8つの実例で解説! SEO対策の効果と効果が出るまでの期間
2020年09月1日
ライター:岩井 謙治
SEO

サイトリニューアルやコンテンツ・タイトルなどの既存ページの修正、コンテンツSEO・カテゴリなどの新規ページの作成、AMPのような技術要件の対応など、よく行われているSEO対策の施策ごとに得られたSEO効果と効果が出るまでの期間についての実例をまとめました。
SEO対策をご検討されている方々に、得られる効果や、いつから効果が出るのかのひとつの目安として、参考になる情報をご紹介します。

SEO対策の効果とは

まずは、SEO対策で得られる効果とは、どういったものなのかを説明したいと思います。
SEO対策とは、Googleなどの検索エンジンで検索結果ページの上位にWebページを表示させてサイトへの流入を増やす、Webマーケティング手法です。
こちらのページでは検索順位ごとのクリック率の調査結果を紹介していますが、1位は28.5%、2位は15.7%、3位は11%というように検索結果の上位に表示されるほど、クリック率が高く、多くの流入が期待できることがわかるかと思います。例えば、9位のクリック率は2.8%ですから、もし9位から1位に表示されるようになれば、流入数が10倍増える(2.8%→28.5%)ということになります。
また、Googleでは検索結果に表示される各検索ギャラリーへの表示対応を行えば、そこからの流入も期待できます。
さらに、そのページのコンバージョン率が一定であるなら、流入数の増加に対してコンバージョン数も同じ比率で増えることになります。
つまり、SEO効果とは、検索結果の上位の順位や検索ギャラリーに表示されることによって、オーガニック検索からの流入数が増え、サイトの目標としている成果も増やすことができるということになります。

SEO効果を出すための対策とは

それでは、Webサイトにどのような対策を行えばSEO効果が得られるのでしょうか?
それを知るには、まず検索エンジンがどのような方針のもと、検索ユーザーに検索結果を提供しているのかを理解しておくこと、そして自社のWebサイトやページにどのようなSEO課題があるのかを把握することが必要です。
例えば、Googleの方針は「関連性と信頼性が最も高い情報を提供する」といっており、スターターガイドでは、以下のようなことをWebサイトに求めています。

検索ユーザーに対して
  • ユーザーにとって信頼性が高く、価値のある有益なサイトにする
  • ユーザーが求めている情報を把握して、最適な回答を提供する
  • オリジナルでユニークなコンテンツを提供する
  • テーマに応じた適切な量のコンテンツを提供する
  • ユーザビリティに優れたものを提供する
Googleに対して
  • Google がWebサイトを検出(クロール)できるようにしておく
  • Google がWebサイトのコンテンツを理解(レンダリング)できる方法で実装する

このような方針を理解したうえで、Webサイトに課題がないかを調査して、適切なSEO対策を実施していきます。具体的な施策はサイトやページごとに様々ですが、それらは上記の項目に対して課題があるために行うものでないと、SEO対策としては適切でなく、期待したSEO効果を得ることはできないでしょう。

※もし、自社のWebサイトにどのようなSEO課題があるのかがわからないという方は、弊社の「SEOサイト診断」サービスをご検討ください。

SEO効果が出た対策と効果が出るまでの期間

ここでは、SEO対策の効果の実例を一部ご紹介します。
実際にはサイトの規模やドメインの検索エンジンからの評価によって、得られる効果や効果が出るまでの期間は違ってきますが、どのような対策を行うとどれくらいの期間や時間で効果が出てくるのかのひとつの目安として参考にしていただければと思います。

実例1)サイトリニューアル

以下は、サイトリニューアルで、サイト構造の再設計や各テンプレートとカテゴリの改修、技術要件への対応などのSEO対策を行い、流入数が増加したSEO効果の実例です。

▼大規模サイト
▼中規模サイト
▼小規模サイト

効果が出るまでの期間は、経験則からオーソリティ性の高いサイトほど早く現れる傾向で、それ以外のサイトは、3~6ヶ月の期間を要することが多いです。
また年に3,4回行われるコアアルゴリズムのアップデートのタイミング(▲)では、リリース後のページの評価が更新され、検索順位の上昇から流入増へとつながる傾向です。
リリース後最初のアップデートまでに効果が出る場合は、リリース前に比べ10~30%くらいの増加になるケースが多く、アップデートでさらに増加していき、上記の実例のように、リリース後3回目くらいまでのアップデートでその効果が期待できることがわかるかと思います。
また1年後の流入状況もSEOに最適化されたサイト構造に新規コンテンツが追加されることで流入増を継続するサイトが多い傾向です。

実例2)カテゴリの追加

以下は、新規にカテゴリを追加し(2階層目を作成)、SEO効果で流入数が増加した実例です。

リリース(最左)の翌月から徐々に流入数が増加し、小規模なサイトですが、効果は早く現れています。リリース後はコアアルゴリズムのアップデートのタイミング(▲)でさらに増加していき、リリース後1年半が経過しても増加傾向を持続しています。
上記の実例では、12ヶ月後の時点でカテゴリ全体の流入を1.5倍増加させる効果がありました。

実例3)コンテンツSEO

以下は、検索需要の多い記事向けのキーワードに対し、新たに記事ページを作成して大きな流入数を獲得したコンテンツSEOの効果の実例です。

※ 赤字はコアアルゴリズムのアップデートがあった月、黄色は期間中の流入が最大だった月

効果は早期に現れているものもありますが、大きくは最初のコアアルゴリズムのアップデートの後に出てきて、3回目以降のアップデート後も流入を増やしているものも多く、リリース後1年以内は徐々に流入が増えていく傾向です。

実例4)既存コンテンツの修正

以下は、既存ページのコンテンツを作り直して、流入数が増加したSEO効果の実例です。

※ 赤字はコアアルゴリズムのアップデートがあった月、黄色は期間中の流入が最大だった月

効果は早期に現れ、リリース前と比べ、1ヶ月後には流入が10倍以上になったものもあります。
流入数は、リリース後1回目のコアアルゴリズムのアップデート後にさらに増え、効果が最大化するのは、2回目のアップデート後になるものが多い傾向です。

実例5)ページタイトルの修正

以下は、ページタイトル(titleタグ、h1タグ)を修正して、検索順位が上昇したSEO効果の実例です。

▼Search Console 検索結果のパフォーマンス

効果は修正した翌日から現れ、10位ほどの順位上昇となり、以降は安定した状態で検索結果の1ページ目に表示されています。
経験則から、ページ内の一部の要素のキーワード調整程度の施策であれば、効果が出るまでの期間は短期である場合が多いです。

実例6)AMPの対応

以下は、ブログサイトの記事ページにAMP(Accelerated Mobile Pages)を作成して、AMPカルーセルなどからの流入数が増加したSEO効果の実例です。(対策の参考情報:AMPページを作成する

▼Search Console 検索結果のパフォーマンス(検索での見え方:AMP記事)

こちらの実例の実装は2017年に行ったため、上記からは実装直後の効果はわかりませんが、経験則から効果は実装後にすぐ現れ、検索結果ページの「トップニュース カルーセル」などにも表示され始めます。
こちらのブログサイトでは現在、流入の約10%をAMPカルーセルから獲得しており、メディア系サイトやメインコンテンツが記事ページになっているようなサイトは、記事ページがターゲットとするキーワードで検索した際にAMPカルーセルが表示される場合は、AMPに対応することでこのような流入増が期待できます。

実例7)動画検索の対応

以下は、動画コンテンツがあるページに、動画の構造化データを追加し、Googleの動画検索からの流入数が増加したSEO効果の実例です。(対策の参考情報:動画のベスト プラクティス

▼Search Console 検索結果のパフォーマンス(検索タイプ:動画)

効果は修正した翌日から現れ、3週間後には表示回数(紫)が約3倍に、クリック数(青)は約12倍に増加しました。
ページ内の動画ファイルが検索エンジンに登録されていれば、構造化データがなくても動画検索に表示されるものもありますが、上記のように構造化データを追加することで、より表示されるようになり、クリック数(流入数)の増加が期待できます。

実例8)sitemapsファイルの改修

以下は、大規模サイトのタグページのsitemaps.xmlを改修し、インデックス数の増加から流入数も増加したSEO効果の実例です。(対策の参考情報:サイトマップについて

▼Search Console タグページのサイトマップのカバレッジレポート
▼Googleアナリティクス タグページの「Organic Search」セッション数(週次)

効果はインデックス数の増加した直後から徐々に現れ、2週間後には流入数が約10%増加しました。
大規模サイトは、サイト内のリンクからだけでは検索エンジンのクローラーが辿り着けないページが大量に出てきてしまいますので、リンク階層の深いページにsitemapsファイルからクロールを促すことで、このような効果が期待できます。

実例でご紹介できるものは以上になりますが、その他の事例やサイト全体でのSEO効果を知りたい方は、以下の弊社のSEO事例ページでもご紹介していますので、ご覧ください。

効果が出るまでの期間の傾向

前章の施策ごとに効果が出始めるまでの期間をまとめてみました。

上記の実例でもそうですが、経験則からも、サイト全体に係わるような大規模なSEO対策を行った場合や、新規にページを作成した場合(新しいURL)は、SEO効果が出るまでに時間を要する場合が多いです。しかし、その効果は長期的に持続する傾向です。
一方で、個別ページの修正など、変更箇所が少ない対策を行った場合は、数日~1ヶ月など早期に効果が出てくることが多いです。

このことから、SEO対策には課題ごとに様々な施策があり、得られるSEO効果や、効果が出るまでの時間もまちまちなのがご理解いただけたかと思います。

SEO対策の多くは、リスティング広告のように即効性のある集客手法ではないですが、きちんと検索エンジンの方針を理解して、検索ユーザーに満足されるサイトやページを提供できれば、検索エンジンから長期的に大きな流入を獲得することが期待できるコストパフォーマンスに優れた集客手法ですので、ぜひ自社サイトの集客施策の1つとして、強化を図っていただければと思います。

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アユダンテでは、以下のような、各種SEOコンサルティングサービスを提供しております。
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この記事を書いた人
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岩井 謙治
SEOコンサルタント
制作経験を生かした資料作成、テンプレート設計の美しさはSEOチーム随一。手堅く、きめ細かいコンサルティングにリピーターのお客様も多数。得意分野はポータルサイト、顧客ニーズを把握して確実に成果を狙っていく。
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