GA4の概要カードで利用できるベンチマーク機能のリリースが2024年10月に発表されました。ベンチマーク機能は自社のGA4データとGoogleが定義している幅広い業種のビジネスカテゴリのデータと比較することが出来る機能です。UAにも同じ機能はありましたが、GA4はUAよりカテゴリが細かく分かれており、自社のデータと他カテゴリを比較して自社の強みと弱みを知ることができます。
Google アナリティクスの公式YouTubeでも機能紹介がされています。
ベンチマークを利用するための事前設定
ベンチマーク機能を利用するには事前に[アカウント設定] で [モデリングのためのデータ提供とビジネス分析情報] の設定を有効にする必要があります。なお、Googleヘルプの記述では、自社で計測しているGA4のデータは暗号化により保護され、プライバシーが確保された状態で集計されているとのことです。
ベンチマーク事前設定
・管理>アカウント設定>アカウントの詳細
・モデリングのためのデータ提供とビジネス分析情報 のチェックを入れる
ベンチマークの使い方
STEP1:ホームの概要カードにある指標から「ベンチマーク」カテゴリの指標を選びます。
STEP2:ベンチマークアイコンを選択して、対象とする同業他社グループを選択します。
概要カードに表示されるデータ内容は以下です。
- 実線:選択しているプロパティのデータ(自社のサイトデータ)
- 点線:ベンチマーク対象の中央値
- 網掛け部分:ベンチマーク対象の範囲(25パーセンタイルから75パーセンタイル)
ベンチマークの指標、同業他社のカテゴリ
ベンチマークで利用できる指標はGA4のすべての指標ではなく、以下の指標のみ利用することができます。
集客
- 新規ユーザー率
エンゲージメント
- セッションあたりの平均エンゲージメント時間
- ユーザーあたりの平均エンゲージメント時間
- 平均セッション継続時間
- エンゲージメント率
- エンゲージメント セッション数(1 ユーザーあたり)
- ユーザーあたりのイベント数
- セッションあたりのイベント数
- セッション キーイベント率
- ユーザーあたりのセッション数
- ユーザー キーイベント率
- セッションあたりのページビュー数
- ユーザーあたりのビュー
維持率
- 直帰率
- 1 日のアクティブ ユーザー数 / 1 か月のアクティブ ユーザー数(DAU / MAU)
- 1 日のアクティブ ユーザー数 / 1 週間のアクティブ ユーザー数(DAU / WAU)
- 1 週間のアクティブ ユーザー数 / 1 か月のアクティブ ユーザー数(WAU / MAU)
収益化
- カートに追加した回数(ユーザーあたり)
- ユーザーあたりの平均収益額(ARPU)
- 有料ユーザーごとの平均収益(ARPPU)
- ユーザーあたりの平均購入収益額
- 決済回数(ユーザーあたり)
- 初回購入者率
- 新規ユーザーあたりの初回購入者数
- 月間課金アクティブ ユーザー数 / 1 日のアクティブ ユーザー数(課金 MAU / DAU)
- 1 週間の有料アクティブ ユーザー数 / 1 日のアクティブ ユーザー数(PWAU / DAU)
- 総広告収入(ユーザーあたり)
- 購入者あたりのトランザクション数
- ユーザーあたりのトランザクション数
選択できる同業他社グループはUAのときから大幅に増えて、細分化されました。アユダンテの場合は「インターネット、通信>ウェブサービス>SEO、SEM」と、適したカテゴリがありました。
下図のようにカテゴリは多岐にわたるので、ほどんどのサイトに適したカテゴリが選択できると思います。
実際にアユダンテのデータからベンチマークを見てアクションを考えてみる
実際にアユダンテのサイトデータからベンチマークのデータを見て、どんな考察ができるか、次のアクションにつなげることができるかを一例として紹介します。
指標:アクティブユーザーあたりの平均エンゲージメント時間
ベンチマークとの比較:
アクティブユーザーあたりの平均エンゲージメント時間は長い
考察:
アユダンテのサイトはコラムからの流入・閲覧が多く、サイトの利用時間が長い。エンゲージメントが高いコンテンツ群からリード獲得の訴求やサービス紹介ページへの導線を増やすことを検討する
指標:アクティブユーザーあたりのセッション数、新規ユーザー率
ベンチマークとの比較:
アクティブユーザーあたりのセッション数は75パーセンタイルより多く、新規ユーザー率は25パーセンタイルより低い
考察:
同業他社グループと比較してリピーターが多い結果になっているが、新規ユーザーが少ない結果とも考えられる。新規ユーザーを増やすために流入施策を検討する
まとめ
今まで同業他社とのデータを比較するにはGA4以外のツールを使う必要がありました。実際にトラッキングしているGA4のデータで同業他社の比較をできること、比較するカテゴリが多岐にわたることが非常に便利な機能になっています。ぜひ利用してみましょう。