グローバルSEOはローカライズがマスト! 翻訳では効かない理由を徹底解説

2020年04月21日

多言語サイトのSEO対応を行う中で、押さえるべきポイントはたくさんあります。例えばGoogleのヘルプに記載されているような言語ごとのURLを使用すること、言語や地域ターゲティングを実装することや重複ページを処理することなどです。

グローバルSEOはこのようなインターナショナルターゲティング施策に重点が置かれがちですが、実はGoogleのヘルプには書かれていない重要なポイントがあるのです。それは、ユーザーの検索ニーズ、気になるもの、使われる言葉、生活などは国と言語によって大きく異なる場合があるということです。
単純な翻訳と技術的な対策だけではコンテンツの最適なグローバル展開ができません。

現在のSEOでは、ユーザーの検索意図を意識して、ユーザーのニーズに応えることが非常に大事です。
この記事では主に記事コンテンツを元にグローバルサイトのSEOを行う際の重要な考え方についてお伝えします。

「翻訳」ではなく、「ローカライズ」

多言語サイトでは通常ある1言語でコンテンツを作成し、その他の言語に展開すると思いますが、ただ単に翻訳するのではなく、ローカライズを行う必要があります。
ローカライズとは、特定の国を対象に作られたものを、他の国でも使えるように、その国の文化、法律、言語などの特徴に合わせて作り替えることです。
コンテンツ作成の場合は対象言語や国のキーワード調査、ユーザーニーズの把握とそれに合わせたコンテンツの調整が必要になります。

ただユーザーニーズがほとんど変わらない、文化の違いにさほど影響されないコンテンツや、コンテンツの多言語展開にあまり費用をかけられない場合はやむを得ず単純な翻訳になる場合もあると思います。まずはじめに翻訳の場合の注意点を説明します。

単純な翻訳を行う場合の注意点

機械翻訳はNG

多くのウェブサイト翻訳機能が存在し、Google翻訳でも最近精度がかなり上がってきていますが、機械翻訳はやはり不自然な文章になりがちで、文言がおかしくなる可能性もあります。
(2006年にマドンナがロシアの公演後、自動翻訳ツールを使ってブログで「ロシアのファン」ではなく、「ロシアの扇風機」に感謝していたことがいまだに忘れられません)
おかしい翻訳はイメージが良くない、ユーザーに信頼されない、読みにくくて離脱に繋がる可能性があるだけではなく、検索エンジンに品質が低いコンテンツとしてダウングレードされてしまうリスクもありますので、機械翻訳は絶対にやめましょう。

外国人社員に翻訳を頼むのもNG

外国人社員に翻訳を頼むこともよくありますが、翻訳者、ライターなど専門の方でなければ、コンテンツを単に訳してもらってもSEO効果は得られない可能性があります。
ネイティブでない方に英語の翻訳をお願いしたら、必ずどこかで不自然な文章になってしまいますし、またネイティブでも、翻訳や文書作りが苦手な人は多いです。
自動翻訳よりは良くなるかもしれませんが、やはり読みやすくなく、文言や文法のミスがあれば低品質コンテンツとしてGoogleに評価される可能性が出てきます。

翻訳は誰にでもできる仕事ではありませんので、できればプロに任せましょう。
そして、翻訳した後はSEO担当者が翻訳によってキーワードが抜けていないか等SEO的な観点でのチェックも行い、必要に応じて調整すると良いです。

では、次にローカライズができる場合のステップを説明します。

キーワード調査

一般的にコンテンツを作る前には、ユーザーが検索している人気なキーワードを把握するために必ずキーワード調査を行います。
コンテンツのグローバル展開を行う場合は、キーワード調査を全言語分行う必要があります。同言語で国別ページがある場合は国別でもキーワード調査を行うと良いです。
以下キーワード調査のいくつかのポイントです。

対象国・対象言語の検索エンジンを対象にキーワード調査を行う

Googleのシェアが高い国をカバーし、Google向けのキーワード調査ができるツールはたくさんあります。
例えば、無料で使えるおすすめのツールはUbersuggestです。国と言語を設定でき、国別、言語別の調査ができます。

ただし、国によっては、他の検索エンジンを視野に入れる必要があります。
例えば、ロシアではGoogleとロシアの検索エンジンYandexのシェアがほぼ半々です。YandexのユーザーがGoogleより平均年齢が高いと言われるなど、対象ユーザー属性によっては更にYandexのユーザーが多く見込める場合があり、Googleのキーワード調査と別にYandexが提供するキーワードツールを活用すると良いです。

また、中国語の場合、大陸のユーザーがGoogleにアクセスできず、Baiduがほとんどのシェアを占めているため、キーワード調査に百度指数のツールを利用すると良いでしょう。
ただ、台湾や香港はやはりGoogleがメインのため、繫体字サイトはGoogleを指定してキーワード調査を行います。

各国の検索エンジンのシェアは例えばStatscounterのウェブサイトで確認できます。

人気のキーワードを利用する

翻訳やローカライズを行う際、同じテーマに関するキーワードの選択肢が複数出てくる場合がありますが、その言語でより検索される人気の言葉を選択します。
例えば、ペットグッズのサイトでエリザベスカラーの記事を英語に展開する場合、メインのキーワードとしてElizabethan collarを使うか、pet coneやcone of shameを使うか複数の選択肢があります。これを、キーワード調査を行って決めるのです。

国によって異なる文言に注意する

同じ英語でも、アメリカ、イギリス、オーストラリア向けのサイトがあれば、国によって使用される言葉が異なる場合があります。
例えばファッション記事で「ズボン」をキーワードとして使用する場合、アメリカ英語ではPantsを使いますが、イギリス英語ではTrousersを使います。イギリス英語でPantsを書いてしまうと、下着の意味になり、アメリカでTrousersを使用するとスラックスを表す若干古い言い方になります。
業種に特徴的なニッチなキーワードでも国別に違いが出る場合がありますので、自身のサイトに関連するキーワードに国ごとの違いがないか把握しておくと良いです。

ターゲット国・言語のユーザーのニーズを把握する

ターゲットキーワードが決まれば、単純にそのキーワードをページ内に使うだけではなく、そのキーワードで検索するユーザーのニーズに応える必要もあります。

キーワード調査ツールで複合語を確認する

キーワード調査を行う際に、ユーザーニーズのヒントとしてキーワードと一緒に検索される複合語を確認します。
テーマによって他言語でもほぼ同じ複合語が出ることもあれば、かなり違う複合語になることもあります。
例えば、「猫風邪」をメインキーワードと設定して派生語を見てみます。日本語と英語では一部の複合語は共通ですが、日本語は猫風邪が人間にうつらないか?猫風邪で死なないか?などの悩み検索が人気、一方英語では子猫の風邪に関する検索、また自宅でできる治療についての検索が人気です。

各国・各言語のGoogleの検索結果を確認してみる

サジェストキーワードや検索結果の上位に表示されるページ自体からもユーザーニーズのヒントが得られますが、それらを確認するためには各国・各言語の検索エンジンの結果を見る必要があります。
Googleで国と言語を指定するパラメータをURLに付与すれば、他国と言語の検索結果が確認できます。

以下、いくつかの国と言語のGoogle検索を指定するURLの例です。

Google US/英語 https://www.google.com/webhp?gl=us&hl=en&gws_rd=cr&pws=0
Google UK/英語 https://www.google.com/webhp?gl=gb&hl=en&gws_rd=cr&pws=0
Google韓国 https://www.google.com/webhp?gl=kr&hl=ko&gws_rd=cr&pws=0
Googleドイツ/ドイツ語 https://www.google.com/webhp?gl=de&hl=de&gws_rd=cr&pws=0

付与するパラメータは以下です:
gl= 国コード
hl= 言語コード
gws_rd=cr リダイレクトを無効にする(固定で使用する)
pws=0 過去の検索履歴などを元にパーソナライズを無効にする(固定で使用する)

検索結果の確認はブラウザのプライベートウィンドウで行い、また、現在でもパソコンの検索が多いB2B業界でない限り、モバイルで行っておくと良いでしょう。

サジェストキーワードなどを確認する

対象国の検索エンジンにアクセスして、検索窓にキーワードを入れた際に表示されるサジェストキーワードや、検索の途中に表示される「他の人はこちらも検索」または最近一部の言語で良く表示される「people also ask」ブロック、下部に表示される「関連キーワード」ブロックの内容でもユーザーの検索意図が見えてきます。

サジェストキーワード
「他の人はこちらも検索」のキーワード(英語は出ないので日本語とロシア語を例に)
「People also ask」のQ&A(日本語では出ないので英語とドイツ語を例に)
「関連キーワード」

やはり、英語では猫風邪が自然に治るか、自分で治療するように市販薬の情報が知りたいニーズが多いですね。

検索結果に表示されるページを確認する

最近のGoogleはユーザーの検索意図を読み取り、そこからユーザーニーズに応えるコンテンツを上位に表示させますので、検索結果に表示されるページもユーザーのニーズを探るヒントになります。

例えば、以下、USの「Cat Cold」と日本の「猫風邪」の検索結果ですが、やはりUSの一位は自宅の治療法記事でした。

文化や生活の違いによる調整が必要ないか確認

キーワード調査とユーザーニーズの調査を行った後、必要に応じてターゲットキーワードを調整したり、ユーザーニーズに応じてコンテンツの内容を削除したり、追加したり、書き換えを行います。
コンテンツ作り替えの際に更に文化、法律や宗教的なところなどで調整の必要がないか意識する必要があります。
インド向けに牛肉のレシピを出せない、主な宗教がイスラムの国向けにお酒が写っている画像を使用しない方が良いなど、当たり前に調整が必要になるものがあるだけではなく、例えば天気、食べ物、生活スタイルなど、様々な文化の違いによって微調整が必要になるコンテンツもあると思います。その調整の程度はコンテンツのテーマに大きく関係します。例えば、東京のベスト観光スポットTop 10は英語でもドイツ語でもあまり調整が必要ないかもしれませんが、自宅での風邪の治し方はロシアとアメリカで大きく異なりますので、調整が必要となります(ウォッカにはちみつ、ニンニク、ペッパーを入れて飲むと本当に風邪に効きますよ)。

最終的にはネイティブや現地の方に文章と内容に違和感がないか確認してもらいましょう。

まとめ

グローバルSEOは単に翻訳してインターナショナルターゲティングなどの技術要件を満たせば十分ではなく、しっかりキーワード調査を行い、それぞれの言語や国のユーザーニーズと特徴を把握して、ユーザーに役立つ最高なコンテンツ作りを目指すとよいでしょう。

今後、グローバルSEOの技術的なところは弊社の河内がコラムを配信しますので、興味がある方は弊社のFacebookやTwitterをフォローしてチェックしてください!