SEO Mythbusting S2エピソード6:コンテンツとSEOの誤解を徹底解説
2020年09月14日
SEO

Google WebmastersのYouTubeチャネルで配信されたSEO都市伝説の誤解を解くシリーズ「SEO Mythbusting」のシーズン2、エピソード6を翻訳してお届けします。
エピソード5はこちら

今回のテーマはコンテンツ、ゲストはPath InteractiveのSEOディレクターのLily Ray氏です。コンテンツの最適な量、リライトvs新規作成、重複などについて、幅広くカバーしています。

以下、エピソードの内容をご紹介します。

以下、シーズン2エピソード6の内容をまとめます。一部省略や言い換えをしておりますが、主な意味が失われないようにまとめるようにしております。

コンテンツのリライトvs新規作成

Ray氏:
毎年同じテーマについての記事を書くサイトがあるとします。例えば特定のスキンケアの手順について2017年、2018年、2019年に書く場合、内容が若干異なるかもしれませんが、大まかな内容は同じようなケースです。1つのコンテンツのみ作り、それを毎年更新していくべきか、毎年新しいページを作るべきか、どう思いますか?
Splitt氏:
内容にどれくらいの変更があるかによります。スキンケアの手順が昨年と同じであれば、例えば言葉使いを少し調整して既存ページを更新して、そのコンテンツへのリンクをwebサイトのどこか、ユーザーに見られる場所に置いてフィーチャーすると良いと思います。ほとんど同じことが書いてあるページをもう1つ作ることはおすすめしません。特に内容がほとんど同じであれば、Googleは重複コンテンツと判断して、ウェブマスターが設定したCanonicalタグに関わらずどちらかを正規URLとして選定する可能性があります。

コンテンツの最適な量

Ray氏:
どれぐらいのコンテンツを作成するべきですか?
Splitt氏:
コンテンツの目的はユーザーに情報を届けることです。どれぐらいのコンテンツが必要かは、そのコンテンツでどんな目的を達成したいかによって異なります。ニュースサイトであれば、日々たくさんの出来事をカバーすると良いですが、特定の製品についてのサイトであれば、その製品について書けることは限られると思います。1ページ内に長くとりとめのない話をしても意味がありません。
Ray氏:
業界のニュースについてのブログを持っても良いですが、ただコンテンツを作るだけ、というのは良くないということですね。
Splitt氏:
その通りです。例えば、色々な使い方がある製品があって、ユーザー属性によって様々な使い方ができるようでしたら、それに対してコンテンツを提供すると良いかもしれません。「こういう使い方があります。」「こういう使い方もあります。」など。ただコンテンツを作るためだけにコンテンツを作ると、薄いコンテンツができてしまい、パフォーマンスが良くないページにクロールバジェットとリソースを無駄に使うことになります。

ブログのサイト全体への影響

Ray氏:
ブログを持って、新しいコンテンツを定期的に作っていること自体はサイト単位の評価に影響しますか?
Splitt氏:
いいえ、サイト単位で影響する要素ではありません。ただ新しい出来事や新しい情報があった場合、それについてブログを書いていると、普段自社のwebサイトを見ないような新しいユーザーに関連するコンテンツを届けることができます。会社とサービスについて知ってもらうのに役立ちます。新しいコンテンツの更新はサイト単位でランキングや検索結果でのパフォーマンスには影響しませんが、自社のことを知らなかったユーザーに情報を届けることができます。ただ、webサイトの更新頻度を上げるためだけにあまりユーザーに役に立たないコンテンツを作っているだけなら意味がありません。

過去コンテンツの更新

Ray氏:
古いコンテンツで品質が良いものがあるとします。定期的に更新するべきですか? 内容に大きな変更が必要なときだけ更新するべきですか?
Splitt氏:
内容に大きな変更があったときは是非更新しましょう。状況があまり変わっていなければ、代わりに別の新しいコンテンツを作って、「こんな記事もありますよ」と過去のコンテンツにリンクを置くのも良いと思います。検索への影響というよりは、ユーザーに他にも関連するコンテンツがあることを気づいてもらって、webサイトにとどまって気になる情報を見つけてもらうためです。
コガン:ここで言う「別の新しいコンテンツ」とは、全く同じユーザーニーズに応えるものではなく、周辺のテーマでユーザーの別のニーズに応えるものだと思います。

コンテンツが多すぎる・パフォーマンスが悪いときの検証方法

Ray氏:
例えばSearch Consoleでクロール関連のデータなどから、コンテンツが多すぎる、パフォーマンスが悪いとわかる方法はありますか?
Splitt氏:
クロールのデータではわからないです。クロール頻度が低いからと言ってコンテンツが悪いと判断されているとは限りません。Search Consoleの「検索パフォーマンス」を見ると良いです。例えば、表示回数が多いのにクリックが少ない場合、コンテンツを調整すると良い、またはクリック数が多いのに、Googleアナリティクスを見て次のアクションに繋がらないことがわかるなら、その流入がそもそも必要か、コンテンツを調整する必要があるか、などを考えると良いです。Googleからしたら「コンテンツの量が多すぎる」という概念はありません。先程話した通り、ユーザーの観点から考えて、ユーザーに何を理解してほしいか、ユーザーにとって読むのにxx分もかかる記事を読む価値があるかなど考えて判断しましょう。

パフォーマンスが悪いコンテンツとサイトの信頼性

Ray氏:
Webサイトにパフォーマンスが良くないコンテンツの割合が多いと、Googleの観点からサイト全体の信頼性やオーソリティー性に悪影響がありますか?
Splitt氏:
パフォーマンスが悪い原因によります。スパムコンテンツ、薄いコンテンツであれば、検索結果に表示されない、インデックスすらされないようなページにクロールバジェットを無駄に使ってしまうことに繋がるかもしれません。またスパムコンテンツ、品質が悪いコンテンツに対して手動による対策を受けてしまう可能性もあり、そのようなコンテンツはなくした方が良いです。それ以外でも、パフォーマンスが良くないコンテンツが見つかったら、削除するか、改善するか検討すると良いでしょう。

コンテンツの集約

Ray氏:
「お客様サポート」ページなど、特定の質問に対しての回答が1~2文で記載されているページが500ページもあるサイトがあるとします。Googleにどう評価されますか?
Splitt氏:
良い質問ですね。あまり役に立たない薄いコンテンツとして判断されてしまう可能性があります。コンテンツを集約して、ユーザーに対して意味のあるコンテンツ構造にしてあげたいです。特定の製品軸の質問を1ページにまとめる、トラブルシューティングについての質問をまとめるなど、情報がまとまって、1ページで問題が解決できるようにすると良いでしょう。だって、Q&Aを探しているユーザーに疑問が1つしかないという可能性は低いですし、1つの疑問が解決したら次に聞きたいことが出てきたり、他にも疑問がある可能性もありますので、関連する質問をまとめると良いと思います。
Ray氏:
コンテンツの集約はSEO業界で良く出る話題だと思います。似たようなコンテンツが2つあって、それらを1つに集約してリダイレクトをかけるなどは、Googleの観点から良い施策だと思いますか?
Splitt氏:
はい。クロールの節約ができるし、検索結果にどのページを表示したら良いか判断できます。例えば企業の部署間連携ができておらず、違う部署で同じようなテーマについて2つのコンテンツを作ったらカニバリが発生しますが、その2つを集約して関連性が高い情報を1ページにまとめると、Googleから見て「良いサイトだ、表示しよう」と判断しやすくなります。

語数(文字数)がランキングに影響するか

Ray氏:
「語数はランキングシグナルですか?」とよく聞かれると思います。
Splitt氏:
Googleはこのテーマについてよく話していますが、文字数はランキングシグナルではありません。ユーザーが知りたい情報を50語で伝えられるならそれで良いし、2,000語必要ならそれでも良いです。文字数を増やす目的だけで1ページ内に何度も同じようなことを書いていたら、全く意味がありません。

特定のキーワードに対しての最適な語数(文字数)

Ray氏:
対策したいキーワードに対して500語のコンテンツを書いて、競合サイトのコンテンツを見ると皆が4,000語程度のコンテンツで検索結果にヒットしているとします。語数がランキングシグナルではないとしても、検索結果にヒットするサイトに合わせてコンテンツ量を増やすべきと考えて良いですか?
Splitt氏:
状況によります。他のサイトがそうしているからと言って必ずしもそれが正しいとは限りません。今は上位表示されているからと言ってずっとそのままだとも限りません。ユーザーの検索意図を理解するように努力しましょう。たまたまその長いコンテンツのどこかでユーザーのニーズに応えていてユーザーの検索意図に合っている部分があっただけかもしれません。自社コンテンツの500語以内にその検索意図に応えられるように調整ができれば、それで良いかもしれません。高校生が作文で文字数を増やすために「また、…」など余計な文章を書き足すみたいなことをしないようにしましょう。

自動生成コンテンツとURLの正規化

Ray氏:
Googleはスパムまたは自動生成されたコンテンツをどう判別していますか? 例えば、50の地域に対して50ページが存在しているとします。すべての地域で同じようなサービスを提供していて同じような情報を記載して、地域名を差し替えていくつかの細かい独自情報を追加しているだけなら、Googleにどう評価されますか?
Splitt氏:
難しいシナリオですね。うまくいくか、うまくいかないかの2択しかないです。基本的に、コンテンツの関連性が高くて人間が見た際に良いコンテンツと判断するようなものであれば良いです。ほとんど同じテンプレートで地域によっては、その地域に関する関連情報が載っているパターンでもうまくいくことがあります。ただ、似すぎているとうまくいかないときもあります。例えばドイツでたまに見かけるパターンですが、同じ地域で川の両岸に対して2つのページが存在して例えばテキストで数文字と何かの数値だけが違って中身がほぼ同じだった場合、重複コンテンツとして判断されて片方をインデックスしない可能性があります。Googleはそのコンテンツが同じだと判断したら、同じものを検索結果に2回表示させるわけにはいかないので、その場合、正規のURLを1つ選定します。ただ、もし関連性が高くて役立つ情報が十分にあれば、2つのコンテンツにしても良いです。
Ray氏:
それでは、地域別のローカルキーワードの対策が重要な企業の場合、地域別ページを持っても良いですが、なるべくユニークなコンテンツを用意するように努力することがおすすめということですね。
Splitt氏:
とにかくユーザーにとって関連性が高く、役立つページにしてください。ユーザーがすべての鍵です。別のページの情報をコピーしているだけのコンテンツが、本当にユーザーに役立ちますか?そうでもないですよね。

重複コンテンツの判別

Ray氏:
Googleはコンテンツの重複をどのように判断していますか? しきい値は何ですか?
Splitt氏:
しきい値については詳しくわかりませんが、コンテンツのフィンガープリントを取って、それを使ってコンテンツの類似度を判断しています。色々な類似度の指標を使って、例えば95%類似などと判断できます。ドイツ語圏で良く見かけるシナリオですが、ドイツ語のECサイトがドイツ、オーストリアとスイスのユーザーに対応していて3か国向けの3ページがあります。方言の違いでいくつかの語句が違って、価格や通貨が違うだけで、どの国に対しても同じ商品を出しています。その場合、Googleはそれらのページは同じだと判断します。各ページが自URLにCanonicalタグを設定しても、意味がありません。ウェブマスターが個別コンテンツとして考えたとしても、Googleは1つのコンテンツだと判断します。この場合、hreflangを設定すると良いです。Googleは1つのURLを正規URLとして選択して、そのURLだけをインデックスしますが、ユーザーの位置情報によって検索結果には適切な地域版を表示します。
フィンガープリント:内容の更新や類似度を迅速に通知するための方法

■感想・まとめ

コンテンツについてよくある誤解がうまくカバーされていたと感じました。「ユーザーはすべての鍵」とのことで、テーマから文字数まで、ユーザーの検索意図とユーザーの体験を考慮してコンテンツの戦略を立てると良いですね。

エピソード7はシーズン2の最後のエピソードになるようで、SEOのコミュニティとGoogleの関係についてになります。こちらも和訳しますので是非チェックしてください。

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