今必要なSEO施策とSEO会社の選び方(2019年)
2019年09月27日
ライター:江沢 真紀
SEO

突然ですが、最近SEOの営業対応をしています。その中で、SEO会社への問い合わせや期待するもの、提案要望などは本当にサイトごとに様々であり、中にはなかなかご要望を正確に汲み取れずスムーズにいかないケースもあります。そこで今回は2019年時点におけるSEO施策の種類と、サイトごとに必要なSEO施策、それに応じたSEO会社の選び方について考えてみたいと思います。

最近のSEOはGoogleのクローラーも進化し、Googleの情報発信も目覚ましく、巷にも様々な情報があるので、とてもやりやすくなったように感じています。反面、サイトによってはやることが多岐に渡るようになったり、効果が出にくくなっている面もあるように思います。
私が営業をしていてよく聞くのは次のような声です。

「もしかしたら、今やっている施策が合っていないのかもしれない」
「SEO施策を業者に頼んだけど、なかなか進まない」
「提案されてもサイトの改修が簡単にはできず、できないことのオンパレード」
「いろいろやってもなかなか効果が出ない」

もちろん現状に不満があるからお声がかかるのでしょうが、やはりSEOには必要な施策、不要な施策、合うSEO会社、合わないSEO会社があるように思います。合う施策と会社を選ぶにはまずは自身のサイトの課題を把握することも重要です。
そこで今回は次のような流れで課題の把握からSEO会社選びまでまとめてみました。

STEP① 自社サイトのSEO的な課題を把握する

営業をしていて感じるのは、案外企業担当者の方がSEO的な課題を把握していないことが多いという点です。
多くは、「オーガニック流入を増やしたい」「Aというワードで上位を取りたい」というご要望になります。
それでもいいのですが、もう少し詳しい課題を把握していると施策イメージがかたまってくると思います。

私たちが通常課題を把握するのは以下の方法です。

  1. Googleアナリティクス
  2. サーチコンソール
  3. 順位調査データ(自社ツール)
  4. サイトチェックリスト

Googleアナリティクスのオーガニック流入1つとっても、例えばコンテンツグループなどを使ってページ群ごとに分析しておくと随分課題が見えてきます。
グループごとの推移を見れば商品一覧が減少した、TOPが減ったなど一目でわかります。

例:ECサイトのページ群ごとのグループ

キーワード1つとってもサーチコンソールの検索パフォーマンスデータの流入クエリや順位をいろいろな角度から見ていきます。

そうして出てきた課題を例えば以下のように列挙してみます。

  • カテゴリ一覧のページ群が昨対で80%になっているから回復させたい
  • 製品関連では獲得できているけれど、周辺のハウツーニーズの獲得がまだできていない
  • コラムページの順位が3月のGoogleアップデートで急に下落した
  • 新商品ページのインデックス状況が悪い
  • サブドメイン間でキーワードを食い合っている

などなどいろいろ見えてくるものがあると思います。
これらの課題から次のSTEP2の施策を選んでいくこともできると思いますし、SEO会社への問い合わせや提案依頼の際に伝えることもできると思います。

特に営業の段階ではNDAがないので、GoogleアナリティクスやサーチコンソールがSEO会社側で確認できないことが多いと思います。
そのため、上記のような具体的な課題を営業段階で共有いただけると、どのような施策がベストか、どこに注力すればいいかがわかるのでとても助かるのです。

STEP② 課題に応じた施策を考えてみる

次に自社サイトの課題にどんなSEO施策が適しているか考えてみます。
そもそもSEO施策にはどんなものがあるか皆さんご存知でしょうか?
当たり前すぎるかもしれませんが改めて列挙してみたいと思います。

1. 内部施策

サイト内部を最適化するものです。内部施策にはわかりやすく言うと次の2パターンがあるように感じています。

  • アジャイル型 →修正指示書などを用いて適宜、部分最適化する
  • ウォーターフォール型 →リニューアルなどのタイミングでまとめて全体最適化する

アユダンテのメイン施策は後者のウォーターフォール型になります。ウォーターフォール型はもう古臭いのかもしれませんが(笑、やはり最大のメリットは「全体最適化」ができることです。
アユダンテのウォーターフォール型の施策では次の1から7のような項目を網羅的に実施していきますが、やはりリニューアルだからこそ、この全部の施策が一気にできるのです。

  1. サイトと課題の把握
  2. 検索ニーズ調査
  3. サイト構造とLPの設計
  4. テンプレートとコンテンツの最適化
  5. 検索結果の最適化
  6. 技術要件の最適化
  7. モバイルの最適化

冒頭に挙げた声のような「提案されてもサイトの改修が簡単にはできず、できないことのオンパレード」というのはテンプレートをいじれない、ブロックを追加できない、URLを簡単に変えられない、データーベースにカテゴリを追加できない、などマーケティング担当者では修正に限界がある場合が多いのです。
システム生成のサイト、大規模サイト、課題の多いサイトはウォーターフォール型のほうがSEO効率が断然いいと私は考えています。

逆に静的なサイトや小規模サイト、SEO的に成熟しているサイトはアジャイル型でPDCAを回していってもいいと思います。

2. 外部施策

(本来は…)関連ある外部サイトからの被リンク増加やサイテーションの獲得だと思います。日本では外部リンク売買がメジャーとなり、今でも購入しているサイトはよく見かけます。
リスクもありますし、Googleのガイドライン違反になりますので不自然なリンク購入や設置はやめたほうがいいと思います。

3.コンテンツ施策

Googleの評価がコンテンツ優位になってから増えてきた施策です。オウンドメディアの構築や、記事の作成などになります。

4.ローカル施策

GoogleマイビジネスやMAPでの最適化施策です。特にスマホ時代となり露出が増えているローカルですが、先日辻さんがこのような警鐘を鳴らされています。

【注意喚起】Google Maps最適化(MEO)業者への依頼は大きなリスクがあります

以上がSEOの主な施策ですが、STEP①で洗い出した課題やご自身のサイトの作りや体制などに応じて、どんな施策が向いているか、まずは考えてみるのがいいように思います。
あとはサイトのタイプごとに適している施策はある程度決まってくるようにも思います。

タイプ別施策表
タイプ 内部施策(検索ニーズ) 内部施策(ページ) 内部施策(技術) コンテンツ施策 ローカル施策
EC/サービス 大規模
中小規模
メディア・ブログ
コーポレート・店舗系
BtoB

例えばECサイトでコンテンツ施策ももちろんできますが、もしサイトの基盤が最適化されていなければまずはカテゴリや商品ページなど内部施策を行ったほうがいいと思います。BtoBで商材関連の検索ニーズが少ない、顕在化していないような場合であればコンテンツ施策で周辺ニーズを開拓してもいいように思います。

もちろん業種やサイトの作りによって上記の限りではないですが、タイプごとの施策、そしてSTEP①の課題をもとに施策のあたりをつけてからSEO会社選びをするとスムーズかもしれません。

STEP③ その施策が得意なSEO会社を探してみる

内部施策、外部施策、コンテンツ施策、ローカル施策、ご自身のサイトに合った施策が決まったら、その分野が得意なSEO会社を探します。
例えばアユダンテであれば内部施策やコンテンツ施策は提供していますが、外部施策やローカル施策は提供していません。

口コミや紹介、ネット検索、書籍、いろいろな探し方があると思いますが、必ず以下をチェックしたほうがいいと思います。

  • 事例/実績 ※名前だけでなく詳しい施策内容なども
  • 施策内容と成果物
  • SEO担当者の経験年数
  • SEO担当者の得意分野 ※EC、コーポレートなど
  • SEOエンジニアの有無 ※大規模サイトの場合
  • Googleのガイドラインに違反していないか
  • 効果検証方法 ※特定ワードの順位のみでなく、アナリティクスも行うか
  • SEO会社の作業範囲 ※コンサルのみか、制作や開発も含むのか

特にSEOは属人的なので「誰に頼むか」も重要です。
例えば私は女性向けサイトやECは得意ですが、BtoBや金融などはあまり得意ではありません…。1から勉強することもできますが、やはり経験者のほうが深い施策ができるように思います。
そしてRFP(提案依頼書)があるととても提案はしやすいです!

たかがSEO、されどSEO、サイトが1000あれば1000通りの手法がある。
決まった手法のないSEOだからこそ、ハンドリングする企業担当者の方の選定する“目”が重要かもしれません。
この記事が参考になれば幸いです。

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