛用している人も多いだろうアートフィルタ―機能で、雰囲気も出しやすい。
また、撮影途中で失敗したな、と思ったら直前の撮影分は削除して撮影しなおすことが可能だ。

シェア争いの記事では、どちらが生き残るか? といった主旨のものも多い。
しかし、Twitter、Facebookにもそれぞれの良さがあるように、この二つのサービスも、使い分けができるのではないだろうか?

活用事例

NISSAN USAのオフィシャルサイトで実施している動画投稿キャンペーン「YOUR DOOR TO MORE VIDEO CONTEST」。ユーザーによる投稿動画キャンペーンで、その勝者上位3名は、投稿した動画がテレビCMとなって放送されるという特典と、6位までは1000$分のアマゾンギフト券をもらえる。

YOUR DOOR TO MORE VIDEO CONTESTキャンペーンサイト
YOUR DOOR TO MORE VIDEO CONTEST

ただ、ユーザーに任せて動画を撮影、投稿してもらうのではなく、事前にキャンペーン詳細ページでVERSA NOTEのペーパークラフトをダウンロードし、それを使った動画を撮影する。
このキャンペーンは、Vine、Instagramのどちらでも応募できるようになっていて、それぞれの作品がアップされている。

毎年、開催されている安田生命保険相互会社の「マイハピネスフォトコンテスト」も応募した写真がCMの1カットとして起用されるのだが、このNISSAN USAのキャンペーンでは、自分の携帯電話で撮影した作品が、そのままテレビCMに起用されるようだ。これほどユーザーの自己承認欲求を満たす賞品はなかなかないだろう。

デジタルマーケティングの先進企業のバーバリー、GEを見てみると、いずれもVineアカウントも、Instagramアカウントも展開している。

Burberry

Vine Instagram

GE

Vine Instagram

企業メッセージを伝えるツールとして

企業側からのメッセージ送信をするための動画サービスとしては、YouTubeを忘れてはならない。YouTube公式アカウントを利用しているところも多いと思うが、その作成には、それなりの準備と予算が必要だ。

その点、VineやInstagramはもっと気軽に動画を撮影、シェアできる。YouTubeより気軽なコミュニケーションに使えそうだ。
ユーザーからの投稿も促しやすい。また違った使い方ができるだろう。

140文字のテキストから、画像へ、そして動画へ。コミュニケーションの手段はますますリッチに、そして手軽になっている。
リッチになったツールを使って、自社の何を、どう伝え、ユーザーとコミュニケーションをはかるか。

まずは、それぞれのサービスを使ってみることから始めてみてはいかがだろうか?