先日開催された「Accelerate Roadshow Tokyo 2025」では、Microsoft 広告が提供するPerformance Max(以下、PMAX)の最新の活用法やベストプラクティス、今後の展望についても紹介されました。
本記事では、その内容をわかりやすくご紹介します。
なお、同イベントで発表された「会話型AI×広告プロダクト最新アップデート」については、以下の記事にまとめていますので、ぜひあわせてご覧ください。
『~Microsoft Copilotが変える広告の未来~会話型AI×広告プロダクト最新アップデートまとめ』
PMAXとは?
PMAXは、複数の広告フォーマットやチャネルを横断してコンバージョン数を最大化し、MicrosoftのAIと自動化機能を活用してマーケティング目標の達成を支援するキャンペーンです。
また、ユーザーの検索意図や行動履歴に基づいて最適なフォーマット・配信面・タイミングで広告を出すことができます。コンバージョン数の最大化が目標のため、獲得から比較検討フェーズにいるユーザーへのアプローチに特に効果的です。
PMAXは購入意欲の高い新規顧客にアプローチできる
PMAXでは、新規顧客を対象とした最適化が可能で、新規顧客獲得にフォーカスした設定を行うことができます。新規顧客であることを示すシグナルに基づいて、広告が配信されるため、より効果的なアプローチが可能です。
たとえば、新規顧客に対して高めの入札単価を設定したり、新規顧客のみにターゲットを絞るといった最適化戦略を実施できます。

PMAX導入のベストプラクティス
PMAXと既存のキャンペーンを複数並行して走らせることを推奨しています。
・検索キャンペーンとの並行運用
完全一致のキーワードは検索キャンペーンが優先されるため、アカウント内でのオークション競合は発生しません。
一方で、完全一致以外のマッチタイプについては、基本的に広告ランクが高いほうが優先されます。したがって、検索キャンペーンで狙いたいキーワードを確実に押さえつつ、PMAXでリーチを広げる運用が効果的です。
・ショッピングキャンペーンとの並行運用
以前はPMAXがショッピングキャンペーンよりも優先されていましたが、現在は広告ランクに基づいて表示が決まる仕様に変更されています。
この変更によりユーザーにとって、より関連性の高い広告が表示されるようになりました。
PMAX運用のベストプラクティス
PMAXの効果を最大化するために、注意すべきポイントは以下の通りです。
=学習期間と予算設定=
・学習期間は2〜4週間程度必要
この期間内に大きな変更をしてしまうと学習が終わらないため注意。
予算変更は10〜20%の変更幅にとどめる。
・日予算の上限にかからないように設定
予算切れは、機械学習に悪影響を及ぼしてしまうためなるべく避けましょう。
・入札戦略は目標CPAや目標ROASを設定
目標値が低すぎると配信が制限されるため、現実的な目標値に設定する。
=最適化のための具体的な施策=
・ユーザーリストの活用
ユーザーリストはシグナルとして有効のためなるべく活用する。
・アセット(画像・テキスト)の定期的な更新
・最終ページURLの拡張設定
・ブランド保護のための除外設定
除外するデリケートなカテゴリを選択することができます。
・検索語句インサイトレポートの活用
選択した期間にどんな検索語句で、表示やクリックがされたかを確認することができます。

今後の展望
PMAXは2025年6〜7月にかけて大規模なモデルアップデートが予定されており、配信量の増加が見込まれています。これまでPMAXを導入しても配信量が伸び悩むケースもありましたが、今後はより多くのユーザーにリーチできるようになると期待されています。
まとめ
今回のイベントでは、PMAX単体のセクションが設けられていたことから、Microsoftが今後PMAXを主力プロダクトとして注力していく姿勢がうかがえました。
Microsoft 広告の特徴のひとつとして「質の高いファーストパーティデータを豊富に保有している」という点があり、これは2023年に実施した同社の一周年記念パーティーでも紹介されていました 。そのため、PMAXにおけるターゲティング精度の高さにも期待が持てます。
直近で注目すべきポイントは、2025年6〜7月にかけて実施される大規模なモデルアップデートです。私の経験上、PMAXは配信量が伸びにくいケースが多く見られましたが、現時点で配信量が少ないアカウントでも、7月以降は配信が拡大することが予想されます。
配信量の増加に伴い、運用面での調整も必要になる可能性があるため、PMAXを運用中の方は、7月以降の配信量の変化に注目されることをおすすめします。