ランディングページの定義は、ウェブサイトやアプリを訪問したユーザーが最初にアクセスしたページ/スクリーンです。
広告などのトラフィックソース情報を分析、評価する上でとても重要な情報になります。
Googleアナリティクス 4 プロパティ(以下、GA4)におけるランディングページレポートの活用方法について解説します。
ランディングページの利用方法
GA4で、ランディングページ情報を利用するレポートが2つあります。
- 標準レポート
- 探索ツール
それぞれのレポートの利用方法について説明します。
標準レポートのランディングページ
標準レポートでは、レポートメニューから、エンゲージメント > ランディングページを選択することで確認できます。
ディメンジョン「ランディングページ」はセッションスコープになります。
セッションの最初のページビューに関連付けられた「ページパス」情報です。
ランディングページには、ホスト情報が含まれないため、複数ドメインの計測しているプロパティでは、どのホストのページパスか不明になりますので注意が必要です。
標準レポートでは、ディメンションのクロス集計が出来るため、分析例として、「セッションのデフォルトチャネルグループ」ディメンションとクロス集計をしてみます。
指標セッションやエンゲージメント時間、コンバージョン数を確認することで、流入元情報とランディングページの組み合わせの評価ができます。
次は、ランディングページレポートに指標を追加する方法について説明します。
ランディングページレポート右上部にある「レポートをカスタマイズする」アイコンをクリックすると、カスタマイズウィンドウがポップアップします。
指標を追加します。
「直帰率」を検索し呼び出し選択します。
レポート上の表示順を変更できますので、上から2番目に持ってきました。
レポートレイアウトを保存できます。
直帰率の算出方法は、母数がセッション、分子は1からエンゲージメントセッション
※エンゲージメントセッションの定義は、下記の1から3のどれかが実行されたセッションとなります。
- 10秒を超えて継続したセッション
- コンバージョンイベントが発生したセッション
- 2回以上のページビューもしくはスクリーンビューが発生したセッション)数
を引いた割合になります。
また、直帰率の反対の指標がエンゲージメント率(エンゲージメントが発生したセッションの割合)となります。
ユニバーサルアナリティクス(以下、UAと呼ぶ)の直帰率の定義は、「ページで何も行われなかった1ページのみのセッションの割合」となります。
例えばユーザーがウェブサイトにアクセスして、ホームページでコンテンツを数分間閲覧した場合や、次のページに遷移せずにウェブサイトを離れた場合は直帰になります。
GA4では、ランディングページに10秒以上滞在しているとエンゲージメントセッションと判断されるようになった点が大きな違いとなります。
探索ツールのランディングページ
次に探索ツールのおける「ランディングページ」の利用方法について説明します。
探索ツールで利用できるディメンションは「ランディングページ+クエリ文字列」になるため、URLパラメータ(クエリ文字列)が付いてきます。
ページパスにセッションIDや広告のトラッキングIDが残っていると別のランディングページと扱われる点が注意となります。
他のディメンションや指標を組み合わせてレポートを見ていきます。
セッションスコープのディメンションを選択し、セッション指標を設定します。
ランディングページ+クエリー文字列にセッションのデフォルトチャネルグループを追加し、指標をいくつか追加します。
セッション、直帰率、エンゲージメント率、閲覧開始数、コンバージョンです。
ランディングページにどのデフォルトチャネルグループから流入があり、その場合の直帰率、エンゲージメント率やコンバージョンに至った数を確認できます。
期間比較、フィルターを利用することで、どのランディングページ × 参照元の場合にコンバージョン数が多いかを確認できます。
セッション数が多いが、コンバージョンが少ないケースは効率が悪いケースとなります。
ランディングページの(not set)はどのようなケースで発生するか
標準レポートと探索ツールのランディングページレポート1行目に (not set) の行があることが確認できます。
どのような場合、ランディングページが (not set) になるか説明します。
page_viewイベントが発生していないセッションの場合、ランディングページが(not set)と表示されます。
[GA4] レポートに表示される「(not set)」という値の意味
ディメンション「ランディングページ」はセッションの最初のpage_viewイベントにより設定されます。
ディメンション「ランディングページ」にはpage_viewイベントが必要になります。
しかしpage_viewイベントを持たないセッションがあるため、指標とセッションを掛け合わせた場合に、(not set) が表示されることがあります。
例えば、新しいセッションがpage_viewイベントからではなく他のイベントから開始されたことを意味します。(ウェブサイトに30分以上滞在しセッションタイムアウトが発生した後に何かしらイベント計測が行われたケースが想像できます)
レポートのより良い利用方法は、探索レポートの指標を「セッション」の代わりに「閲覧開始数」を利用すると、ランディングページのディメンションの (not set) がなくなります。
定義上、「閲覧開始数」指標は、最初のpage_viewイベントおよび screen_viewイベントによってカウントされます。
こちらは、初めてページにアクセスするユーザーにとって、より適切な指標です。
ランディングページにアクセス後、ユーザーが取った行動の分析
ユーザーがランディングページにアクセスした後に取った行動は探索ツールの「経路データ探索」を利用すると特定できます。
「経路データ探索」手法でノードの種類を「ページパスとスクリーン名」を選択し、フィルターでランディングページを指定すると、次に遷移したページを確認できます。
参考:[GA4] Google アナリティクス 4 経路データ探索レポートの使い方
さいごに
流入(広告やSNS、SEOなど)経路の分析をするうえで、ランディングページとクロス集計をした分析は不可欠です。
ランディングページはセッションスコープのディメンションである事を理解し、流入経路毎にどのランディングの場合にエンゲージメント率が高いのか。
また、最もコンバージョンを産み出している流入経路とランディングページの組み合わせは何かを考えることが有効な分析になります。