GA4の体系的な学習方法とGoogleアナリティクス認定資格
2024年04月24日
ライター:中村 晃

私がGoogle アナリティクスに仕事で向き合うようになったのは、6年前の2018年です。Google アナリティクスはデジタルマーケティング界隈に従事している者であれば、名前を聞いたり、一度は利用した事があるツールになると思います。

Google アナリティクスの圧倒的な強みは、無料で利用できるため、活用する上での実装、集計、レポートに関わる情報を簡単に見つけることができる「認知の広さ」と「学習コストの低さ」だと思います。

Google アナリティクスが登場してから、多くの書籍やブログ、記事、動画がウェブサイト上にアップされておりますが、体系的にGoogleアナリティクスを学習する手段として、Google が無料で提供している「Skillshop」の利用をお勧めします。このe-Learningプログラムの中に、Google Analytics Certification(Google アナリティクス認定資格)という習熟度を証明する資格があるので、このコラムでは両者について説明をします。

  1. こんな方におすすめ
  2. スキルショップ「Googleアナリティクス 4」のメリット
  3. Google アナリティクス認定資格
    1. メリット
    2. 学習方法
    3. 認定資格の内容
    4. 試験の結果
  4. さいごに

こんな方におすすめ

  • 仕事でWebサイトの管理やデジタル広告を担当することになった人
  • Google アナリティクス 4(以降、GA4と呼びます)を導入し、活用したい人
  • 旧Googleアナリティクス(以降、UAと呼びます)は活用できていたが、GA4については知識が不安な人
  • レポート画面の使い方、見方が分からない人
  • GA4を活用していく上でヒントやアイデアが欲しい人

スキルショップ「Googleアナリティクス 4」のメリット

引用:GoogleスキルショップGoogle アナリティクスGoogleアナリティクス 4

このカリキュラムはGA4とUAとの違いや、機能、操作方法、導入設定方法だけではなく、マーケティング業務の意思決定をするうえで必要な知識についても網羅しており、簡単なドキュメント、スライドと確認用のクイズで構成されています。

すべてのカリキュラムを読み込むためには、5-6時間ほどかかります。「タイトル」で興味がある部分を読み進め、クイズに回答することで、自身の理解度を確認し、足りない部分、不安がある部分について再度読み込むことで、スムーズに進めることができます。

特に、

  •  GA4プロパティとUAプロパティの違い
  •  アナリティクスのID空間
  •  プロパティとデータストリーム
  •  ビジネスとアナリティクスを結びつける
  •  データ収集と処理の仕組み
  •  コンバージョンモデリング/推定コンバージョン
  •  アトリビューションによる貢献度の割当
  •  オーディエンス
  •  ビジネスデータとの結合

については、理解度の確認も含めてしっかりとした読み込みをお勧めします。

GA4の機能や操作方法を点で理解するよりもデータ収集とマーケティング活動の準備に関わる一連の知識をインプット出来ることがメリットとなります。重要な点はデータを活用した「分析」には触れておらず、昨今のプライバシーに配慮した「データ収集、測定」に絞って学べる点となります。

Google アナリティクス認定資格

引用::GoogleスキルショップGoogle アナリティクスGoogleアナリティクス 4Google アナリティクス認定資格

メリット

管理者ではないレポート閲覧者がGA4を使う事で集計データが壊れることはありません。しかし、私がGA4のアクセス権を付与する立場にいた場合は、この認定資格の合格を付与条件としたいと考えております。

理由はいくつかありますが、以下のように、業務上メリットがあります。

  • 標準的なデータ活用の知識を有することができる
  • データ集計結果を間違った使い方にならない
  • (経験上)この認定資格はトータル24時間くらい費やすことで90%以上は合格するため、決して高い壁ではない
  • データガバナンス、プライバシーについての理解が進む
  • 合格するまで質疑応答を繰り返すことで、データ管理者との接点を持つことができる

組織という視点から考えた場合、

GA4を利用する条件に「Google アナリティクス認定資格」の取得を課すことで、チームメンバーに標準的なデータを用いた現状分析、目標設定、仮説出し、検証スキルを身につける機会を提供できます。

個人で認定資格の合格を目指すメリットは、以下の通りです。

勿論、自身のGA4習熟度を示すことは出来ますが、資格の有無よりも業務経験の方が重要になり、認定資格の保持はGA4習熟度の目安の1つと考えますが、以下のようなことが可能となります。

  • 企業でGA4の管理者の候補になれる
  • 企業で新しくデータ検証を行う必要がある際に、データ管理者に適切な要件定義ができる
  • 企業で業務上課題が出てきた際に、適切な質問ができる
  • 個人で運営しているサービスのデータ計測設定(管理)、レポートを作る事が出来る

学習方法

自身のGoogleアカウントにて、新しいGA4の準備をすることも忘れないようにしましょう。座学だけよりも実際にGA4の管理、レポート画面を操作しながら学習すると理解が早いと思います。自身のWebサービスを持っていない場合は、Googleが準備したデモアカウントを利用することもできます。

認定資格の内容

学習カリキュラムに倣った問題となりますが、UAに関する問題はなく、GA4に関する基本知識となります。出題範囲に網羅性があるため、幅広い理解が必要になります。

GAIQ(UAの認定試験)同様に、四肢択一で問題数は50問、制限時間は75分。合格基準は40問以上(正解率80%)となります。

スマートフォンでも試験を受けることができます。問題に回答すると1つ前に戻って回答内容を修正することができません。

また、問題/回答の言語を選択できるため、英語で受験することも可能です。問題は英語で作成され各言語に翻訳されているため、英語の質問の方が分かりやすいと感じる方もいるでしょう。

試験は無料で24時間いつでも受験が出来ます。そして、もし合格点に至らなかった場合も試験後24時間経過すると再受験が可能です。

試験の結果

50問すべてに回答すると直ぐに結果を確認できます。認定資格は合格日より365日有効となり、期限を過ぎると失効になりますので、有資格を継続維持する場合は、定期的に再受験を行い、有効期限をアップデートする必要があります。定期的に期限が切れる数日前に再受験の通知が届きますので、忘れずに更新をしましょう。

GAIQ(UAの認定資格)の内容はあまりアップデートされておりませんでしたが、GA4は常に新しい概念が追加、変更されますので試験問題の改定も適度に行われると思われます。

さいごに

Google アナリティクス 認定資格の合格は、GA4活用の入口です。

機能名や目的を覚えて理解するだけではなく、実際に計測、集計して期待通りのレポートが行われることが必要になってきます。そのためには、要件定義から計測設計、実装、管理画面の設定など、実業務環境を考慮した対応が必要になってきます。

GA4の機能を使う事をゴールにせずに、満たしたいことを言語化し、実現するためにどの機能、設定を行うべきかを選択できるようになることが重要になってきます。

その時にGoogleアナリティクスのメリット(「認知の広さ」と「学習コストの低さ」)が大きく影響してきます。

参考になるコラム記事を多く見つけることができ、質疑可能なFAQサイトもあります。勿論、用語から機能を逆引きできるものや、初心者向けの書籍も多く世の中に出回っています。

やり方に困った場合、課題が出てきたときに比較的多くの情報を簡単に得られる恩恵を是非享受してください。

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この記事を書いた人
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中村 晃
シニアソリューションコンサルタント
SIer、ISP事業者のダイレクトマーケティング担当を経て、その後はデジタルマーケティング領域を渡りあるく。ソーシャルゲームや、動画配信サービスのPdMやデータアナリストのマネージメントを行いながら、Googleアナリティクスの導入、活用支援に取り組む。
Google マーケティングプラットフォームの導入、現状分析からKPI設計、マーケティング、施策の効果検証を強みとする。
ロードバイク、山登り、サウナ、コーヒーが好きなアウトドアマンです。
@jp_nakamura_jp
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