Google アナリティクス 個人認定資格対策講座 開催レポート ~受講者に聞きました。その2:中澤慶一さん~
2017年03月14日
ライター:山浦 直宏

2017年2月8日(水)に開催されたマーケジンアカデミー「Google アナリティクス 個人認定資格対策講座」(以下、GAIQ講座)の受講者インタビューレポートの2回目は、シンク株式会社代表取締役社長 中澤慶一さんです。

中澤さんは東京でシンク株式会社というウェブマーケティングの会社を経営されている言わばこの領域の専門家です。前回の小川卓さん同様にプロフェッショナルの方へのインタビューとなりました。
講座の中でもかなり積極的に質問をいただき、その姿勢にはアナリティクスへの熱意を感じました。そんな中澤さんにも今回の受講についてお話を伺いたいと思います。

中澤さんのお仕事とGoogle アナリティクス

山浦:それでは、中澤さんよろしくおねがいいたします。 まず始めに今のお仕事について簡単に教えていただけますか?

シンク株式会社代表取締役社長 中澤慶一氏

中澤:一言でいえばウェブマーケティングの会社ですが、具体的にはサイト制作、SEO施策、リスティング広告そしてバックエンドのシステム開発までをワンストップで提供している会社です。
実は、そもそもはSEO施策を中心に提供していた会社だったんですがキーワードの順位を上げること自体が本質的な目的ではないと感じていました。

山浦:それは、もう少し具体的に言うとどういうことでしょうか?

中澤:例えば、検索結果での順位が上がったとしてもお客様のサイトの収益が上がらないわけで、お客様の本当の成果をお手伝いするには、ウェブマーケティング全般をワンストップで提供できる会社にならなくちゃいけないと考え、お客様のウェブの課題は一切お断りせず、二人三脚で解決していく中で今の会社になっていったという感じですね。

山浦:なるほど。お客様目線で一緒になって売上を上げることを考えてきた結果、自然と今の姿になった、ということですね。言うのは簡単ですが・・中々できないことだと思います。いろいろなご苦労があったんでしょうね。
そういう中でGoogle アナリティクスの役割というのはどのようなものでしょうか?

中澤:お客様の売り上げのお手伝いをするということは「売上=数字」を一緒に見ていくということに他なりません。SEOにしてもサイト制作にしても、もちろん広告もそうですが「数字=データ」を見ることは当たり前の様にやっていましたね。というか、それが(=データ)ないと何も始まらないですから。お客さまの売り上げ数字を見るのと同じ感覚でウェブのデータも見ていましたね。

山浦:そうなると、ツールはやはり自然とGoogle アナリティクスになるわけですね。

中澤:はい、一番普及していますし何といっても無料版で高機能ですからね。(笑)
私たちの仕事の中では単に施策の効果は測ったりするだけでなくお客様の経営のKPIを見る感覚ですからなくてはならないツールなんです。

山浦:中澤さんご自身はいつごろからGoogle アナリティクスをご利用なんですか?

中澤:2011年位からですから、かれこれ6年位は使っていると思います。
ビジネス成果を見たくて使い始めましたね。

山浦:6年も使っていれば十分ベテランの域ですね。(笑)
会社の中では中澤さんのほかにはどなたがお使いですか?

中澤:お客さまのコンサルティングをするメンバーは全員私と同じぐらい使いこなせますよ。GAIQの取得は私が一番最後です(笑)

山浦:そんな中澤さんですが、今回GAIQ資格を取得されようと思ったきっかけは何ですか?

インタビューシーン1

GAIQ資格を取得しようと思ったきっかけは?

中澤:今までは、使えればいいじゃん、っていう感じでした。実際に使いこなせていると思っているし正直この資格がなくても仕事はできますから。(笑)
でも、これだけ、経営やマーケティングにデータの重要性が認識されてきてマーケティング全体がデジタル化していくという流れの中で、その重要なデータをきちんと扱えますよという“信頼”というか“バリュー”をちゃんと表現した方がいいと思うようになったのが理由ですね。

リスティング広告では、Googleパートナーの様に会社として認められる資格もあって、もちろんAdWordsの個人資格もたくさんあるわけですね。私も含め社員たちもそういう資格は当たり前のように取得しているわけです。
お客様から見ても、そういう部分をきちんと押さえているというか勉強しているからこそプロフェッショナルとして見てもらえるということはあると思うんです。

(医師や弁護士のように)資格がないと仕事ができないわけではありませし、資格がなくてもすごく仕事ができる人もたくさんいるとは思います。でも、そういう提供されている仕組みを自分たちはきちんと取り組んでやっています、ということで表現できる“信頼”ってあると思うんですよね。
おざなりにしない、というか。お客様にコンサルをする立ち位置としては、非常に重要なことだと認識しています。

山浦:確かに、GAIQはAdWordsなどの広告系の資格に比べるとまだまだ認知が低い資格だと思いますがGoogle アナリティクスを使って仕事をする以上は(資格は無くても仕事はできるけど)きちんと資格をとって”姿勢“を見せようということですね。
そういう意気込みで受験を考えられたということは、大変素晴らしい事だと思います。

アユダンテでも企業研修などでGAIQ講座を行う事がよくあるのですが、そういう場でも正直「これ(GAIQ)を取って何か意味あるんですか?」と聞かれることがあります。
私はこの手の資格(国家資格のように、無くては仕事ができないような資格ではない)は、資格を取ったから何か変わるということではなく、その仕組みを自分でどのように向き合って活用していくか?ということだと思っています。その意味でも、中澤さんのお考えはもっと多くの方に参考にしていただきたいですね。今回インタビューして良かったです。(笑)

そして、これは前回も小川さんへのインタビューで同じことをお聞きしたのですが、中澤さんのような経験もあるプロフェッショナルの方がどうして今回の講座を受講しようと思われたのでしょうか? ご自身で受験されても十分合格できたのでは?

GAIQ講座受講の理由は“締め切り効果”?

シンク株式会社代表取締役社長 中澤慶一氏2

中澤“締め切り効果”ってあると思うんですよ。

山浦:締め切り効果・・ですか?

中澤:そうです。GAIQは自分で好きな時にいつでも受けられますが、それだと逆にいつまでも受けるきっかけがなくて。(笑)
仕事は必ず締め切りがありますので、納期とか。それに向かって時間を使っていくわけですがGAIQ受験は締め切りがない。

山浦:なるほど。今回の講座は開催日が1日しかありませんでしたからね。これを、GAIQ取得の締め切りにされたわけですね。(笑)

中澤:その通りです。そして、当然ですが受験する以上は合格したいわけです。今回の講座は、受験に特化した対策講座であることと受験会もセットの内容だったので、まさに打ってつけだったわけです。
さすがに、何も準備しないで受験するわけにもいかないですから講座とセットになっているというのは時間的に効率的に取得できるというもの大きな魅力でしたね。

山浦:今回の講座の狙い(講座と受験のセット)の一つとしても、もちろんそういうニーズを想定していましたが、まさにその点が良かったということで嬉しいですね。小川さんにも同じようなコメントをいただきました。1回受験して、万が一ダメだった場合は、1週間は再受験ができないということでやる気も続かなくなってしまいますから。受ける以上は一発で合格していただきたいですしね。中澤さんも見事一発合格で良かったです。
実際に講座を受講いただいたご感想などもお聞かせいただけますか?

GAIQ認定書を手に

講座の感想を聞かせてください。

中澤:講座の内容はとても良かったと感じました。ポイントが良くまとまっている感じで。
でも、正直いうと講座のテキスト内容だけだと1回での合格は難しかったかもしれませんね。

山浦:それは、もう少し内容的に充実した方が良かったでしょうか?

中澤:いいえ、山浦さんの(テキストに書かれていないような)ちょっとしたTIPSやアドバイスが、実際に受験をしてみるととても重要な情報だったと、実感したんです。(笑)
Google アナリティクスの知識とか問題に対する知識ということだけではなく、問題文を読み解くちょっとした“コツ”みたいな一言とか試験の最中に使える、調べるためのテクニックとか・・ですね。

山浦:なるほど、確かにそういう“小ネタ”はちょくちょく入れてますね。
私はかれこれ(問題傾向調査のための受験も含めて)5、6回は受験し合格を取っているんですが、その度にいろいろ工夫をして自然と身についたちょっとしたコツというか要領みたいなものがあるんですよね。実は、講義中はあまり意識していないのですが、リップサービス的に出てしまっているんだと思います。やはり、皆さんに合格していただきたいですからね。(笑)

(※本記事の読者の方に誤解の無いように追記しますが、決してカンニングのような悪いことを教えているわけではありませんので、念のため。あくまで、制限時間の中で効率よく問題を解き進めていただくためのちょっとした情報です。)

中澤:ただ、受験後に思ったのは再度Google アナリティクスの全体を理解するための基礎講座のようなものもあるといいなと思いました。今回の講座は受験対策に特化してポイントがまとまっていましたが、出題範囲でカバーされていない部分もあったかと思いましたので。
そういう意味では、例えば当社の社員でもまだ経験の浅いメンバーにはまずGoogle アナリティクスの基礎理解の講座があってから今回の受験対策講座という流れがいいかもしれませんね。

山浦:なるほど。確かにそれはおっしゃる通りですね。
実際には、その流れを組むと1日開催では難しいので時間的にも費用的にもいろいろ課題はあると思いますが、この講座が普及してもっとニーズが高まればぜひチャンレンジしてみたい構成ですね。貴重なご意見ありがとうございます。

中澤:でも、山浦さんの講座内容も“問題の解き方”というだけではなくしっかりGoogle アナリティクスの仕組みや機能を理解できる内容だったので、それはとても良かったと思います。このテキストは、今後の仕事でも継続して使えそうです。

山浦:ありがとうございます。試験問題の内容や難易度についてはいかがでしたか?

インタビューシーン2

試験の内容や難易度についてはいかがでしたか?

中澤:問題文の日本語は分かりにくいところがいくつかありましたね。
これは、他の受験された方も感じたのではないでしょうか。問題の難しさというよりも問題文の解釈で迷うところも多かったかと。

あと、内容的には知識として知っていれば簡単に答えられるものもあれば、レポート画面をちゃんと使えればわかるような問題。それと、分析視点で見たいデータが実際のレポート画面のどこをどのように操作したら見ることができるのか? みたいな問題も出ましたね。
逆に、技術的なスキルや知識を必要とする問題はほとんど無かったような気がしますね。

山浦:日本語のわかりにくさは確かにありますね。
以前は和訳がおかしいかな? という問題もありましたが、さすがに最近の問題ではそれは無くなったんですが、解釈に困る問題文はいくつかありますね。まあ、これも経験でなんとか乗り越えていけるんですけどね。

技術的な問題は確かに以前と比べるとかなり少なくなっています。
以前は、クロスドメイン設定やイベントトラッキングの問題で、JavaScriptのコードが出てきて正しいものを選ばせるような問題もありましたが、今はそのようなコードが出てくるような問題は無くなりましたね。その代わり、新しい機能の知識やそれを使うことのメリットを答えさせるような問題や分析視点でのデータの見方を問うような問題が増えていると思います。

全体傾向としては、導入や設定などの計測の知識よりも、分析や活用面のスキルを問う方向にシフトしていると思います。

中澤:そうそう、そういう出題傾向の分析とか範囲などの解説が聞けるのもこの講座ならではという感じですごく良かったと思いました。
出題された問題には実際のデータや画面をみて考えさせるような問題が無かったんですが、今後は実際にサンプルデータなんかが表示されて分析視点を問うような問題があってもいいかもしれませんね。

山浦:なるほど、確かに面白いと思いますね。
残念ながら、Google社に問題のリクエストまではできないのですが、やはりもっとGAIQが普及してニーズが高まれば問題形式も高度な方向に変わっていく時が来るかもしれませんね。

中澤さんは、今回見事に合格されたわけですが今後のGoogle アナリティクスの学習という点ではどのようにお考えですか?

今後のGoogle アナリティクス学習について

中澤:資格を取って終わり、ということは当然ありません。基礎知識の確認はいつでも必要ですし、Google アナリティクスはどんどん変わっていくので新機能やトレンドを抑えるためにも継続的な学習の必要性は今回の受験を通じて強く感じました。
山浦さんもおっしゃっていましたが、定期的な知識のリフレッシュはやはり必要かと思います。

山浦:そうですね。そのためにも、GAIQの18か月という有効期間が切れるタイミングでの再受験・資格の更新を是非行っていただきたいと思っています。
この資格は18か月という”締め切り“があるわけですからね。(笑)

中澤さん、最後にこれからGoogle アナリティクスを学習されたい方、GAIQ受験を考えている方へのメッセージをお願いいたします。

中澤さんからのメッセージ

中澤:GAIQはいつでも受験できるので、“締め切り効果“を活用して効率よく勉強してほしいです。
また、今回のような講座は受講料が掛かるわけですが“お金を掛ける”ということによる“追い込み効果”もあると思います。このような講座だと会社の費用で受講する方も多いかと思いますので「お金を出してもらったからには合格しないと!」という効果ですね。

山浦:中澤さん、貴重なお話、どうもありがとうございました。
今後も是非Google アナリティクスを客様のビジネス貢献のためにご活用いただければと思います。

後記:今回は西麻布にある中澤さんのオフィスにお邪魔させていただきました。中澤さんの個性とセンスが光るとても素敵なオフィスの中で、中澤さんが直々に入れてくださったとても美味しいドリップコーヒーをいただきながらのインタビューでした。何か、1つ1つにこだわりを持ち日頃のお仕事への取組みを感じさせるような、そんな印象を受けた素敵な時間でした。中澤さん、ありがとうございました!

中澤氏と山浦 認定書を手に記念撮影

<中澤慶一さんのご紹介>

「成果を出し、信頼にこたえる」がサービスポリシーの西麻布にあるウェブマーケティング会社で代表をしています。

シンク株式会社
http://shin-c.jp/

アナリティクス 認定証

<インタビュアー:アユダンテ シニアコンサルタント 山浦直宏>

プロフィール:
Googleアナリティクス360を中心としたデジタルマーケティングコンサルタント。
アクセス解析には2003年より取組み、解析・コンサルティングの実績多数。これまでに行ってきた「GoogleアナリティクスIQ講座」では資格取得者700名余を育成する一方、立教大学(元非常勤講師)のほか、多摩大学、東京都市大学、青山学院大学でも教鞭を執り人材育成にも取り組む。このほか、一般向け講座・講演、業界誌やネットメディアなどでの執筆・寄稿多数。
MarkeZine連載
  • Googleアナリティクスではじめるサイト行動データの広告活用
  • Googleアナリティクスがもたらす“データマネジメント”の世界
主な著書
  • 「Google Analyticsパーフェクトガイド 増補改訂版 Ver.5/ユニバーサルアナリティクス対応」
  • 「Google Analytics パーフェクトガイド Vr.5 対応版」
山浦著書

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この記事を書いた人
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山浦 直宏
COO
Google アナリティクス 360、Google マーケティングプラットフォーム活用を中心としたデジタルマーケティングコンサルタント。ネット広告の黎明期より一貫して、ネット広告、デジタルマーケティング畑を歩む。講師を務める「Google アナリティクスIQ講座」では資格取得者900名余を育成する一方で、立教大学(元非常勤講師)など複数の大学にて人材育成にも取り組む。講座・講演、業界誌やネットメディアなどでの執筆・寄稿多数。
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