2012年7月31日に発表された[「第4回 企業におけるソーシャルメディア活用」に関する調査結果(NTTレゾナント株式会社/株式会社ループス・コミュニケーションズ共同調査)]では、約6割の企業が、ソーシャルメディアで取得できたデータを十分に活用できていないと感じているようです。
その原因として考えられるものの一つが、人材不足。
今回の調査では、どのメディアにおいても、人材不足が一番の懸念点になっています。
メディア戦略に基づいた投稿プランの作成や、投稿素材の準備、ユーザー対応や、社内部署との折衝など、ソーシャルメディア運用に関わる業務は多岐にわたります。にもかかわらず、人材が不足している。担当者が、取得できたデータを分析活用するのに、十分な時間をかけられない、そんな現状が浮かんできます。
Facebookは、インサイト画面でデータを確認することができます。またデータをダウンロードすることも可能です。ですが、ダウンロードしたデータが文字化けしたり、エクセルでうまく開かなかったりという経験をお持ちの方もいるかもしれません。なんとか、取得し、エクセル化したデータは横に長く、求めるデータを探し出し、それを社内報告用に成形するのは、思ったより時間のかかる作業です。
このたび、つぶやきデスク ビジネスプランのオプションサービスとして、リリースした【Facebookページ・インサイトレポート】(以下 インサイトレポート)は、ワンアクションで必要なデータをエクセルファイルに取得でき、印刷すれば、そのまま月次報告書としても利用いただける、便利なレポートになっています。
その内容を詳しく見ていきます。
レポートは以下の4つのシートからなっています。
シート1 ファンの属性
- ユーザーの属性
- ユーザー数の動向
最も注目すべきデータが、グラフ化され、一目で理解できます。
- 前月比ファン数の増減率はどのくらいか。
- アクセス変動はどうなっているか。
- 商品、サービスのターゲットユーザーと比べてどうか?
- Facebookにおいて、自社ブランドはどの層に認められているのか?
Facebook画面で確認できるインサイト(以後、インサイト画面)では、「概要」「いいね!」「リーチ」の3つのタブをクリックし、それぞれ期間を設定、表示させて確認できるものが、インサイトレポートでは、ワンクリックで、エクセルの1シートにおさまっています。
また、ファンの増減率は、インサイト画面では直前1週間との比較であるのに対して、インサイトレポートでは前月比データが表示されています。
シート2 自社投稿
- どのくらいの頻度で投稿したか
- それらの投稿は、どういった効果を生んだか。
活動報告とも言えるシートになります。
インサイト画面では、「アクションを起こしたユーザー」と表示されています。その詳細、「いいね!」なのか、「シェア」、「コメント」なのかは、テキストをクリックして、投稿プレビューを表示、さらに、「投稿を表示」をクリックして、確認することができます。
日々運用をしていると、「いいね!」されやすい記事、「シェア」されやすい記事、「コメント」がつきやすい記事は、それぞれ傾向が違うことに気づきます。タイムラインで見慣れた評価(「いいね!」「コメント」「シェア」)が、投稿履歴の横に並んで表示されているので、その投稿の意図、狙った効果が出せたのかが、一目でわかります。
また、同時にネガティブな反応数字を見ることができるので、問題のある投稿をすぐに発見することができます。
ポジティブな反応が大きく、ネガティブな反応も多いのであれば、それは自然なことですが、ポジティブな反応はいつもと変わらないのに、ネガティブな反応が多いようであれば、その投稿自体の内容と、前後の頻度、タイミングなどをチェックする必要があるでしょう。
ソーシャルメディア活用支援サービスを担当し、いくつかのお客様のFacebookページ運用に携わっている私としては、なによりこのレポートが、日本時間で表示されているところが、一番嬉しかったりします。
インサイトでは太平洋標準時表示で、テキストも最初の十数字だけなので、シリーズものの投稿の時などは、どの内容だったのか把握するために、日付にマウスオーバーしていたりしたからです。
シート3 人気Facebookページの投稿ランキング
- Facebookで受け入れられやすいのはどんな投稿か?
- 今月、どんな投稿が評判よかったのか?
ファン数の多い人気Facebookページに投稿パターンを学ぶため、成功事例として名高いページに、「いいね!」をして、定期的にチェックしているかもしれません。ですが、個人で情報を追うには、限界があります。エッジランクで、いつの間にか、表示されなくなっていることもあるからです。
ファン数が多ければ、投稿に対する反応数も大きくなりますが、ファン数によるランキングの常連ページが、このレポートの投稿ランキングの常連になれるとは限りません。一方で、ファン数はさほど多くないのに、比較的よく登場するページもあります。
どんなページの、どんな投稿が、多くのユーザーの反応を引き起こしたのか。調査、検討することは、次回以降の投稿プランの作成に役立ちます。
また、大事なのは、そのページのファンがどれくらいアクティブに、投稿に反応してくれるかですが、これもシート下方にある(/ファン数)ソートでのデータで、見ることができます。
例えば、7月のデータでは、コメント数14位のニュー速@セレクトが3位に浮上。テキストをクリックすると以下の投稿が表示され、いかに反響が大きかったかが実感できます。
なお、7月集計データでは、ファン数8,269だったのが、記事作成時では、9,210。1か月で1割強のファンを増加させていることも、この投稿の効果を実感させます。
こうした成功事例をいくつも調べ、検討していくうちに、自分が担当するページならではのコンテンツを、いかに訴求するか、感覚的につかみ、社内、チームで共有していくことが大切です。
シート4 人気Facebookページの投稿検索
- 旬のキーワードを人気Facebookページはどのように記事にしたのか?
- 自社ブランド、社名、商品名、サービス名を記事にしたところはあるか?
Facebook運用をしていれば、当然時事ネタ投稿を入れていきたいところです。検索ボックスに調べたいキーワードを入れ、
気になっているキーワードはどのくらい、記事にされていたのか。
その見せ方で、反応はどのように違っているのか。
自社ブランド名、サービス名、社名はどこかで記事にされているか?
を調べることができます。
自社関連キーワードの検索では、良い記事を見つけたら、「いいね!」や「コメント」「シェア」をして、関係性を深めておきたいものです。
とここまで説明してきましたが、インサイトレポートが取得するデータは、ダウンロードすれば手に入れられるデータです。
十分なリソース(人材、時間、コスト)があれば、インサイトデータを調べつくし、豊富なデータが得て、自社用にカスタマイズした、何ページにもわたるレポートを作成することは可能です。
ですが、まず概略を知り、必要な部分を深堀りするほうが、限られたリソースで、得られたデータを活用する上では、現実的ではないでしょうか?
これまで1時間かけてきた作業を、5分で終わらせる。
得られたデータを並べる作業時間を短くして、データを生かすための作業へ。
増減率を出すのに時間をかけるのでなく、その原因の調査に時間をかける。
ユーザー属性の変化をグラフ化するのではなく、原因となった投稿を見つける。
人気のある投稿を探すのではなく、その特性を検討する。
そして、
運用担当者が肌で感じていることを、仮説をたて、検証する。
インサイトレポートは、簡易なアクションでレポートを作成し、より多くの運用担当者が、得られたデータを活用し、次のアクションへ注力できるよう、お手伝いいたします。
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