運用型広告で認知施策の効果をどのように評価すべきか。広告運用に携わる方であれば、一度は悩んだことのあるテーマではないでしょうか?
認知施策は、短期的なコンバージョンを目的としないケースが多く、リーチ数やインプレッション数といった接触指標で評価されることが一般的です。
一方で、実務の現場では、
「その広告は次の行動につながっているのか」
「ユーザーの態度は変化しているのか」
といった点まで踏み込んで評価したいと思う場面も少なくありません。
本記事では、Yahoo!広告とDS.INSIGHTを用いて、認知施策がユーザーの比較・検討行動にどのような影響を与えているのかを、検索行動という切り口から捉えた一例を紹介します。
認知施策を「比較・検討」までどう評価するか
ユーザー行動は一般的に、下図のファネルで整理されます。

認知施策において、広告がインプレッションされたユーザーが、クリックしサイトに訪問したことで、そのユーザーが「興味・関心」フェーズに到達していると捉えることができます。
さらに、スクロール率や滞在時間といったウェブサイト内で計測できる指標によって、興味・関心の深度を評価することも合理的でしょう。
一方で、その先の「比較・検討」フェーズに進んでいるかどうかを可視化することができれば、その認知施策をより自信をもって評価することができ、次に取るべき有効な打ち手を検討することにもつながるはずです。
「比較・検討」フェーズでは、ユーザーは価格や利用方法、選択肢について調べると考えられます。広告をクリックしたユーザーがウェブサイト回遊後に、これらの検索をしていることがわかれば、その認知施策の有効性を判断する材料になるのではないでしょうか?
この広告接触後の検索行動は、LINEヤフーが提供するDS.INSIGHTを用いることで、可視化することが可能です。
Yahoo!広告×DS.INSIGHTによる分析アプローチ
DS.INSIGHTとは?
DS.INSIGHTは、顕在化しにくい消費者のニーズをお手元で探索・分析できるデスクリサーチツールです。
Yahoo! JAPANの月間5,600万人のユーザー*からお預かりしたデータを統計化し、どなたでも直感的に使いやすいインターフェースで、企画立案や意思決定などにデータをお役立ていただけます。
*2023年12月末時点
DS.INSIGHTには、時系列キーワード分析という機能があります。これまでは特定の検索語句を検索したユーザーが、その検索行動を起点とした前後に、どのようなキーワードを検索したかを可視化するものでした。
この時系列キーワード分析が、直近のアップデートにより、Yahoo!広告の特定の広告アカウント、キャンペーンの、
- 広告視聴
- 広告クリック
- オンラインCV
という行動を起点に、その前後でどのようなキーワードを検索したかを可視化できるようになりました。(セグメント連携機能 ※2026年2月現在 試験導入)
この機能を用いて、YDAで配信した複数の認知施策キャンペーンを対象に、広告接触(クリック)したユーザーが「興味・関心」に留まらず、「比較・検討」フェーズへ進んでいるかという観点から評価をおこないました。
事例:ターゲティング別に見る広告接触前後の態度変容の有無
※各画像は、指名検索のみを表示しており、網掛け部分はブランド/商材名です。
ターゲティング1:認知施策が、検討フェーズへの起点として機能した例

このターゲティングでは、広告接触前から自ブランドを検索しているユーザーが一定数確認できました。広告接触後には、指名検索に加えて、「ブランド名+価格」「ブランド名+値段」といった検索が確認でき、購入を検討するフェーズに進んだと捉えることができます。
認知施策が、「比較・検討」フェーズへの起点として意図通り機能した例といえるでしょう。
ターゲティング2:未認知層に対して、興味喚起から具体的な検討行動につながった例

このターゲティングでは、広告接触前に自ブランドを検索しているユーザーは確認できませんでした。一方で、広告接触後には、ブランド名の検索に至り、さらに「値段」「レンタル」といった具体的な行動を想起させる検索も見られました。
認知施策によって、「興味・関心」の喚起から「比較・検討」フェーズへの移行が生じたケースと考えられます。
ターゲティング3:リマインダーとしては機能するが、優先度を見直す余地がある例

このターゲティングでは、広告接触前から自ブランドを検索しているユーザーが多く存在していました。一方で広告接触後の検索量は、他のターゲティングと比較して大きな伸びは見られず、購入に至ると考えられる検索キーワードも確認できませんでした。
ブランド想起の維持やスイッチ防止といったリマインダー的な役割は果たしているものの、認知施策としての優先度は見直す判断が妥当と考えられます。
さいごに
認知施策は、「配信したかどうか」や「どれだけ見られたか」といった指標で評価されるケースも多く、媒体や目的によっては、それらが重要な判断材料となる場面もあります。
一方で、広告接触後の検索行動を見ることで、ユーザーが「興味・関心」で止まっているのか、「比較・検討」フェーズに進んでいるのかを整理することができ、それにより、ターゲティングごとの役割や優先度を見極めることも可能になります。
Yahoo!広告×DS.INSIGHTを活用した、今回のような分析は、認知施策を行動の変化から評価するための一つの手法です。
また、今回は広告接触をクリックとしましたが、広告視聴に設定することで、「Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)インストリーム広告」や「Yahoo!広告 ディスプレイ広告(予約型)」の広告視聴ユーザーの時系列キーワード分析をおこなうことも可能です。
認知広告を評価する際に、接触指標に加えて、広告接触後のユーザー行動まで含めて捉える一つの分析方法として、本記事の内容が参考になれば幸いです。
追記
認知施策の評価には、指名検索への貢献度で評価する「View Through Brand Search(VTBS)」という方法もあり、これはYouTubeなど他媒体でも活用できます。
VTBSについては、チームメイトの釜が詳しく紹介していますので、参考にしてください。
「View Through Brand Search(VTBS)」認知向けのYouTube広告を評価する方法 | アユダンテ株式会社





