6月下旬のInstagramの動画サービスローンチ以来、VineとInstagramの話題が海外メディアサイトをにぎわしている。それぞれの機能と特長をまとめてみた。
シェア争い
このところ海外の記事で、VineとInstagramの話題がよく取り上げられている。
二大ソーシャルメディア、Twitter VS Facebookの構図にある二つのサービスである。
Instagramは2010年にリリースされた画像共有アプリで、2012年、4月にFacebookにより買収された。Vineはニューヨークで2012年6月に設立された企業で、同年10月にTwitterに買収され2013年1月下旬にTwitter Vine Labsから、動画サービスとしてリリースされた。
InstagramはFacebookに買収された時点で登録者数は5,000万人を超えていた人気のアプリであり、Vineがリリースされた当初は「ビデオ版Instagramになれるか?」という記事も出されていた。
アプリとしては後発のVineであるがリリースから半年たらずの6月10日、ついに、VineがInstagram超えたという記事が公開された。
それからわずか10日後、今度はInstagramが動画サービスをローンチ。その一週間後に、同じ調査でInstagramがVineを抜き返したという記事が発表された。
7月4日のアメリカ独立記念日には、それぞれが、「re-vineが過去最高の数字となった」「ビデオの投稿数が過去最高であった」とアナウンスしている。まだ当面、この熾烈な戦いは続きそうだ。
機能の違い
それぞれの機能の違いをまとめてみた。
機能 | Vine | |
撮影時間 | 6秒 | 15秒 |
---|---|---|
自分撮影 | あり | あり |
ゴースト機能 | あり(直前の画像を薄く表示) | なし |
手振れ補正 | なし | あり |
フィルター機能 | なし | あり |
カバーフレーム設定 | なし | あり |
ユーザーのタグ付け | あり | なし |
シェア先 | Twitter、Facebook | Facebook,Twitter、Tumblr、forsquare、mixi、メール |
エンベッド機能 | あり(ソース表示) | あり(ソース表示) |
編集機能 | なし(変更したい場合はやり直し) | あり(直前のコマの削除、取り直しが可能) |
フォトマップ機能 | なし | あり |
動画カテゴリチャンネル | あり(15チャンネル) | なし |
自動ループ | あり | なし |
Vineの特長はなんといっても6秒のループ再生だ。それを理解して、動画の最初と最後をうまくつないでいる動画も多い。
またゴースト機能を使えば、直前の画像がうっすらと表示されるので、コマ撮り撮影もしやすい。
Instagramの特長は編集機能の充実だ。静止画のころから愛用している人も多いだろうアートフィルタ―機能で、雰囲気も出しやすい。
また、撮影途中で失敗したな、と思ったら直前の撮影分は削除して撮影しなおすことが可能だ。
シェア争いの記事では、どちらが生き残るか? といった主旨のものも多い。
しかし、Twitter、Facebookにもそれぞれの良さがあるように、この二つのサービスも、使い分けができるのではないだろうか?
活用事例
NISSAN USAのオフィシャルサイトで実施している動画投稿キャンペーン「YOUR DOOR TO MORE VIDEO CONTEST」。ユーザーによる投稿動画キャンペーンで、その勝者上位3名は、投稿した動画がテレビCMとなって放送されるという特典と、6位までは1000$分のアマゾンギフト券をもらえる。
ただ、ユーザーに任せて動画を撮影、投稿してもらうのではなく、事前にキャンペーン詳細ページでVERSA NOTEのペーパークラフトをダウンロードし、それを使った動画を撮影する。
このキャンペーンは、Vine、Instagramのどちらでも応募できるようになっていて、それぞれの作品がアップされている。
毎年、開催されている安田生命保険相互会社の「マイハピネスフォトコンテスト」も応募した写真がCMの1カットとして起用されるのだが、このNISSAN USAのキャンペーンでは、自分の携帯電話で撮影した作品が、そのままテレビCMに起用されるようだ。これほどユーザーの自己承認欲求を満たす賞品はなかなかないだろう。
デジタルマーケティングの先進企業のバーバリー、GEを見てみると、いずれもVineアカウントも、Instagramアカウントも展開している。
Burberry
Vine | |
GE
Vine | |
企業メッセージを伝えるツールとして
企業側からのメッセージ送信をするための動画サービスとしては、YouTubeを忘れてはならない。YouTube公式アカウントを利用しているところも多いと思うが、その作成には、それなりの準備と予算が必要だ。
その点、VineやInstagramはもっと気軽に動画を撮影、シェアできる。YouTubeより気軽なコミュニケーションに使えそうだ。
ユーザーからの投稿も促しやすい。また違った使い方ができるだろう。
140文字のテキストから、画像へ、そして動画へ。コミュニケーションの手段はますますリッチに、そして手軽になっている。
リッチになったツールを使って、自社の何を、どう伝え、ユーザーとコミュニケーションをはかるか。
まずは、それぞれのサービスを使ってみることから始めてみてはいかがだろうか?